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2019年5月16日

10724:和田アキ子さん告白「加齢黄斑変性」の“社会的失明”リスクとiPS再生医療の可能性:記事紹介


2019年3月13日

清澤のコメント:和田アキ子さんが「加齢黄斑変性」で“社会的失明”リスクを負っていることを公表した。そこで、失明と社会的失明を調べてみると、「医学的には,明暗もわからないもの,すなわち,視覚がまったく失われたものをいう。一方,社会的には,眼を使って仕事をすることができない程度の視力減退を意味する。日本では,眼前 1mでかざした手の指の数がわからない状態を社会的失明という。」という記載がありました。50cm指数弁が0.01なので、この社会的失明の限界視力は0.02という事になります。

 ―――要点の抜粋――

「見たいもの」が見えなくなる

和田アキ子さんがラジオ番組で、左目が「黄斑変性症」であると診断を受けたことを明らかにした。「黄斑変性症」は欧米では失明の主要な原因として、よく知られています。一方、日本では、一般にはまだ広く認知はされていない疾患である。50歳以上の約1%が罹患している。男性の患者数が、女性の約3倍にのぼる。

網膜の中心部である「黄斑」では大変良い視力が得られますが、それ以外のところでは十分良い視力は得られない。黄斑には、大きさや形、色など、視力のほとんどの情報を担う重要な視細胞が集中している。黄斑が障害されると「見たいものが見えない」状態になる。

「加齢黄斑変性」とは、その黄斑に出血やむくみをきたし、視野を失ったり、ゆがんだりして、視力が著しく低下する病気である。

ゆがみ、黒い影…「社会的失明」に

その特徴は、視野の中心部分が波打つようにゆがんで見えたり、かすんで見えたりする。さらに進むと、中心暗点で文字を読んだり書いたりすることが困難になる。光を完全に失うのではないものの、最重要な中心部の視野に障害を伴うため、『社会的失明』と言う。

「加齢黄斑変性症」は、欧米人に多く、日本人に少ない「萎縮型」と、日本人に多い「滲出型」に分類される。萎縮型では、黄斑部がゆっくり障害され、滲出型では、進行が速いので、治療が遅れると深刻な障害を残す。

治療では、眼に直接注射!

「加齢黄斑変性」の治療法。萎縮型には、治療法がない。浸出型も、障害を受けた網膜の視細胞を再生させる治療は、現時点ではない。

しかし、近年有効性の高い治療法が相次いで登場し、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになった。

滲出型は、網膜の外側にある脈絡膜から「脈絡膜新生血管」という異常血管が発生し、これが破れて出血し、網膜の視細胞が障害される。抗VEGF薬療法は「脈絡膜新生血管」を直接注射して止める。病状により「光線力学的療法」や「光凝固法」などもあります。

iPS再生医療に根治の光明!

「加齢黄斑変性」では、iPS細胞による再生医療が大きな期待と注目を集めている!2014年、滲出型加齢黄斑変性」に対する網膜色素上皮細胞シートを移植した。

「加齢黄斑変性」の最大のリスク因子は、喫煙。喫煙歴が長く、喫煙本数が多く、煙を深く吸い込む人ほどリスクが高い。発症率はタバコを吸わない人の2~3倍にもなる。また太陽などの紫外線は網膜にダメージを与え、黄斑変性症になりやすい。米国眼科学会が紫外線による目の健康被害を予防するために、サングラス着用を紹介した。

さらに、アメリカの調査研究で、亜鉛と抗酸化ビタミンを積極的に摂ると、「加齢黄斑変性」の発病率が低くなる。

【執筆:松和会大泉学園クリニック院長 草場 岳(医学博士)】

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)