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2019年10月18日

11182:写真により小児眼疾患早期発見を自動的に行う:記事紹介

子どもの眼の病気を検出する「White Eye Detector」アプリ発表。大量のスナップ写真で眼の反射を学習

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi 2019年10月3日,

Science Advancesに今日掲載された論文(https://advances.sciencemag.org/content/5/10/eaax6363)では、スマートフォンアプリを使ってデバイス内に保存された多数の写真から瞳孔の反射を分析し、医者がそれを発見するよりはるかに早く、眼の疾患を見つけ出す研究が報告されています。

そのアプリWhite Eye Detectorは、機械学習を使ってスマートフォンなどに保管された写真を検索し、フラッシュや強い光に対する瞳孔内の反射を分析、白内障、未熟児網膜症、網膜剥離や、網膜に発生する小児ガンなどの疾患の兆候を知ることができます。健康な眼ならば、カメラの光に対して瞳が赤く反射して写りますが、疾患のある眼の場合はそれが白っぽく写るため、色の濃さから疾患の有無を判定可能になるとのこと。

疾患の早期発見は、患者を失明や死の危険から救う手助けになります。たとえば網膜芽細胞腫は急速に成長するため、フラッシュに対する反射が白くな利始めてから半年~1年後には腫瘍が脳に転移して死に至る可能性があると、論文共著者のブライアン・ショウ氏は説明します。

ショウ氏のチームは、White Eye Detectorアプリのテストのため、幼い子ども40人を対象に5万3000枚の写真を分析しました。40人のうち半分は後に眼の疾患を患った患者であり、その子たちの誕生から数歳までの写真を分析すればいつの時点で病気が発症していたかを特定できるというわけです。

分析の結果、アプリは20人のうち16人の子どもの白色瞳孔を検出し、しかも平均して医師が病気を診断する1~3年前にはその兆候を見つけられていたとのこと。網膜芽細胞腫の患者の場合は医師の診断より平均9か月も早くそれを検出できていました。

これは眼球を失うか否かを左右するに充分な時間的猶予となり得ます。

アプリは年齢に関係なく使うことが可能ですが、非常にたくさんの写真を分析する必要があることから、特に写真をバシバシ撮られまくる乳幼児に最適な手段と言えるでしょう。また乳幼児の場合は見え方に異常を感じてもうまく他の人に伝えられないことも多く、この点でもアプリのほうが有利に作用します。

このアプリが何か異常を検出すれば、何が起こっているのかを知るために医者へ行くきっかけとなります。診断までは下せなくとも、それだけで十分このアプリは役に立ちそうです。

ちなみに、White Eye DetectorアプリはApp StoreおよびGoogle Playから、それぞれiOS版とAndroid版が入手できます。

要約:

「赤反射テスト」は、標準的な小児科の検査で小児の白色瞳孔をスクリーニングするために使用されますが、多くの目の障害の検出には効果がありません。白色瞳孔はカジュアルな写真にも登場します。白色瞳孔のスクリーニング写真の臨床的有用性は報告されていません。ここでは、無料のスマートフォンアプリケーション(CRADLE:LEukocoriaのComputeR-Assisted Detector)が写真の白色瞳孔を検出するように設計されており、「White Eye Detector」という名前でダウンロードできます。この研究に登録する前に両親が収集した子どもたちの52,982枚の縦断写真を分析しました。コホートには、網膜芽腫、コーツ病、白内障、弱視、または遠視の20人の子供と20人のコントロールの子供が含まれていました。目の障害を持つ子供の80%について、このアプリケーションは、診断前に1.3年(95%信頼区間、0.4〜2.3年)に撮影された写真で白色瞳孔を検出しました。 CRADLEアプリケーションを使用すると、両親は写真を使用して臨床的な白癬スクリーニングを強化できます。

Autonomous early detection of eye disease in childhood photographs Micheal C. Munson他 Science Advances  02 Oct 2019:
DOI: 10.1126/sciadv.aax6363

Categorised in: 小児の眼科疾患