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2018年3月21日

9704:網膜受容体障害及び網膜神経節細胞損傷の白質への影響

リサーチゲートというページから、以前私たちが発表した論文を引用した論文が通知されてきました。噂では聞いていましたが、きちんとこの論文を特定して見たのは初めてでした。

それは、網膜受容体及び網膜神経節細胞損傷の白質への影響(White Matter Consequences of Retinal Receptor and Ganglion Cell Damage September 2014 Investigative Ophthalmology & Visual Science 55(10): Shunpei Ogawa 他)という日本からの留学者がスタンフォード大学で書いた論文です。

この論文の抄録を訳してみますと:

目的:Leber遺伝性視神経症(LHON)およびコーンロッドジストロフィー(CRD)を有する患者は、共に中心視力喪失を来す; CRDは網膜光受容体層を損傷し、LHONは網膜神経節細胞(RGC)層を損傷する。拡散MRIを用いて、これらの2つのタイプの網膜損傷が視索(神経節細胞軸索)および視放線(外側膝状体軸索)にどのように影響するかを測定した。

方法:成人発症CRD(n = 5)、LHON(n = 6)、健常対照(n = 14)を研究に加えた。
我々は、視索と視放線の線維を特定するために確率論的線維トラクトグラフィーを用いた。我々は、視索および視放線に沿った多くの位置で、軸方向拡散および放射状拡散を比較した。

結果:両方のタイプの患者において、視索と視放線内での視路に沿う拡散尺度は対照群とは異なる。視索の変化は、主に軸方向の拡散性の低下である。一方、視放線での変化は、主に神経の半径方向への拡散率の増加であった。

結論:光受容体層(CRD)および網膜神経節細胞(LHON)網膜疾患の両方が視覚に関連する白質に実質的な変化を引き起こす。これらの変化は、拡散MRIを用いて測定することができる。視索および視放線で測定された拡散の変化は、それらが異なる生物学的機構によって引き起こされることを示唆している。


私たちは緑内障と網膜色素変性における視放線のアニソメトロピーを緑内障(Murai
JJO. 2013; 57: 257–262.)と網膜色素変性(Ohno BJO 2015, 99:1051-4)他で論じたのですが、この論文では同様の手法で網膜色素変性とレーベル病を対象にしています。

我々は2013年、彼らは2014年で辛うじて、私たちの方が1年早くてプライオリティーが得られていたことになります。彼らの引用文献の
画像の処理も一層美しく完成されていて、私たちが扱いきれなかった視索部分の解析にもきれいに成功しています。我々はJJOでしたが、彼らはIOVS。何にしろ投稿を急いでおいてよかったね、というところです。

White Matter Consequences of Retinal Receptor and Ganglion Cell Damage 網膜受容体及び神経節細胞損傷の白質への影響
Visual-white-matter図3:代表的な被験者におけるファイバートラクトグラフィーによって決定された視覚白質経路。 関心領域およびトラクトは、T1強調画像の軸方向スライスの上に示された。OC:視交叉、LGN:外側膝状体。 紫:視索。 黄色:視放線。 :V1:第一次視覚領 赤。挿入された十字線は2cmです。

Axial-diffusivity-and-RD

図6は、視索および視放線に沿った軸方向の拡散率およびRDを示す。

青はレーベル病、赤は網脈絡膜変性、黒が正常コントロール。
左の2つのパネルは、(A)視索および(C)視放線における平均AD (axial diffusivity)
測定値を示す。 右の2つのパネルは、(B)視索および(D)視放線における平均RD(radial diffusibity)測定値を示す。 他の規則は図5の規則と同じです。拡散率の単位は1m 2 / msです。

Axial-diffusivity-and-RD


Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)