お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2019年7月22日

10929:オルソケラトロジーによる近視進行抑制効果のご発表でした

オルソケラトロジーによる近視進行抑制効果に関する木下望先生(自治医大埼玉医療センター)のJSCRS学会講演の概要をオルソ関連企業の方に伺いました。今までにもこのブログでは同演者の近視予防治療の効果についての記事を書いておりますが(https://www.kiyosawa.or.jp/pediatric/47058.html)、今回はさらに詳しくレビューされていますので、この件を再訪致します。

〇近視ブームである。近視は年齢が低いほど進行が速い。近視発症の低年齢化で、症度近視有病率の増加が懸念される。

〇近視進行のリスク:子供の近視進行の主原因は眼軸長の伸展で、強度近視になると網膜が菲薄化し網脈絡膜萎縮、黄斑変性、網膜剥離、緑内障のリスクが高まる

〇近視度数と眼疾患のオッズ比は-5~-6Dで:近視性黄斑変性41倍、網膜剥離22倍、緑内障3倍である。

〇眼軸長抑制治療の重要性。

・LORIC研究:中国人、7-12歳、二年間でオルソ群0..29mm、単焦点眼鏡042mm(差は2年で-0.25D)

・CRAYON研究:白人、8-12歳、オルソ群0.47mm、単焦点眼鏡0.69mm差は2年で0.22mm

・Takitaら、非ランダム化比較試験36%:日本人8-16歳、オルソ群039mm、単焦点眼鏡0.61mm、(差は2年で-0.22mm)

・MCOS試験、抑制率32%:白人の非ランダム化比較試験、6-12歳、2年でオルソK0.47mm、単焦点眼鏡群0.69。-0.22mm

Hiraokaら:5年間の長期で抑制率30、非ランダム化、8-12歳、オルソ群0.99mm、単焦点眼鏡1.41mm、-0.42mm。

・ROMIO研究:世界初のランダム化比較試験。7-10歳、オルソ群0.36mm単焦点眼鏡群0.63.-0.27mm。低年齢で近視進行の速い子供の進行をおさえる

・近視進行抑制効果のメタ解析:Li SMら、6-16歳の667人、2年間-0.27mm。アジア人の方が抑制効果大。中等度以上の近視で抑制効果は大きい。

〇オルソケラトロジーの近視進行抑制機序:軸外収差の抑制とコマ様収差の増大を考える。

◎近視進行抑制率は①1%アトロピン点眼で77%、0.01%アトロピン点眼液では59%、そしてオルソケラトロジーで32-56

◎オルソケラトロジーガイドライン:初版2009年では適応年齢20歳以上とされたが、子供における近視抑制効果報告で、未成年への処方が7割。2017年20歳未満を慎重処方に加えた。

◎この発表では、オルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼併用の効果を検討した。

その結論は、①オルソケラトロジーの近視抑制効果は開始時の屈折量に影響される。②弱度近視ではオルソKの近視抑制効果が弱く、0.01%アトロピン点眼併用が有効。中等度近視ではオルソKの近視抑制効果が充分に強くてそれだけで0.01%アトロピン点眼併用治療と同等の効果を持っていた。

Categorised in: 小児の眼科疾患