お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2016年5月1日

7706:原因は処方薬、米で急増する鎮痛剤の依存・中毒死:記事紹介

原因は処方薬、米で急増する鎮痛剤の依存・中毒死 (日経 ワシントン支局 長沼亜紀)という記事が出ています。概要は 『鎮痛剤に使われる物質の一種「オピオイド」の依存症や中毒死が米国で増えている。米疾病対策センター(CDC)によると、2014年のオピオイドによる中毒死(ヘロインを含む)は過去最高の2万8647人を記録し、薬物中毒死者数の6割を占めた。1日当たり78人が亡くなっている計算だ。医師に処方された薬の服用が原因で依存になるケースも多いという。かつて都市貧困層の問題だった薬物依存が郊外や地方の白人中流層にも広がり、深刻さを増している。』というものです。

眼科医清澤のコメント:
最近急死した歌手のプリンスさんの例やトヨタ自動車前常務役員が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された事件など、オピオイドの蓋が注目され始めているようです。日本ではベンゾジアゼピンなどの精神安定剤の害が喧伝されていますが、神経性神に作用する薬剤はオピオイドに限らずその使用を最小限にすべきであると考えられます。

ーー以下記事の要点ですーー

 ーーオピオイドは強い鎮痛、陶酔作用があり、米国では、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどが医療用麻薬として用いられている。 アンドリュー・コロドニー医師は「医者は患者を助けようとして間違った情報に基づいて薬を処方した結果、現在の『危機』を招いてしまった」と考えている。オピオイド鎮痛剤の多くは、かかりつけ医や、歯科医など身近な医療関係者によって処方されている。12年の処方件数は2億5900万件にのぼり、これは米国の全成人に1瓶の薬が行き渡る数だ。「あまりに安易に大量の薬が処方されており、これを変えない限りまん延は止められない」とコロドニー医師は指摘する。

 処方薬による依存は、若者が自宅で親などに処方された薬を盗み飲んで始まる事例と、中年層が慢性的な腰痛や頭痛を緩和するために医師から処方された結果という事例がある。ーー製造業や農業に従事する人口が多い地域で高く、年齢別では45~54歳が最も多い。鎮痛剤を多く必要とする高齢者の死亡例も増えている。

 ーー家族を失う中流層が増えるにつれ注目されるようになり、米政府も対策に動き出した。CDCは3月、慢性の痛みの初期治療にオピオイド鎮痛剤は望ましくないとする初のガイドラインを発表したほか、米食品医薬品局(FDA)も3月、処方薬のラベルに依存、過剰摂取、死に至る危険がある点を明示するよう義務付けることを決めた。

 ーー1990年代中ごろに製薬会社が新薬を発表、長期使用しても安全で依存リスクが極めて少ないとして、積極的に売り込みを開始。さまざまなオピオイド鎮痛剤が出て、99年から2009年までに販売量は4倍に増え、並行して中毒死者数も約4倍に急増。

 オピオイド鎮痛剤の「依存リスクは1%以下」との理解が浸透していたが、最近の研究ではるかに依存性が高いことが明らかになっており、逆に痛み緩和効果に疑問が投げかけられている。
ーーー

Categorised in: 社会・経済