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2016年9月17日

8137:黄斑疾患に対する抗VEGF薬の現状(大越貴志子先生):を聴きました。

8137:黄斑疾患に対する抗VEGF薬の現状(大越貴志子先生):を聴きました。
無題
黄斑疾患に対する抗VEGF薬の現状~糖尿病黄斑浮腫を中心に 聖路加国際病院大越貴志子 眼科部長
(第31回城東地区眼科医・コメディカルセミナー 平成28年9月14日 浅草ビューホテル 学術講演Ⅱです。)

◎VEGF阻害薬について基礎から。

 1989年VEGFが血管内皮の分裂を促進させることが見つかった。
 VEGFは内皮細胞を分裂させる、血管透過性を増す、炎症細胞の走化性増進する。
 VEGFは低酸素で誘導される。
 だから、無血管域に隣接して新生血管が出る。

◎VEGFが関連する疾患には:
 病的血管新生としての:加齢黄斑変性、近視性黄斑変性と
 血管透過性の増加としての:DM,BRVO,CRVOがある。

○加齢黄斑変性には萎縮型と滲出型がある。滲出型の阻害剤がラニビズマブ。治療にこれを用いれば、網膜浮腫も新生血管も退縮する

○治療には:イソジン(ポピドンヨード)、ドレープ、マスクも必要
やり方は:3か月連続で打ち、この後はTAE(treat and extend 、2週間間隔で見て必要なら打つ)でよい。

2008年7月加齢黄斑変性が、そのあと近視性脈絡膜申請血管、CRVO,BRVOが対象疾患に加えられた。

BRVOでは:BRAVOスタディーがあり、6日月まで注射するとETDRSチャートで一段5文字として18文字分改善。中心窩網膜厚が減る。光凝固では12文字の改善。

CRVOでは抗VEGF抗体のアイーリア(アフリベルセプト)が有効

○GALILEOガリレオスタディー:フレッシュなBRVOとCRVOによく効く。
副作用は心血管リスクは増えない。無灌流域は減らない。
○CRUISE試験クルーズ試験:ラニミズマブでは無灌流域の拡大は起きない。

レーザーは打った方がよいだろうが、出血部に直接打つのは無意味
ベバシズマブまたはレバシズマブで出血をひかせてからの光凝固PCが良い。

◎糖尿病黄斑浮腫
○浮腫と硬性白斑がある。1985年レーザー、1992ガラス体手術、2002ステロイド局所注、2014抗VEGF抗体(ルセンティス、アイーリア)。
○DMEでは硝子体中のVEGFが多い。

○ラニミズマブの研究:(DRCRラット)1、レーザー。2、トリアムシノロン+レーザー。3、ルセンティス(ラニミズマブ)。4、ルセンティス+レーザー
3が良いが31%が実は3でも黄斑光凝固を併用している。
○輪状硬性白斑なら中心のマクロアノイリスムへの光凝固が使える。
○瀰漫性浮腫には抗VEGFしかない。

◎エンドポイントレーザー(閾値下レーザー)
DMEには他のケモカインも働くから抗VEGFだけが効くわけではなく、保険外使用のケナコルトや保険内使用のマキエイドも使える。これらは、ルセンティスが効かないときに使うことがあるが、眼圧上昇をおこすこともある。

◎NAVITAが使えると注射回数が減らせる。昔の様には傷が残らない。
つまり、閾値下凝固では凝固斑が見えない。閾値を100%として、75%とかを使う。(OCTならこの変化が見える。)これをサブリーサルフォトスティミュレーションと呼ぶ。
これが使える機種は2つ
①マイクロパルスレーザー
②エンドポイントマネージメントレーザー(この場合ランドマークの点だけは見える。)
キーワードはヒートショックプロテイン

まとめ:レーザーとステロイドの併用の有効性を述べた。
DMEを紹介してほしいそうです。

眼科医清澤のコメント:
○本日の参加者は120名で医師が31名、コメディカルは89人と多くの参加者でした。
 先日の講演会でも野崎美穂 名古屋市立大学大学院講師に伺った通りに(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54667386.html)、すでに網膜の虚血性病変には無暗に光凝固を打つ時代ではなくなりつつあるようです。しかし、抗VEGF抗体は高価でもあり、それだけというわけではなく、光凝固の併用も有効なようです。

注:A Look at CRUISE and BRAVOならhttps://www.reviewofoptometry.com/article/a-look-at-cruise-and-bravo

○座長の小林康彦先生は順天浦安病院で硝子体手術を多数なさっていたそうで、演者の大越先生とは順天堂大学の同門だったそうです。どちらもわたくしと同じ東京都眼科医会学術部の委員なので、わたくしには座長も演者も見慣れたお顔でした。

 小林先生からのコメントとして、演者の大越先生は、網膜硝子体学会の理事に立候補しておいでだそうで、会員の方は大越先生にご投票くださいとのことです。

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)