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2020年10月23日

12382:先天性脈絡膜欠損・コロボーマ:医院へのQ and Aから

かたなさんからの質問

息子が生まれた時、左眼の脈絡膜欠損だと診断されました。小学校上がる前までは 合併症などの検査のため定期的に大学病院で受診しておりましたが、その後通院をやめてしまいました。 息子は現在16歳です。16年前は治療法がないと言われていましたが、今は何かしらの手術があるのでしょうか?

清澤眼科医院の見解

かたなさん 今も本質的な治療法はありません。ただし、遠視や近視、あるいは乱視など治療が必要で治療できる病気が合併している可能性が高いので年に一度はお近くの眼科で見てもらっていてください。視野を見るとどの程度の異常かが良くわかります。瞳孔まで水滴状に変形しているケースから、眼底の一部が白く強膜が露出しているだけのものまでさまざまな程度のものが混ざっています。

清澤の注釈:東北帝国大学小柳教授の残された「残る影(自抒)」に脈絡膜欠損に関する優れた記載があります。小柳美三教授は実生活でも相当にストイックな人であったようです。昭和初期にこれだけの詳しい考察をした人が居たことに心を打たれます。

第1:葡萄膜欠損症の成因にかかる論議:
葡萄膜欠損症をゼーフェルデルは「第2眼胞期に於いて眼裂に介在する結組織が其の儘そこに遺残して眼裂の正規的閉合を阻止するために起ころもので、中胚葉組織の先天性発育異常が根本原因」としていた。これに対し小柳は、「第2眼胞期に過度に新生増殖せる固有網膜即ち外肺葉組織が眼胞裂縁からさらに外反して色素細胞層の方へ移行する。そのためにそれに相応して色素上皮細胞層は側方に押しやられて後退する。斯くして色素細胞層の形成せられない部分には其の栄養を司るべき脈絡膜の発生を必要としないから、自然それを欠損するようになる。」と解説している

Categorised in: 小児の眼科疾患