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2019年4月11日

10630:外傷性脈絡膜破裂:視覚的アウトカムと治療とは

清澤のコメント:眼球の鈍的な外傷では外傷性脈絡膜破裂が見られることが有り、その視力予後は一般に良くない。その視力に対する影響因子をまとめた報告が ARVO年次総会 2002年12月発表に有ったので、多少古いデータであるがそれを訳出する。図はretina image bank(
https://imagebank.asrs.org/file/27231/traumatic-choroidal-rupture )から借用。具体的な治療に当たっては原文の翻訳をご確認ください。

 CS Ament ; 他 IOVS 2002年12月、Vol.43、4491。

抄録:

目的:脈絡膜血管新生の予測因子を決定すること、そして外傷性脈絡膜破裂後の視覚的結果を示す。

方法: 外傷性脈絡膜疾患患者の後ろ向きチャート調査は、MEEIの網膜疾患外来で診断された脈絡膜破裂で 1993年 – 2001年分が調査された。 外傷後3ヶ月以上の追加フォローアップがあるものを対象とした。パラメトリックとノンパラメトリックの統計的方法を用いて視覚的最終結果を評価した。

 結果:110例が同定され、検討された。 110例中38例で35%の 患者は運転可能である20/40以上の視力を回復した。 回復した周辺視野を有する34眼のうち20眼つまり58%は運転視力以下の視力が得られていた。脈絡膜破裂ないし黄斑脈絡膜損傷を有する眼は72眼中16眼(22%)であった。CNV(脈絡膜新生血管)のない眼球99眼のうち38眼(38%)および、 CNVのある眼球11眼のうち0眼(0%)が運転可能視力を示していた。網膜剥離のない眼球の95眼のうち37眼(39%)、 網膜剥離のある眼球15眼中1眼(7%)にも運転可能視力があった。

 高齢者(p = 0.03)、アーケード内に破裂の位置がある(p <0.001)、および複数の脈絡膜破裂があること(p = 0.02)、 CNVを形成した網膜剥離(p = 0.02)、CNVの発症を伴うこと(p = 0.02)、黄斑部破裂という病変の位置(p <0.001)、の患者は運転可能な視力の回復に失敗していて、それに付随する眼の傷害が視覚的結果またはCNV形成に関連していた。周辺脈絡膜破裂(p <0.001)は網膜剥離と関連していた。 

結果: CNVと診断された11人の患者のうち、5人は治療されなかった。 4人はアルゴンレーザー光凝固術で治療し、1人はアルゴンレーザーで手術した後に、PDT治療を受けた。未治療の患者5人は、誰も視力 20/100以上には視力改善が無かった。レーザー治療を受けた4人のうち、1人は 20/32の視力に改善したが、他の人は誰も20/160より良い回復は示さなかった。再発性CNVは1人の患者で診断され、再治療はされなかった。レーザー凝固と手術を受けた患者は20/400の最終的な視力に達した。最後の患者は2回のPDTで治療され、20/40の最終的な視力を達成した。 

結論:ほとんどの患者において、脈絡膜破裂では20/40の最終的な視力は達成しない。視力低下は、黄斑と最も関連性が高い破裂、CNV形成、および網膜剥離で起きる。CNV形成は高齢者および黄斑脈絡膜破裂と最も強く関連していた。CNVの治療には、観察、光凝固、 手術、およびPDTが含まれる。サンプルサイズが小さいため、治療に関する勧告は作成できなかった。 

キーワード: 脈絡膜:血管新生•外傷•光線力学療法

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)