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2019年9月27日

11115:『眼底イメージングを用いた糖尿病黄斑浮腫診療の最適化』;聴講印象記

演者: 京都大学大学院医学研究科眼科学 講師 村上 智昭 先生

清澤のコメント:先に:村上論文を紹介まししたが、聴講メモを追記します。

DME に対し抗VEGF 療法を実施する際は、導入期を設け、はじめの 1 年間は特にしっかり治療を行う方が良い!

◎DME 治療において導入期+PRN を行う(3 回+PRN):患者さんが許容してくれるのであれば、導入期を設けて、しっかり治療する方が良い

根拠:ルミナス試験、Loading dose の有無により視力改善効果に違いが出ている

説明方法「はじめの 1 年間は毎月投与になるかも知れないが特にしっかり治療、2 年目以降は緩やかな治療を」PRN にするのは、2 年目以降の投与回数減を期待しているから(DME では投与離脱出来る症例が存在する) 回数減への考察:DR 改善効果により再発・再燃が起こり難くなり、MA 改善など血管病変の安定化も寄与

予後予測因子を考え、抗VEGF 薬を上手に使うためには、OCT の黄斑部形態に着目する。

<黄斑部の浮腫の形態によって治療反応性に違いがあり、ある程度の予測が可能>

【CMEに対する抗VEGF 薬の治療反応性】:嚢胞様腔中のhyperreflective foci の有無でEarly response の予測が可能。嚢胞様腔の中に hyperreflective foci が無い症例では視力の立ち上がりが早い。嚢胞様腔の中に hyperreflective foci が有る症例では根気よく治療を続ける。

◎SRD(漿液性網膜剥離) に対する抗VEGF 薬の治療反応性:SRD 症例は視力改善大。SRD の丈の高さ把握でEarly response の予測は可能。SRD のある症例では抗VEGF による視力改善効果が高い。SRD の高さが大切。丈の高い SRD に対しては継続投与が必要なケースが多い

◎OCT を利用し、視細胞障害、特に EZ(エリプソイドゾーン)の状態に着目する

【抗VEGF による EZ 回復】

  抗VEGF は視細胞障害を修復する。投与続けると EZ の状態が変化!:EZ が完全に痛むと修復は難しいが、中等度ぐらいのものはある程度修復が見込める

中心窩近傍の硬性白斑(Hyperreflective Foci)に対しては、抗VEGF 継続的治療が有用

◎抗VEGF による硬性白斑(≒Hyperreflective Foci)の改善

他の治療では難渋してきた中心窩近傍の硬性白斑の沈着、抗VEGF であれば効果あり。しつこく投与を続ける事が重要。フレッシュな硬性白斑には効果があり、陳旧性タイプは難しい、古くなる前に抗 VEGF 薬使用。

◎DME と自己抗体:DME は多様性に富む病態を示し、治療に対しても個々の症例で異なる反応を示す事の説明の一つ自己免疫機序による網膜神経障害の機序の研究がある。抗fumarase 抗体の関与が報告されている。抗fumarase 抗体はミトコンドリア内に局在し、 EZ に発現している。DME 症例の 4 割でこの抗体価が増加し、視細胞障害に関連があるらしい。血清の抗fumarase 抗体はDME 診断のバイオマーカーとしても期待される。抗fumarase 抗体価が高い症例では 1 年間抗VEGF 療法を行った際に、視力改善効果が良かった。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)