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2018年1月29日

9561:網膜静脈閉塞症を発症したらまずは高血圧のコントロールを

9561:網膜静脈閉塞症を発症したらまずは高血圧のコントロールを

1月27日(土)7時0分 NEWSポストセブン
眼科医清澤のコメント:軽い網膜静脈分枝閉塞では本人が気が付かないことも、なくはないでしょう。視力低下を起こす黄斑浮腫があれば硝子体注射の適応です。網膜虚血は蛍光眼底撮影(FA)で評価します。網膜循環が悪いと、網膜に新生血管ができることがあって、その場合には網膜光凝固の適応。高血圧があれば、内科での血圧治療も並行して行う、というバランスの取れた解説です。慢性期に起きる硝子体出血に対する硝子体手術までは言及がありません。インタビューの担当は私も月一度神経眼科外来を持たせていただいている西葛西井上眼科病院院長の井上順治先生です。

ーー記事引用ーー
目のかすみ、深刻な可能性も

網膜は眼球の内側にある薄い膜で、カメラにおけるフィルムの役割を担っている。網膜には動脈と静脈があり、その2つが交差している場所は血管の外壁を共有している。このため高血圧などによって、共有している部分に動脈硬化が起こると静脈にも影響し、血栓ができ、血流が途絶えることがある。これが網膜静脈閉塞症だ。自覚症状としては目のかすみやゆがみ、視力の低下などがある。

西葛西・井上眼科病院(東京都江戸川区)の井上順治院長に話を聞いた。

「この病気は症状に気づかないこともあって、健診の眼底撮影で発見されるケースがあります。網膜静脈閉塞症には、動脈と静脈が交差する場所が閉塞する網膜静脈分枝閉塞症と網膜中心静脈閉塞症の2種類があり、閉塞の場所によっては症状も違いますが、眼底撮影での診断は可能です」

網膜静脈閉塞症の眼底写真では、赤く見えるはずの血管が閉塞部で白く見える。網膜静脈分枝閉塞症は、症状が進むと眼底出血や網膜の中央にある黄斑の浮腫が起こる。眼底出血した場所は、瞳孔から入る光が網膜まで届かないので、その部分が遮られ視力低下や視野に欠けが出る。

眼底出血後、最終的に視力がどの程度回復するかは黄斑の障害の程度によって決まる。眼底出血や網膜の浮腫が黄斑にまで達すると血流が悪くなり、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)という物質の働きによって血管が新生され、さらに出血したり、水がしみだし、次第に黄斑が障害されて、重度の視力障害が残ることもある。

網膜中心静脈閉塞症は、網膜の静脈が視神経乳頭で1本にまとまり、この1本になった静脈の根本が閉塞する。網膜全体が影響を受けることで眼底一面の出血や浮腫が広がり、視力が急速に低下する場合もある。

「患者さんの大半は高血圧です。網膜静脈閉塞症と診断したら、まずは内科の受診を勧めます。なぜなら高血圧の中には加齢が原因ではなく病的なものもあるので、それを除外する必要があるからです。

治療は高血圧のコントロールで、同時に網膜循環改善薬の服薬を行ないます。黄斑の浮腫がある場合には新生血管を抑制するために、抗VEGF抗体薬の注射を行ないます。注射の効果で腫れが改善するにつれ視力も回復します。まれに腫れが再発することもありますが、その場合は複数回の注射が必要となることもあります」(井上院長)

網膜静脈閉塞症は発症から時間が経過し、症状が落ちつく慢性期に硝子体出血や新生血管緑内障、網膜剥離などの合併症が起こることもある。この場合は定期的に蛍光眼底造影検査を実施し、新生血管や浮腫を見つけたら、すぐにレーザー照射などの凝固治療を開始する。

日頃から血圧が高めの人は眼にも注意を怠らず、視力検査や眼底撮影などを定期的に行なうことが重要だ。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2018年2月2日号


Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)