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2018年10月5日

673 網膜色素変視症の治療薬アダプチノールが市場に戻ってきました

眼科医清澤の追記:どうしたわけかこの記事を見た方が、今週(2018年10月第2週)しています。テレビででも取り上げられたのでしょうか?(元記事は
2008年9月18日 2:48 PM)

アダプチノールと網膜色素変性に関しては 「見えなくても、ケアでより暮らしやすく」という千葉大山本先生の答えた下記の記事がよくお答えになっています。:ご覧になることをお勧めします。新しい取り組みも紹介されています。 
https://digital.asahi.com/articles/SDI201805158768.html

ただし、アダプチノールに関しては:
私も処方しておりますが、 次のようなそっけない記載です。

Q アダプチノールという薬を処方されるケースが多いようです。

A 効果は証明されていない。使っているのは、おそらく日本だけではないか。半世紀以上も前に保険適用された古い薬で、現在のような厳密な検証がされていなかった時代だ。いまの基準で見れば、効果があるとは言えないが、安価でもあり、そのまま使っているというのが現実だろう。


“暗順応改善剤アダプチノールの供給量回復について”
という文書を持って、バイエル社の担当者が本日(2008年のこと)医院を訪ねてくださいました。原末の不足から最近数か月処方できなくなっていたアダプチノールですが、この販売が再開されたということです。
このアダプチノールが市場から消えたのは実はこれが2回目でした。最初の時は、アメリカがイラクに侵攻した湾岸戦争ころで、米軍が戦場に大量に持ち込んだからという嘘とも本当ともつかない説明がなされましたが、ほどなく市場に製品が戻ってきました。今回は、ドイツでの原末供給途絶という理由にもならぬ説明でしたが、果して何がおきていたのでしょうか?製造過程変更の届を出しそびれたとか、何か理解できる理由が有るのでしょうか?

アダプチノールの解説を引用してみます。

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作成又は改訂年月

** 2008年8月改訂(第8版)

* 2006年4月改訂

日本標準商品分類番号

871319

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1977年10月

薬効分類名

暗順応改善剤

承認等

販売名
アダプチノール

販売名コード

1319004F1027

承認・許可番号

承認番号
13327KUY10760
商標名
Adaptinol

薬価基準収載年月

1958年4月

販売開始年月

1956年8月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存

使用期限
外箱に表示

組成

成分・含量
1錠中,ヘレニエン5mg含有

添加物
ヒドロキノン,ステアリン酸マグネシウム,炭酸マグネシウム,乳糖水和物,ブドウ糖水和物,白糖,小麦粉,ゼラチン,硬ロウ,タルク,赤色102号アルミニウムレーキ

性状

色・剤形
赤色の糖衣錠

外形

直径(mm)
11.0

厚さ(mm)
5.0~6.0

重さ(mg)
500

一般的名称

ヘレニエン錠

効能又は効果

網膜色素変性症における一時的な視野・暗順応の改善

用法及び用量

ヘレニエンとして,通常成人1回5mgを1日2~4回経口投与する.
なお,年齢・症状により適宜増減する.

使用上の注意

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため,発現頻度については文献を参考に集計した.123例中9例(7.3%)に以下の副作用が認められた.(再評価結果)

その他の副作用


0.1~5%未満
羞明,光視症

消化器
0.1~5%未満
下痢,軟便

その他
0.1~5%未満
全身けん怠感,頭部圧迫感

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること.

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]

薬効薬理

ヘレニエンは網膜でエステル分解を受け,キサントフィルに変換されて作用をあらわす1).すなわち,キサントフィルの共役二重結合部が網膜の色素上皮において酸素の担体として働き,網膜での好気的代謝を促進する(カエル)2).したがって,

(1) 杆状体細胞では暗所での視紅合成(酸化反応)促進作用をあらわし(カエル)1),第二次暗順応を改善又は促進する〔ヒト(患者)〕3).

(2) 同時に錐状体機能を促進し,第一次暗順応(初期暗順応)をも促進する〔ヒト(患者)〕3).

有効成分に関する理化学的知見

主構成成分の構造式

一般名
ヘレニエン(キサントフィル脂肪酸エステル混合物)

起源
マリーゴールドの花弁から抽出したキサントフィル脂肪酸エステル混合物である.

主構成成分
キサントフィルのジパルミチン酸エステル

化学名
β-carotene-4,4′-diol dipalmitate

分子式
C72H116O4

分子量
1045.71

包装

錠剤 5mg PTP包装 100錠(10錠×10)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1) 早野三郎他:臨床眼科,11(9),1167(1957)

2) Muller-Limmroth,W.et al.:Z.Biol.,110(5/6),457(1958)

3) Cuppers,C.et al.:Monatsbl.Augenheilkd.,118,288(1951)

文献請求先

バイエル薬品株式会社・学術情報

**〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号

バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
バイエル薬品株式会社・くすり相談

フリーダイヤル 0120-106-398

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売元
バイエル薬品株式会社

**大阪市北区梅田二丁目4番9号
ーーーーーーー引用終了ーーー

何しろ第二次大戦中に開発されたというのですから古い薬剤です。早野三郎先生というのは岐阜大学の眼科で教授をされた先生で、私の恩師の水野勝義先生(元東北大学教授で、名古屋大学のご出身)とも親しかった先生です。その作用は一時的な暗順応の改善であり、マリーゴールドの花弁から抽出したキサントフィル脂肪酸エステルの混合物なのですね。アルミのシールドから出さないで飲む患者さんが居るとは思えませんが、それで胃に怪我をするからという注意が出ているのですね。
また使いはじめさせていただきます。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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Categorised in: 糖尿病網膜症・加齢黄斑変性 (網膜疾患)