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2016年11月21日

8345:プラケニル(ヒドロキシクロロキン硫酸塩)の眼副作用とは?

無題

エリテマトーデスを治療する薬、プラケニルを製造販売する会社から、プラケニル使用中の眼科検査ができる施設であるか?またできる施設として公表してかまわないか?という問い合わせの手紙が来ました。そこで、当医院でも可能であるとお答えしました。、

今日は、
1)プラケニル(ヒドロキシクロロキン)とは何?
2)どのような眼合併症があるのか?、
3)定期的検診では何が必要か?、を調べてみました。

1)プケニケル(ヒドロキシクロロキン)とは何?

プラケニルはエリテマトーデスを治療するお薬です。
エリテマトーデスは自己免疫疾患‘膠原病’の一つです。皮膚にできる赤い斑点をはじめ、全身のさまざまな臓器に炎症症状があらわれます。

この薬は、皮膚エリテマトーデスの皮膚症状を改善するほか、全身性エリテマトーデスにおける筋肉痛や関節痛を緩和し、さらには倦怠感など全身症状をやわらげます。抗炎症作用や免疫調節作用により、炎症症状を改善するものと考えられています。その薬理は、この薬の有効成分ヒドロキシクロロキンが、リソソームという細胞小器官に蓄積することにより免疫調節作用を発揮するものと考えられています。

全身性エリテマトーデスにおいては、筋骨格系症状にくわえ倦怠感など全身症状についても改善傾向が示されています。 維持療法においては、再燃回数が減少するなど長期有効性も明らかになっています。海外では標準薬の一つとして位置付けられており、今後、国内でも処方機会が増えそうです。

嘗て、薬害で問題となったクロロキンに比べ、組織親和性が低く、眼毒性もそれほど高くないとされます。10年以上の投与によりクロロキンで2.5%(16/647例)に網膜毒性が認められたのに対し、このヒドロキシクロロキンでは0.1%(2/2043例)と報告されています。適量であれば長期管理薬としても比較的安全に使用できそうです。

2)プラケニル(ヒドロキシクロロキン)眼合併症は?

・網膜毒性 :視力低下、視野欠損、あるいは色覚異常などの異常が認められた場合には直ちに投与を中止し原因を精査する。(追記:眼底変化はBull’s eyeと呼ばれる黄斑の変化です。)

・視機能の低下を防ぐためには、定期的に眼科検査を行い、網膜症を早期に発見し、本剤を中止することが重要である。

【注意する人】
目の網膜に病気がある人、または既往歴のある人は使用できません。この薬の影響で網膜症状が悪化するおそれがあるためです。薬の血中濃度が上昇しやすい肝臓病や腎臓病のある人も慎重に用いる必要があります。

•適さないケース..網膜症(SLE網膜症を除く)、黄斑症、6歳未満の幼児。

3)プラケニル(ヒドロキシクロロキン)使用者に行われるべき眼科検査は?

眼障害(網膜症、黄斑症、黄斑変性症)必要な眼科検査の項目(サノフィ社資料から)
①視力検査
②細隙灯顕微鏡検査
③眼圧検査
④眼底検査(眼底カメラ撮影)
⑤SD-OCT(スペクトラルドメイン光干渉断層計)
⑥視野検査(静的10度または30度)
⑦色覚検査
問い合わせ先(サノフィ社 眼科検査実施事務局 0120-1291-135)

【検査】まず、治療に先立ち詳細な眼科検査を実施し、服薬に問題がないか確認しなければならない。また、長期服用時は少なくとも年に1回、同様の眼科検査をおこない、網膜症状の早期発見に努める。

・初期の変化は中心視野検査で傍中心暗点や輪状暗点、SD-OCTで局所的な網膜層における菲薄化である (5 年以上の治療で約 5%)。 さらに進行すると特徴的な Bull’s eye(標的黄斑症)と呼ばれる黄斑周囲(傍中心窩)の顆粒状変化をきた し(5 年以上の投与で約 1-2%)、末期には周辺部網膜までメラニン色素の沈着を伴った網脈絡膜萎縮をきたす。

・用量を守り、定期的なスクリーニングを行っていれば臨床的に問題となることは稀である。障害部位は傍中心窩が典型だが、アジア人で黄斑辺縁部 の障害が他の人種より高頻度であるという報告がある。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)