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2017年2月24日

8620: 西東京糖尿病眼合併症フォーラム2017 聴講印象記

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8620: 西東京糖尿病眼合併症フォーラム2017 聴講印象記

「眼循環から考える
糖尿病網膜症・黄斑浮腫と全身因子との関係」
旭川医大 眼科 長岡泰司 准教授

①脂質異常症と黄斑浮腫
  LDLコレステロールと黄斑浮腫の関係
  脂質異常症と糖尿病網膜症
②2型糖尿病の網膜血流は減っている。
  そこで、網膜循環改善を目指した投薬を考える。
  Drug Repositoryの例はNatureにも出ている。それは古い薬剤に新しい適応疾患を見つける事であって、新規薬剤の開発に比べて時間は2分の1、コストは4分の1で済む。
 豚眼(8から12週)と殺後速やかに摘出し、11-0ナイロンで網膜血管を結紮する。ブラジキニン(10のマイナス7乗モルのスタケンによる網膜血管拡張作用を測定する。血管内皮依存性の拡張と内皮非依存性の拡張を洗剤を流して内皮を破壊して分けることが出来る。内皮依存性の部分を論ずる。人でも血管はNOを介して拡張する。)
 フェノフィブラートを用いた実験:フェノフィブラートは糖尿病網膜症に対し臨床的にも有効である。
 いくつかの薬が相加的に同時に使えるかもしれない。

 黄斑浮腫に対して使うルセンティスは網膜症も軽くする。
 JAMAにてPDRにはレーザーかPCか?という研究もある
 現状では費用対効果はPCに利があるが。
③症例
 PCでは黄斑に萎縮を残すことがある。
 ステロイド注射やVEGF阻害薬も使われる。
 ルセンティスで視力は上昇する。

 パターンレーザーも用いうるが、視力低下を来す例もある。
 VEGFは即効性もあるが、やがて戻ってしまい、平均11回の硝子体注射を要す。

 何をやってもダメな例で、透析導入で黄斑浮腫の消えた例もある。生体腎移植が有効な例もある。
 チアゾリシンを使っていた例ではラシックスに代えたら黄斑浮腫の軽減した例もある。
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「細胞内脂質代謝が臓器に及ぼす影響について
~稀少疾患からの知見~」
福岡大学筑紫病院 内分泌・糖尿病内科 小林邦久 教授

①肥満と糖尿病
 ボディーマスインデクスで25Kg/㎡以上。久山町スタディーでは耐糖能異常が54%。日本人は少し肥満するだけで糖尿病化しやすい。肥満時には個々の脂肪細胞が大きくなっている。

②肥満と糖尿病は発癌にも関連がある。
 日本人は肥満すると内臓脂肪が増える傾向がつよい。
 遺伝+運動不足+栄養過剰⇒インスリン抵抗性を持つ⇒脂肪異常症を発症する。
 (この流れをAdipocentric hypothesis(脂肪細胞中心仮説)と呼ぶ)
 したがって糖尿病の半数は肥満となる。
 糖尿病患者の36%ががんで死亡している。

③先天性脂肪萎縮症
 という黒色表皮腫や脂肪肝を持ち、強いインスリン抵抗性を持っていて、皮下脂肪が欠損する疾患の人がいる。この疾患には4つの原因遺伝子が知られている。この疾患の本質はアディポカインが欠如していて、アディポネクチンの低下によるインスリン抵抗性である。メドレレプチンが使える。
 通常の糖尿病でも共通の機序があり、この稀な先天性脂肪萎縮症での知見は、糖尿病での治療の理解にも役に立つものである。

眼科医清澤のコメント:この会は杏林大学の内科と眼科が合同して運営している研究会だそうで、本日も70人もの人々が集まって盛んにおこなわれていました。先日の「東東京」に引き続いての会でしたが、また耳新しい話が聞けました。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)