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2020年8月19日

12188:「近くを見る」視力にも関心を 高橋ひとみ名誉教授:記事紹介

清澤のコメント:これも今朝ご訪問くださったCLメーカーの方が教えてくださった記事です:この記事の著者は眼科医ではないのであえてそこを書かなかったのかと邪推しますが、遠方視力>近方視力という現象は、遠視の児童でよく起きます。学校の視力検査が右Aで左Bなどといった軽微な遠方視力障害の指摘で来院した学童に、調節麻痺検査(ミドリンP点眼で再度屈折を測る)をしてみると実は両眼または片眼に遠視が隠れていたというケースが稀ではありません。そのような子供では近方視力を測りなおして遠視の眼鏡の処方をします。このような児童ではは遠視性の不同視弱視を生じたり、調節性内斜視を起こしていたりもします。視力が悪い⇒近視が進行して裸眼視力が下がっている。近視用の凹レンズの眼鏡処方をすれば良いといった普通の流れとは違う子供がそれなりの割合で存在するという点には注意が必要です。

私見卓見2020/8/13 2:00日本経済新聞 電子版

視力不良で学習意欲を失う子どもを出さないための取り組みが求められる

視力不良で学習意欲を失う子どもを出さないための取り組みが求められる

新型コロナウイルス流行の第2波に備え、地方自治体は学校の授業のオンライン化に取り組んでいる。これにより、学習の形態は黒板中心からタブレット端末中心へと変化する。遠くにある黒板の文字を判読する「遠見視力」とは別に、近くの画面の文字を判読する「近見視力」が必要である

老眼でもないのに、遠くが見えても近くが見えにくいという子どもがいる。現在、学校では遠くを見るための視力の検査が行われているが、近くを見る視力を評価する方法としては十分ではない。

近くを見るときは、目の焦点を合わせるために大きな調節力が必要になる。とくに近見視力が悪い子供の負担は大きい。視力の問題なのに能力がない、努力が足りないなどと誤解され、学習意欲が低下し、知的関心を失っていく子どもの存在が懸念される。

筆者らは視力に問題を持つ子どもの学習機会を保証するために、教育現場で様々な調査を実施してきた。その結果、「近見視力の不良者(遠見視力も悪い者を含む)」は全体の約20%、「近見視力のみの不良者」は約8%いることが判明した。近見視力の不良者は近くを見ながら学習する際の能率が低いことも明らかになった。

今後、授業のオンライン化により、近見視力が悪い子どもの負担が増加することは必至である。すべての子どもが視力にかかわらず、公平に義務教育を享受できる教育環境を準備する必要がある。

そのためには、現行の視力検査に加え、近見視力の検査も学校で実施すべきだ。筆者は短時間で正確にできる簡易式の近見視力検査を考案した。各クラスで朝のホームルームの時間に5人ずつ行えば、1週間で終えられる。この時間を惜しむと、近見視力が悪い子どもの学習能率は低下する。

視力低下の予防のためには、体育の授業を活用する方策も有効だ。体育では人やボールを追って「遠くや近く」「上や下」「右や左」を見る。期せずして目の筋肉のトレーニングを行っている。体力が向上すると、対象物との距離も目の負担が少ない範囲に維持できるようになる。義務教育の段階で、視力不良のために知的関心を失ってしまう子どもを出さないための取り組みを進めてほしい。

Categorised in: 小児の眼科疾患