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2016年5月5日

7719:世界金融市場は「崩壊の危機」に直面している:記事紹介

7719:世界金融市場は「崩壊の危機」に直面している:記事紹介

眼科医清澤のコメント:
 帰省してみれば、株の下落は田舎の老母までが気付くところまで進行しているようです。そんな折、我が安倍首相は、景気浮揚のため政府の財政出動をしようと、ドイツのメルケル首相やイギリスの首相に持ち掛けましたが、それは体よく拒まれている様です。
 そんな時に眼に入ったのがこの2月の記事です。なるほど、ヨーロッパをリードするドイツでも、その余力はもうないという事なのでしょうか?記事を抄出してみます。

  --要点--
世界金融市場は「崩壊の危機」に直面している。それは資金の安全な避難場を破壊した日銀の「罪」 http://toyokeizai.net/articles/-/104866?page=1

小幡 績 :慶應義塾大学准教授 小幡 績 慶應義塾大学准教授 2016年02月12日

現在、株価暴落の核となっているのは銀行株。リスク資産市場の危機は、経済全体の危機になりかねない(写真:AP/アフロ)

静かな暴落の恐怖。深層、真相はどこにある?日銀のマイナス金利が最後の一押しとなり、世界金融市場はフリーフォールとなった。

2015年8月の下落と2016年初からの下落、この時の要因は原油だった。原油価格の下落でシェールガスも暴落、関連企業のジャンク債が暴落し、ハイリスクの投資をしていたファンドが破綻、機関投資家も大きな損失を出し、株式市場にも連鎖した。

暴落の主因は原油から銀行セクターに

チャイナショックと言われたが、原油、資源の問題だった。ただ、それまで、消費が増え続けていく中国というストーリーで投機を集めていた原油が暴落し、資源も暴落した。しかし、1月末からの暴落要因は日銀のマイナス金利だった。
現在、原油から銀行セクターに暴落の主因は移った。欧州の銀行はすべて売り込まれた。最後のとどめは、マイナス金利によるベース収益の減少。

リーマンショックで完全に崩壊した世界金融バブルが、銀行セクターを肥大化させ、反動による収縮が現在も続いており、いよいよごまかしきれなくなってきた。

リーマンショック後、世界の金融当局は、銀行や金融機関への規制を強化して、リスクを取らせない方向へ舵を切った。それが国債への投資。

量的緩和と称する大量の国債購入
リーマンショックに対応して、米国も欧州も中央銀行は、量的緩和と称する大量の国債購入政策を実施した。ギリシャ国債を始め、リスクの相対的に高い国債の大量購入を行った。一方で、世界中の政府は財政出動を行った。国債を金融機関や投資家は買い入れ、中央銀行に売りつけることにより、利ザヤを稼ぐ。欧州の中央銀行とEUおよびIMFは本来格付けが低いはずの国々の国債を買い入れ、資本注入をし、欧州の銀行システムを維持してきた。財政も金融もフル出動となった。

そのバブルがいま崩壊しているのである。欧州の銀行は投機家と一緒に、中央銀行や政府を相手に負けないギャンブルをした。そのツケは欧州危機として実現した。

金融緩和による世界的な不動産バブルで、再び銀行や金融機関はレバレッジを高め、国債の次は不動産へ資金を移し、欧州危機が一息つくと、懲りずに株式市場に投資家の資金は殺到し、世界の株価は上昇したのである。

疲弊した新興国は不況に落ち込んでいった

米国の大規模な量的緩和により、世界的なバブルが起こり不動産、株式に集中したため、実体経済の本格回復はないまま、投機資金が資産市場に流れ込んだ。新興国はインフレに悩み、金利を引き上げなければならなかった。バブルを抑えるために、国内の実体経済を不況に陥れてしまった。

こうなると、資金は先進国に向かい、ドルが急上昇し、新興国通貨は大幅に下落し、輸入インフレが激しくなった。

こうなると、資源バブルもはじけざるを得ない。原油は大幅に下落し、これは資源輸出国である新興国、途上国にとどめを刺した。これは先進国に跳ね返ってきた。これが昨年からの下落である。

昨年からの原油ショックは、世界金融市場の崩壊の序章に過ぎなかった。致命的なのは、銀行システムが崩れることである。原油暴落で借金国や借金で資源開発をしている企業、国が破綻するので、世界経済はトータルでマイナスなのである。すべての経済危機は銀行危機である。

今回は原油暴落からの株式市場の危機、リスク資産市場の危機から、経済全体の危機になったのである。

世界中の銀行が追い込まれるという連想ゲーム

銀行が財務危機に陥れば、実体経済へ流れも細くなり、実体経済は不況に陥る。今回の危機は、この始まりの危機なのである。最後のとどめは、日銀のマイナス金利であった。リーマンショック後、欧米の銀行は利益機会を失い、徐々に弱ってきていた。そこへ、銀行の資本を厚くすることを当局は要求していた。その結果、ドイツ銀行は無理な資本調達をしなければならず、持続不可能になった。さらに、欧州ではマイナス金利が3年続いており、銀行は、安定した国債利回りによる収益も失ってきた。

このような状況があるところへ、日銀がマイナス金利を導入し、世界の金融市場は、世界中の銀行が追い込まれる、という連想でいよいよ終わりの始まりが始まったのである。米国の利上げ回避も、米国債金利の急落で、さらに銀行不安は拡大した。

安全資産の市場がギャンブル市場に

これまで、サプライズで市場を弄んできたしっぺ返しを受けている。株価が下落して元に戻るだけでなく、世界の銀行システムの崩壊の危機に陥れた。

国内経済を考えると、マイナス金利は為替安にすることだけが短期的なプラス要因だが、黒田緩和第三弾は誤算に見舞われた。

本当の日銀の最大の罪は、世界の金融市場から安全な逃避場を消滅させたこと。日銀の最大の罪は、国債という安全資産の市場、資金の逃避場の市場を破壊したことにある。これらの市場は乱高下に見まわれ、投機資金のギャンブル市場になってしまった。これは3年前、異次元緩和第一弾が始まったときから起きていることであり、第三弾は最後のとどめにすぎない。異次元緩和が始まったときから、この金融市場の終わり、安全資産市場が世界から消滅するという、終わりの始まりは始まっていたのである。
  --抄出引用終了--

Categorised in: 社会・経済