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2018年9月30日

10144:糖尿病網膜症の診断と治療 演者(鈴間潔先生)聴講印象記

第5回浦安マクラクラブ

9月28日19:00-21:00浦安ブライトンホテル東京ベイ

特別講演:糖尿病網膜症の診断と治療 演者 鈴間潔 先生

1993年 京都大学医学部卒業

1998年 Joslin Diabetes Center, Harvard Medical School留学

2010年 長崎大学医歯薬学総合研究科眼科視覚科学 准教授

2014年 京都大学医学研究科眼科学 准教授

2018年 香川大学医学部眼科学 教授

眼科医清澤の聴講印象メモ:

講演内容は、現場ではメモを取らずに聞き通してしまったのですが、配布された「アイ―リアの特性を生かしたDME(糖尿病黄斑症)治療アプローチ」というバイエル社と参天製薬のハンドアウトに重なる部分も多かったので、復習してみました。パンフレットを読み返してみると、開業医の私にも最新の糖尿病網膜症診療の流れがよく理解できました。(脚注)

◎先ず、ボストンにおける抗VEGF抗体発明者たちの業績とそれらの薬剤の特徴を紹介されました。VEGFには血管新生を促す働きと血管透過性を増す2つの働きがあり、その両者を友に抑えることが糖尿病網膜症の治療に有用という事でした。

◎糖尿病黄斑浮腫の治療目標

〇視力の回復・維持:

・短期:病態を安定させ、浮腫を改善、再発予防

・長期:糖尿病網膜症の改善・安定化。血糖コントロールの改善

・患者とより具体的な治療目標を設定・共有することで治療への動機づけを深める。

◎糖尿病網膜症に対する治療方針

・第一選択は抗VEGF薬

― VEGFを阻害して浮腫を改善し、視力の改善維持を期待

― 治療導入期だけでなく、再燃(再発)時における追加治療を行う際も毎月連続3回投与が望ましい。

・病態によって抗VEGF薬にレーザー治療や硝子体手術を組み合わせる

― 糖尿病網膜症に対する影響や、レーザー治療時の炎症を考慮し、先に抗VEGF薬治療を行う

・新生血管膜や黄斑上膜が視力に影響している場合には硝子体手術を行う。

日本における糖尿病黄斑浮腫に対するアイ―リアの承認されている用法・容量は「アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0,05ml)を1か月ごとに一回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2カ月ごとに一回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1カ月以上開けること。」。

鈴間先生の考えるアイ―リアの特性を生かしたDME治療のアプローチは:

初期治療(導入期)として毎月連続3回投与、その後病態に応じて固定(2カ月ごと)投与とPRN(pro re nata :必要時)投与(ただし再投与時は連続3回)を使い分ける。

●固定投与が望ましい患者

・硬性白斑が中心窩に近い部位にある患者(硬性白斑が中心窩に達すると視力は回復しない)

・血糖コントロールが急激に変化しやすい患者(アイ―リアは血糖コントロールの影響を受けにくい)

・既に片眼の視力を失っている患者、片眼の視力・視野が著しく障害されている患者(より優れた視力改善と安定を得るためには継続投与が必要。)

  • https:www.eylea.jpは アイ―リアを使う医師向けサイト。疾患情報から薬剤の使い方まで様々な情報。(疾患情報、医師向け実践ガイド、診療サポート)を提供していると

◎追記:当、清澤眼科医院の糖尿病網膜症診療は、竹内眼科所属で網膜硝子体疾患を専門とする寺松徹医師を中心に、水曜日(午前・午後)と土曜日(午前)に、硝子体注射及び網膜光凝固治療を含む診療を行っています。更に硝子体手術を含む治療が必要な症例は、蔵前にある竹内眼科医院(竹内忍院長)や都内各大学病院にその治療をお願いするようにしています。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)