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2019年1月24日

10415:近視進行に対する低濃度アトロピン効果の研究(LAMPスタディー)

清澤のコメント:2019年一月号に掲載された近視進行に対する低濃度アトロピン効果の研究です。結論は0.05%が最も効果的であったということです。さらに興味をお持ちの方は原著をhttps://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0161642018302859ご覧ください。これならば、遠からず臨床的にも利用が始まりそうです。秋の国際近視学会でもこの辺が中心的な話題になるのでしょうか?

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近視進行に対する低濃度アトロピン効果の研究(LAMPスタディー): 0.05%、0.025%、0.01% のアトロピンによる近視抑制の無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験

Low-Concentration Atropine for Myopia Progression (LAMP) Study: A Randomized, Double-Blinded, Placebo-Controlled Trial of 0.05%, 0.025%, and 0.01% Atropine Eye Drops in Myopia Control

ARVO、2018 年 4 月 29 日、ホノルル、ハワイでポスターとして提示:。

著者 Jason C.Yam他、 Ophthalmology, Volume 126, Issue 1, January 2019, Pages 125-126

目的:

低濃度アトロピンは近視の進行に対する新たな治療で有るが、その有効性と最適な濃度は不透明なままです。私たちの研究の目的は、0.05%、0.025%、0.01%の低濃度アトロピン点眼液が1 年間の期間でプラセボと比較しての効果と安全性を評価します。

デザイン:

無作為化、プラセボ対照、二重盲試験。

対象:合計で 438人の患者で、 4 〜 12 歳で少なくとも1.0 ディオプター (D)の近視と−2.5 D 以下の乱視を示すもの。

方法:参加者は 1:1:1:1 の比で、偽薬点眼、0.01% 、0.025%、 0.05%のアトロピン点眼液を夜間に1年間両方の目につけるようにランダムに割り当てられた。最高矯正視力、瞳孔径、眼軸(AL)および調節麻痺下での屈折調節域、がベースライン値、2週間、4 ヶ月、8 ヶ月、12 ヶ月で測定された、2 週間の測定しました。視覚機能に関するアンケートは、1 年目の再診で得た。

主なアウトカム指標:等価球面 (SE) の変化と眼軸長を測定し, その差を用いて比較した推定式を一般化した。

結果

1 年後の平均 SE変化は0.05%、0.025% と 0.01%のアトロピングループ、および偽薬のグループでそれぞれ−0.27±0.61 D、−0.46±0.45 D、−0.59±0.61 D0.81±0.53 Dであった(P < 0.001) 対応する平均の眼軸ALの増加は0.20±0.25 mm、0.29±0.20 mm、0.36±0.29 mm、0.41±0.22 mm (P < 0.001)だった。

調節幅はそれぞれ1.98±2.82 D, 1.61±2.61 D, 0.26±3.04 D, そして 0.32±2.91 D (P < 0.001)減少した。

明所視下ト薄暮視下の瞳孔のサイズは0.05%アトロピングループでは1.03±1.02 mm と0.58±0.63 mm 増加した。0.025% アトロピン グループでは0.76±0.90 mm と0.43±0.61 mmの増加、0.01% アトロピン群では0.49±0.80 mm と 0.23±0.46 mmの増加であった。そして、偽薬グループでは0.13±1.07 mm と 0.02±0.55 mm  (P < 0.001)であった。視力と視覚関連の生活の質は、各グループに影響されなかった。

結論

0.05%、0.025%、0.01% のアトロピン点眼薬はこの順番に近視進行を減少させた。すべての濃度が視覚関連の生活の質に悪影響を及ぼすことがないことが容認された。使用した3濃度の内では0.05%アトロピンが最も効果的だった。1 年の観察期間において、SEの進行と眼軸伸長を制御するのに最も効果的でした。

Abbreviations and Acronyms

AL:axial length 眼軸長

ATOM:Atropine in the Treatment of Myopia近視治療におけるアトロピン

BCVA:best-corrected visual acuity (最高)矯正視力

D:diopter ジオプター

logMAR:logarithm of the minimum angle of resolution 最小視認角のログ値

SE:spherical equivalent 球面等価

Categorised in: 小児の眼科疾患