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2019年1月25日

10418:全身薬による眼障害 -最近の話題から- 杏林大山田昌和先生(東京都眼科医会報2019年冬246号から)

清澤のコメント:東京都眼科医会報2019年冬246号到着。上記の記事が学術欄に出ています。小耳にはさんで置くにはよい内容なので要点を採録しました。 内服薬に因る眼障害の頻度は低いが、特徴的な眼所見を呈するものがあり、知ってさえいれば診断し重症化を防ぐこともできる。というのが結論です。

概要は:はじめに:内服薬には特徴的な眼所見を呈するものがあり、知ってさえいれば診断し重症化を防ぐこともできる

全身薬による眼障害 表1、代表例

視神経症:エタンブトール、リファンピシン(抗結核薬)、アミオダロン(不整脈)

緑内障、白内障:プレドニソロン(ステロイド薬)

黄斑浮腫、黄斑症:フルコナゾール、ポリコナゾール(抗真菌薬)、エルゴタミン(偏頭痛)、 プレドニソロン(ステロイド薬)、ジゴキシン、ジギトキシン(心不全)

網膜出血、網膜血管障害:ワルファリン(抗凝固薬)、女性ホルモン製剤(経口避妊薬)、インターフェロン(C型肝炎)

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全身薬による眼障害

●エタンブトールは投薬開始前に眼科検査が推奨されている

●ヒドロキシクロロキン(プラニケル):黄斑部にクロロキン黄斑症様の変化。累積200g異常で注意、特に危険なき場合も一年で精査。色覚と中心視野を含む精査。SD-OCT。

●フィンゴモリド(イムセラ)MSに使う薬:1%程度で黄斑浮腫

●ビカバドリン(サブリル®癲癇薬):網膜性の求心性視野障害(30%)、投与全検査

知っておきたい角膜障害

①アミオダロン角膜症:抗不整脈薬、角膜上皮に沈着し渦巻き模様をなす。ファブリ病に似ている。

②TS-1による角膜障害:抗がん剤で、5FUの前駆薬、5FU代謝酵素阻害剤などの合剤。大腸がん、頭頸部癌、乳がんなどに用いる。涙道閉鎖、難治性角膜上皮障害の報告。軽症では点状表層角膜症の形、重症例ではシート状上皮異常。70%は6か月以内。

③新しい抗がん剤による角膜障害:微小管重合阻害薬あるいは分子標的薬。分子標的薬はEGF(上皮成長因子)受容体を標的とするものが多く、角膜も障害する。セツキシマブ(アービタックス®)など。このような抗がん剤は従来薬よりも角膜上皮を障害する可能性あり。病変は上方を中心とした渦巻き状の生体染色パターンで輪部に接す。両眼性。

④アマンタジン(シンメトレル®ほか)による角膜内皮障害:パーキンソン病や脳梗塞後の意欲低下治療薬として用いられる。デスメ膜皺壁を伴う角膜実質浮腫も。パーキンソン病(でアマンタジン処方患者)では角膜浮腫に注目する。

終わりに:

点眼薬による角膜障害に比べて全身薬によるものは気づきにくい。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)