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2016年4月10日

7639:日眼のポスター印象録第2部です。

日眼のポスター印象記第2部です。
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プログラムを手にポスターを斜めに読みつつ会場を一周しました。その時のプログラム集への書き込みを参考に、あとから要点を抜き出し、私のコメントを付けてみました。これは独断的なものですから、あまり信頼しないで見てください。コンピュータで演題を検索できるシステムは、こうして全体の話題を纏めるのにはとても有効でした。

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P2から
○P2-014 結膜封入嚢胞における組織像の特徴と前眼部光干渉断層計像との関連
[演者] 篠宮 克彦:京都府医大,
結膜封入嚢胞症例の組織像の特徴およびAS-OCT像と組織像との関連について検討。嚢胞上皮は免疫組織学的に K4,13,MUC16に陽性であった。結膜封入嚢胞の組織像は嚢胞が正常結膜上皮由来であることを示唆した。
コメント:すべてがリンパ管の拡張なわけでは無いということか。

○P2-017 初発翼状片手術による角膜不正形状の変化:長期(1年以降)変化の検討
[演者] 小野 喬:宮田眼科病院
初発翼状片では、重症度に関わらず、術後1年以降において角膜形状は有意に変化しなかった。
コメント:逆に見れば、翼状片術後の角膜は結構長い間角膜は変化するということ。

○P2-018 翼状片に対する光干渉断層計による角膜前後面の角膜形状解析
[演者] 戸田 良太郎:広島大
OCTで測定。翼状片は、大きくなるにつれ角膜乱視と高次収差に対して角膜前面だけでなく角膜後面にも影響を与える。
コメント:OCTを使うというのもアイデア。

○P2-037 Watercleft単独混濁眼の視機能低下要因
[演者] 谷村 直紀:金沢医大
【結論】WC中心型では著明な視機能低下があり、高次収差の影響が最も大きい。
コメント:水晶体中央に矢車状に中心を濁らせるのがWatercleft

○P2-065 緑内障点眼薬による接触皮膚炎の検討
[演者] 奈田 育子 福岡大
接触皮膚炎の原因薬はプロスタグランジン関連薬が3例、b遮断薬が1例、炭酸脱水素酵素阻害薬が1例、Rhoキナーゼ阻害薬が2例、塩化ベンザルコニウムが1例
コメント:時々メガネをかけたように赤くなる人を見るが。

○P2-192 Vogt-小柳-原田病に対するシクロスポリン内服併用療法の効果
[演者] 松澤 萌:順天大・浦安
Vogt -小柳-原田病(VKH)に対する治療成績について。ステロイドパルス療法とそれに続くステロイド内服漸減療法においても、黄斑部網膜下液が残存する症例、乳頭型の原田病、副作用でステロイド内服を長期間使用できない症例、ステロイド内服により網膜下液が増加する症例などには、積極的にトリアムシノロンテノン嚢下注射とシクロスポリン内服の併用が有効。
コメント:上と同じテーマ。

○P2-197 自身の手が透明に見える少女
[演者] 松浦 一貴:野島病院,鳥取大,
特異な視覚、体感、聴覚体験を訴える少女の1例。不思議の国のアリスの作者であるルイス・キャロル自身が AIWSであり鏡文字を書いていたとされる。一般眼科医における AIWSの認知度が著しく低いことを考えると心因性視力障害と診断されている症例の中に少なからずAIWSが見逃されている可能性はある。
コメント:一般眼科医における不思議の国のアリス症候群(AIWS)の認知度が著しく低いことは重要な指摘。

○P2-205 眼科受診で発見された下垂体腫瘍による外転神経麻痺の3例
[演者] 小林 奈美江:総合南東北病院,南東北眼科クリニック
下垂体腺腫(下垂体卒中)が原因であった外転神経麻痺の3例。下垂体腺腫が外転神経単独麻痺の原因となることは非常にまれ。3症例は下垂体卒中の発症で外転神経が圧迫されたものと考えられた。
コメント:南東北グループも健在。このような症例の記憶がなくもない。下垂体卒中がキーワード。

○P2-206 帯状疱疹後三叉神経痛の羞明による前頭葉賦活
[演者] 小野 眞史:日本医大,
 羞明はドライアイ、眼瞼痙攣、網膜色素変性、緑内障等異なる疾患より生じる複雑な愁訴であり、前頭葉賦活として他覚的に評価できる可能性を報告した(2015、臨眼)。三叉神経系過剰興奮と考えられる羞明時前頭葉賦活計測を行った。点眼麻酔時の前頭葉賦活をfNIRS(機能的近赤外線分光法、OEG-16スペクトラテック社製)にて計測。三叉神経系の異常興奮と考えられる羞明を前頭葉賦活として計測することができる可能性。

 コメント:羞明は三叉神経の異常興奮としてとらえてよいのだが、視床あたりにおける連結の変化ではないか?そこからの皮質への投射を見ているのだろうが、近赤外光では能の深部は見られまいが。

○P2-210 むちうち外傷後の視神経症と脳脊髄液減少症の診断と臨床症状の検討
[演者] 野崎 真世:北海道大,
頭頸部に対する比較的弱い外力の事故後、視力、視野障害が徐々に進行する症例は脳脊髄液減少症の可能性がある。むちうち外傷後に発症する視機能低下では、外傷性脳脊髄液減少症が原因の一つとして考えられ、補液前後の視野検査の比較は診断に有効。

 コメント:最近脳外科学会もこの疾患概念の存在を認めた。日本ではむち打ち症に関連したものが、欧米では腰椎穿刺に続発するものが多く想定されているようだ。診断はやや慎重にゆきたい。

○P2-213 0.01%アトロピン点眼液の近視進行抑制について
有賀 義之:梶田眼科
学童期における標準的な近視進行と、0 .01%硫酸アトロピン点眼液(アトロピン)を使用している近視眼の近視進行を比較する。アトロピン群はコントロール群に比べ近視進行が抑えられる傾向にあったが、今回の調査で有意差は認められなかった。

 コメント:有意差が出なかったということですが、注目されている方法ではあります。顕著な副作用はないという趣旨の医科歯科大西山の論文がすでに出ていて、その濃度も0.01%のようです。

○P2-217 高度近視の未成年者に見られる睡眠の質の低下
[演者] 綾木 雅彦:慶應大
近視の全身への影響はあまり検討されていないが、裸眼視力不良と網膜障害により精神的影響と光受容障害をきたす可能性がある。近視の未成年者は就寝時刻が遅く睡眠時間が短かった。コンタクトレンズ使用者の睡眠は非使用者より良好であった。

 コメント:着想は良いと思いますけれど、すべてのpは0,05%。そんなに再現性があるデータといえるのでしょうか?

○P2-218 両眼開放視力検査の新たなコンセプト
[演者] 半田 知也:北里大・医療衛生,
日常視力を評価する為には両眼開放下の片眼視力測定が理想である。タブレット型視機能検査訓練器Occlu-pad(JFC社)に全距離視力表提示機能を追加した新しいコンセプトの両眼開放視力検査(HandaT, etal.J Refract Surg, 2015)の効果について報告。Occlu-padを用いた非検査眼を遮閉しない両眼開放視力検査の自覚屈折度数は、従来の片眼遮閉下に比べて過矯正を防ぐ効果が期待される。

 コメント:これからこのようなシステムが普及すれば面白そうです。

○P2-219 両眼開放下での調節と瞳孔に対する眼優位性の影響
[演者] 藤村 芙佐子:北里大医療衛生,
両眼開放下での調節と瞳孔に対する眼優位性の影響について検討。屈折異常眼はソフトコンタクトレンズによる遠見屈折矯正下にて、両眼開放下・片眼遮閉下の他覚的屈折値と瞳孔径を測定。両眼開放下の調節量は4区間すべてにおいて優位眼が非優位眼よりも大きく、有意差を認めた(p=0.001)。一方、単眼遮閉下では有意差は認めなかった。両眼開放下での調節反応量には、眼優位性が影響している可能性がある。

 コメント:ありうべき結果ではある。

Categorised in: 社会・経済