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2017年3月21日

8697:網膜の三角症候群とは

視神経乳頭を頂点とする網脈絡膜の萎縮を三角症候群と呼ぶと、その昔学んだと思います。今回、それを調べてみますと、最近は余り使われなくなった言葉のようです。また、ネットではこれが典型例という写真が見つかりません。

この単語は、「Triangle症候群と黄斑部病変—とくに漿液性中心性脈絡膜症との関連において」 (佐藤圭子, 三木徳彦他 1978/2/15 DOI: http://dx.doi.org/10.11477/mf.1410207584 )あたりから現れ、「後毛様動脈の閉塞による脈絡膜虚血の結果生じる扇形の脈絡膜萎縮をTriangular shaped choro-idal alteration(Amalric)として報告されて以来,臨床的,実験的知見が加えられたとしています。佐藤らは、Triangle症候群を有する眼底に,黄斑部の限局性漿液性網膜剥離と,螢光眼底血管造影により円形拡大型あるいは噴出型の螢光漏出が認められた7例を経験報告していました。
 思い出してみると、私が卒業して眼科に入局した当時は、漿液性網膜剥離を脈絡膜循環と関連付けて説明しようとする話題が東北大の医局でも聞かれた気がします。

○その後では外傷性三角商況粉の症例報告が増えます
 外傷性三角症候群 (林倫子, 三木正毅ほか、 1980/6/15)(DOI: http://dx.doi.org/10.11477/mf.1410208133)は1980年です。
」 外傷性三角症候群の症例6例につき,眼底所見,螢光眼底所見を経時的に観察。

 (1)6症例全例が,後極部,乳頭に接した部に網脈絡膜萎縮をきたし,この病巣部は,外傷性三角症候群の特徴と考えられる。

 (2)6症例中2例に脈絡膜血管由来の網膜下新生血管の発現をみた。うち1例は,新生血管がfoveaに向い拡大し重篤な視力障害を残した。

 (3)6症例中3例に,網脈絡膜萎縮巣に隣接する部の網膜血管透過性亢進が認められた。このような症例の病巣部では,網膜静脈の閉塞,網膜毛細血管板の破壊が認められた。

 (4)受傷後,長期にわたる経過観察により,二,三の所見の早期発見と,適切な処置を行うことが大切である。

○そして、「外傷性三角症候群と網膜剥離に続発した三角症候群」 (高橋京一ほか: 1991/5/15)があります。

 曰く「三角症候群は,脈絡膜動脈閉塞が原因とされている疾患単位であるが,実際の臨床では脈絡膜血管走行と萎縮巣が一致しない症例が多数観察される。

 筆者らは,扇状の網脈絡膜萎縮をもつ症例42眼39例を外傷群と非外傷群に分け,萎縮巣の部位と形態および合併する病変につき,螢光眼底造影法を用いて検討した。

 外傷群14眼では,脈絡膜動脈の支配領域にほぼ一致した萎縮巣が観察され,脈絡膜動脈の急性閉塞がその発生原因として想定された。非外傷群28眼では,24眼(86%)で後極部に螢光漏出点が合併していた。萎縮巣の部位は,全例眼底下方に存在し,それは網膜下液の流路や貯溜部位と一致し,脈絡膜動脈の走行とは一致しなかった。

 以上の結果から,非外傷群の萎縮巣は,滲出性網膜剥離が遷延した結果,その流路ないしは貯溜部位の網膜色素上皮が萎縮を起こし三角症候群を形成したものと結論された。

○さて、この単語は今でもよく使われているのでしょうか?典型的には外傷後にみられるものをさすようになっているのでしょうか?このあたりを知っている方がおいででしたらお教えください。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)