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2018年12月7日

10324:スマホで子どもの斜視増加?……韓国で研究論文:若倉雅登氏の記事紹介

スマホで子どもの斜視が増加?……韓国で研究論文、日本も同じ傾向か:若倉雅登記事紹介

よみドクターの記事で、若倉先生がスマホユーザーに見られる急性内斜視を取り上げています。取り上げている原著は:HyoSeok Lee他の, Acuteacquired comitant esotropia related to excessive Smartphone use:Publishedonline 2016:  [10.1186/s12886-016-0213-5] ⇒https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4826517/

 私の印象としては、両眼視を放棄して輻湊不全に陥っている子供が多いかと感じていましたが、そのような文献的考察が世にあるかどうかを私は把握できていません。

 ――若倉記事の要点は――

◎兵庫医科大学特任教授の三村治さんの講演を興味深く聞きました。子どもの急性内斜視が増えているという話でした。急性内斜視では、両目が内側に向いたまま戻らなくなる、つまり遠くを見ても目が寄った状態のままになります。

◎近い距離で長時間使用 寄った両目が元に戻らない!

スマホで子どもの斜視が増加?……韓国で研究論文、日本も同じ傾向か

 原因のひとつは、小中学生がスマートフォンに依存するようになったからだという論文が、2016年に韓国の施設から発表されました。――この12例の内斜視は従来とは少し異なる特徴を持っていた。まず全員が過度なスマホ使用者で、1日平均の使用時間は6時間、しかも30センチ以内の距離で画面を見ていた。うち9例は遠くを見るといつも、あるいは時々、水平複視(一つのものが横に離れて二つに見える)になった。8例は軽度から中等度の近視。どの目も1.0以上の矯正視力が出ていた。――これらの例では輻湊が戻りにくい。若い人は、目を寄せる動きを促す脳からの指令が強いと考えられ、それゆえに輻湊が続くと指令を解除することが難しくなり、このような現象が生じてしまう可能性がある。

スマホの使用をやめたら改善 手術や薬剤注射を行う場合も

 韓国の論文では、スマホを1か月間使わないように指示したところ、斜視角度は全員減少したということですが、5例は手術が必要でした。

 三村さんがボツリヌス注射治療を紹介。井上眼科でも、この方法や手術での治療を行う機会が増えている。しかし、治療よりも、そういう症例を出さないことがより大切でしょう。

 韓国の論文は英国の眼科誌に発表されたのですが、それを受けて英国の高級紙デイリー・テレグラフでは、この内斜視の話とともに、スマホによる子どもの精神活動への影響や、精子数減少との関係などが記事で取りあげられています。日本でも近年、スマホ依存による学業成績の低下、睡眠障害、暴力などが大きな問題として提起されています。

 韓国のみならず、日本でも若い人のスマホ依存、スマホ中毒は、国をあげて考えなければいけない喫緊の問題だと思います。 (若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

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Categorised in: 小児の眼科疾患