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2019年3月9日

10526:強度近視が進行すると網膜剥離や黄斑変性症につながる恐れ:自著記事紹介

清澤のコメント:日刊ゲンダイの短期連載【失明リスクの高い目の病気】(7)は強度近視です。近視は通常は眼鏡使用で良好な矯正視力が得られるので病気と思われぬ方も多いでしょうが、れっきとした失明原因上位の疾患です。東京医科歯科大学に奉職していた時には、-8.00Dより強い近視を強度近視と習ったと思いますが、最近は-6.00より強い近視を強度近視、-8.00より強い近視は病的近視として区別している場合も多いようです。

   ――記事引用―――

2019/03/08 09:26日刊ゲンダイDIGITAL

強度近視が進行すると網膜剥離や黄斑変性症につながる恐れ

常に失明原因上位に(C)日刊ゲンダイ

(日刊ゲンダイDIGITAL)

【失明リスクの高い目の病気】(7)

 近視人口が「パンデミック(感染爆発)」と表現されるほどの勢いで増えています。

 2015年の英科学雑誌「ネイチャー」には“20年までに世界の人口の3分の1にあたる25億人が近視になりかねない”とする論文が掲載されました。近視は白人や黒人に比べて黄色人種に多いといわれ、中国や台湾などでは子供の近視増加が大問題になっています。

 日本も例外ではありません。17年度学校保健統計調査では裸眼視力1.0未満の割合は小学生で32.46%、中学生で56.33%と調査開始以来、過去最高でした。成人の近視も増えており、40歳以上の42%が近視で、そのうち20人に1人が強度近視という報告もあります。

 近視は小学生から高校生にかけて急激に進行し、大人になるとそれ以上は進まないといわれてきました。しかし最近は、大人になっても近視の進行が止まらない人が増えています。強度近視が進んで、その一部は出血などを伴う病的近視になります。最終的に失明してしまうことがあり、日本の失明原因の上位に常に強度近視が入っています。

 こう言うと“度の強いメガネやコンタクトレンズを使っている私は強度近視で、いずれ失明するのでは?”と心配される方がおられますが、大抵は問題ありません。

 眼科医が視力を言う場合は、その人の視力を最大限発揮できるメガネレンズの屈折力を示すジオプトリー(D)という単位で表します。病的近視と呼ぶのはマイナス8.0D以上です。一般的にマイナス6D以上の人は人口の10%、眼底出血や無裂孔性網膜剥離や脈絡膜萎縮などを伴う病的近視は人口の1〜3%といわれています。

 近視がひどくなると網膜が眼球に引き伸ばされて薄くなり、穴が開いたり、はがれたりします。とくに網膜の中央にあって視細胞が集中する黄斑部が傷つき変性すると失明する恐れがあります。

 それを避けるため検査は、従来行われてきた視力検査、眼底検査、蛍光眼底造影などのほか、光干渉断層法による検査も受けることをお勧めします。網膜は層構造をなしています。検査ではその層構造の乱れを起こす網膜出血や網膜のむくみ(黄斑浮腫)を観察することができます。

 病的近視における脈絡膜血管新生の治療法には抗VEGF薬治療、レーザー光線による網膜光凝固術などが行われます。

 なお、近視の原因は日光不足などといわれています。子供は1日2時間以上、戸外で日に当てた方がいいかもしれません。

(清澤源弘/清澤眼科医院院長)

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)