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2016年7月18日

484 硝子体除去後の水(液体)について

484 硝子体除去後の水(液体)について
vitrectomy image
図の出典)
[硝子体除去後の水(液体)について] サンリオママさんからの相談をいただき、私なりのお答えを用意してみました。いかがでしょうか?

☆所敬名誉教授にこのページが開けないが?と、ご指摘を戴きました。以前、サーチエンジン最適化策として、不用意なリンクを張ってしまったためそれがスパム行為とみなされて、別のページに飛ぶ罠にかかってしまっていたものです。もう、ほとんど刈り取りましたが、今でも古い記事は時にその影響を受けます。その様なページにお気づきでしたらコメント欄などでお知らせください。今回の様に修復させていただきます。

3質問:硝子体手術後についてご質問させていただきたいのですが、硝子体を取り除いた後 水(のようなもの)に置き換わるというような説明を主治医から受けたのですが、房水と考えてよろしいのですか?その水は日々新しいものに循環されているのでしょうか? 

6半年前に手術を受けて経過も良く趣味のスポーツも再開して楽しんでいるところです。若干 手術をした方の眼に白内障が出ているのですが 日常生活に支障はなく手術も必要は無いとの診断です。眼の中での房水の流れ(あるべきはずの硝子体が無い場合、水がどのように満たされて その後排出されていくのか)をご説明いただけますか? お忙しいところ申し訳ありません。

8お答え:硝子体切除術後の眼球内の液体の流れは?という質問ですね。
眼球の中央部分はゼリー状の硝子体(しょうしたい)と呼ばれる物質で占められています。その主成分はヒアルロン酸ということになっていて、その中に多少のヒアロサイトという細胞があります。

9手術の時に硝子体をずるずると吸い出してしまいますと、網膜に接触した部分で網膜を引き連れて吸い出してしまい、網膜剥離を誘発してしまいかねないので、以前(私が眼科医になった30年ほど前、昭和53年頃までの話です。)は手術でも手が付けられない領域とされていました。

14現在は網膜剥離や硝子体出血で当たり前のように行われるようになった硝子体切除手術では、その硝子体を少しずつ噛み切って吸い出し、その代わりに生理食塩水に近い成分の液体(厳密には多少成分は違うのですが)をその分補ってゆきます。

15この空間はその前方に本来存在する後房と呼ばれる水のたまった部分に境目無くつながっていますので、硝子体が入っていた空間(硝子体腔)はこの後房にある房水によって置き換えられていると考えられます。

毛様体
毛様体の図(出典

この房水は特有な流れをすることが知られています。まずその産生は毛様体の上皮から分泌されます。毛様体はレンズ(水晶体)を吊っている細い糸の束が出ている部分の筋肉で、眼球の前方内側で虹彩(眼の正面から見て茶色に見える茶目)の陰に有り、一回りのドーナツ状の形をしています。毛様体の主な働きはピントを合わせる筋肉作用ですが、その表面には眼内に栄養を与えるため常に新鮮で栄養と酸素の多い房水を一定の圧力で産生するという働きもあるのです。分泌された房水はいったん虹彩の後ろの後房と呼ばれる空間に貯まります。

17次に、ここ毛様体から分泌され後房にたまった房水は、レンズの周りを前方に流れて、瞳孔(瞳、黒目です)の中を後ろから前に流れ出て、前房に達します。前房というのは、先に出てきた虹彩の前にあって透明で眼球の前面を形成する角膜の後ろの空間です。

18角膜の周囲の白目(眼科医は強膜といいます)と接する部分には、この房水を吸収してリンパ組織に誘導するシュレム管(Schlemm’s canal)という一回りのドーナツ状の構造物があります。房水はそこに流れ込み、リンパ管を経て眼の周りの静脈へと戻ってゆきます。

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もともと、硝子体は流動性のないゼリー状のもので、細胞成分もあまり多くない構造ですが、硝子体手術の後では細胞も無くなって、液体が入った後房と境目無く接して居ますので、この房水によって置き換えられ、循環してているだろうというのが私の説明です。

20さて大きくは間違っていないと思いますが、この説明で概要はお分かりいただけたでしょうか?くれぐれもお大事になさってください。
以前記載した60 飛蚊症と網膜剥離 も同時に参考にしていただけると理解しやすいかも知れません。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)