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2014年10月31日

5970:加齢黄斑変性,片眼発症で5割が僚眼も同等の重症度に

加齢黄斑変性,片眼発症で5割が僚眼も同等の重症度に:の記事です

4,000例超を20年間追跡,米・Beaver Dam Eye Studyの解析結果

 加齢黄斑変性(AMD)は両眼対称性の疾患であると考えられているが,片眼の発症・進行が他眼に先行することもある。米・University of WisconsinのRonald E. Gangnons氏らは,Beaver Dam Eye Studyのデータを解析し,片眼に発症したAMDの重症度が僚眼のAMDの発症,進行,寛解に及ぼす影響を検討。片眼のAMDの重症度に追随して僚眼でもAMDが進行し,50%で両眼がほぼ対称の重症度になることが分かったとJAMA Ophthalmol(2014年10月23日オンライン版)で報告した。

清澤のコメント:
このヘッダーと上記の日本語抄録にすべてが言い尽くされていて、何も加える余地と削る余地がありません。AMDの重症度を,AMD未発症(レベル1),軽度の早期AMD(レベル2),中等度の早期AMD(レベル3),重度の早期AMD(レベル4),後期AMD(レベル5)の5段階に分類するこの分類は使えそうです。
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片眼AMDの重症度が高いほど僚眼も高リスク

 Beaver Dam Eye Studyはウィスコンシン州の住民を対象とした加齢性眼疾患に関する縦断研究で,1988~90年の初回調査から2008~10年の調査まで5年間隔で20年にわたり実施された。今回の解析対象は,染色体1qのCFH Y402H多型に関するデータが得られた4,379例(初回調査時43~86歳)。各調査時に眼底写真を撮影し,Wisconsin Age-Related Maculopathy Grading Systemを用いて評価した。AMDの重症度は,AMD未発症(レベル1),軽度の早期AMD(レベル2),中等度の早期AMD(レベル3),重度の早期AMD(レベル4),後期AMD(レベル5)の5段階に分類。マルチステートモデルを用い,AMDの経過(発症,進行,寛解または死亡)を評価した。

 解析の結果,片眼のAMDの重症度が高いほど,僚眼のAMDの発症率が高く,進行も加速することが判明した。僚眼が発症もしくは進行したハザード比(HR)は,片眼AMDのレベル1から2への進行では4.90(95%CI 4.26~5.63),レベル2~3では2.09(同1.42~3.06),レベル3~4では2.38(同1.74~3.25),レベル4~5では2.46(同1.65~3.66)であった。

90%で両眼の重症度の差は2段階以内

 性およびCFH Y402H多型で調整後の5年間の変化を推定したところ,50歳時にAMD未発症の眼で55歳まで(5年間)にAMD(重症度は不問)が発症する確率は,AMD未発症に比べて僚眼にAMDを発症している場合で高かった(2%対7%)。

 また,50歳で片眼に発症したレベル2のAMDが55歳までにレベル1に改善(寛解)する確率は,僚眼のAMDが重症化するほど低下し(重症度が改善,維持,悪化で14%対12%対11%),レベル3以上に進行する確率は僚眼のAMDが重症化するほど上昇した(同11%対25%対40%)。同様の傾向は70歳および90歳,重症度レベル3および4でも認められた。

 さらに,45歳でAMD未発症の被験者の経過シミュレーションでは,性およびCFH Y402H多型で調整後のAMD発症率(重症度を問わず100歳まで)は50%と推定された。また,AMD(重症度は不問)を発症した患者の51%では両眼のAMDの重症度の差が常に1段階以内に維持され,90%では2段階以内に維持されると推定された。

 Gangnons氏らは,全ての重症度・病期で,片眼のAMDの重症度に追随して僚眼でもAMDが進行し,両眼でほぼ対称の重症度になると結論。この情報は,AMD未発症・軽症の眼の予後評価などに役立つ可能性があるとしている。

(太田 敦子)

Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)