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2018年4月19日

9787:「色覚に関する情報提供」と「色覚に関する啓発チラシのご案内」

色覚に関する啓発チラシのご案内:他

眼科医(ブログ主)清澤のコメント:
日本眼科医会のホームページに新しい啓発チラシの案内が載っていることをMさんが教えてくれました。現物はA5版表裏のようですが、PDFですのでブログにはそのままは添付できません。それで、テキストに起こして採録いたします。ご利用ください。また、日本眼科医会高野会長が色覚検査が学校検診から一旦取り除かれ、再び任意で再開された経緯を記載しています。「差別をなくし平等に」という善意の思いが、結果として「自分の色覚特性を知らないで社会に出る時期を迎える人」を作ってしまったという事が解ります。

  日本眼科医会学校保健委員会の監修により、色覚の啓発用チラシ(A5判両面カラー)が完成しました。色の見え方というタイトルで、眼科学校医と生徒との対話、その解説という形式でできています。先天色覚異常の有無にかかわらず、保護者や学校の先生も含めて、多くの人に知っておいて欲しいことを分かりやすく説明してありますので、皆様の医療機関の窓口や学校の保健室に置いたり、学校健診の際に児童生徒へ配布して説明したり、学校の保健委員会などで資料として使用したりなど、大いに活用してもらえればと思います。色覚異常については、まだまだ誤解や偏見が少なくありません。多くの人に正しい理解と対応ができるようになってもらえればと、願っています。

学校保健委員会

委員長 鈴木 一作

啓発チラシ「色の見え方」がダウンロードできます。ご活用ください。

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色の見え方

 

先天色覚異常ってなんですか?

生まれつき、色の見え方が多くの人と少し違うんだ。

《解説》 色の見え方には多様性があります。生まれつき、色の見え方が多くの 人と少し違う人がいます。医学的には先天色覚異常と言います。色の見え方が変化したり、悪くなったりすることはありませんが、治すことはできません。日本人では、男性の約5%、女性の約0.2%です。白人は、その倍くらいの頻度です。

 

もしかしたら、色のない“白黒の世界”の見え方なんですか?

とんでもない。カラフルに見えているよ!

《解説》 決して白黒の世界ではなく、カラフルな見え方ですが、多くの人と混同しやすい色が違います。例えば、赤と緑でも、明るさや濃さ、背景の色によっては 似た色に見える場合があります。色の対象物が小さいと、その傾向が強まります。

 

生まれつきなら、自分の色の見え方が皆と違うって分かりますか?

いや、本人も周囲の人も、気づかない場合が少なくないんだ。

《解説》 色の見え方は生れつきなので、本人は「誰もが自分と同じように見えている」と思っていて、自分が色覚異常だと気づいていない場合が少なくないのです。また、混同しやすい色 はあっても、多くの場合は区別できるので、その人の色覚異常に周囲の人も気づかない場合が少なくありません。

 

普段の生活や仕事で困りませんか?

注意すべきことはあるけど、ほとんどの場合は大丈夫だよ。例えば 疲れている時、周囲が暗い時などは注意した方がいいね。

《解説》 色覚異常の種類や程度によって、注意すべきことは違います。どういう時に、どういう注意をすればよいかが分かっていれば、普段の生活や仕事で困ることはほとんどありません。心配なら、眼科医に相談するとよいでしょう。

 

じゃあ、自分の好きな職業を選べるんですね。

そうだね、でも幾つかの職業には就けない場合があるんだよ。

《解説》 鉄道運転手や航空管制官は現在のところなれません。また日本では、旅客機のパイロットにはなれないようです。自衛官、警察官などは、色覚異常の程度によっては就職できない場合があります。なお、自動車の普通運転免許はほとんどの場合、取得可能です。

 

だったら、色覚検査は受けておいた方が良いということですね?

そうだよ。自分の色覚はどうなのか、知っておいた方がいいね。

《解説》 日常生活での注意点を知ったり、進学や就職を考えたりする上で、色覚検査は受けておいた方がよいでしょう。少なくとも、色覚異常があると制限される資格や職種を目指す人は、早めに受けておくべきでしょう。希望すれば、学校でも色覚のスクリーニング検査を受けられます。そこで異常の疑いがあれば、眼科で精密検査を受けましょう。

 

学校の先生たちも色覚の多様性を知っていた方が安心ですね。

そのとおり。先生たちも色のバリアフリーについて理解し、それを実践してほしいね

 《解説》 授業では、色名で答えさせるように指示したり、色だけで意味づけをしたりしないようにしましょう。黒板には赤や緑色のチョークを使用せず、白・黄色 チョークを中心に使用しましょう。なにより、クラスには色の見え方が違う生徒が いることを意識することが大切です。

 

2018.4.1

色覚に関する情報提供について(会長メッセージ)

2015年07月16日 (2018年4月再掲示)

色覚に関する情報提供について

   平成14年の学校保健法(現学校保健安全法)施行規則の一部改正で学校での色覚検査が必須項目から希望者に行う任意の検査となってしまいました。

   この文部科学省の省令改正が10年後、児童生徒に及ぼしている影響を知るために、平成22~23年度の2年間にわたる全国調査を実施しました。その結果、自身の色覚異常を知らずに学校生活や進学・就職などで不利益を受けていた多くの児童生徒等の実態が明らかになり、日本眼科医会ではこれらの問題解決に向け、多くの方面に働きかけてまいりました。

   その結果、平成26年4月30日に文部科学省から出された学校保健安全法施行規則の一部改正に伴う通知のなかに、保護者への色覚の周知を図り、希望者に色覚検査を実施するとともに、教職員は正しい色覚の知識を持つことで、色覚異常の児童生徒等が不利益を受けないように留意することが提言されました。

   当会では将来を担う児童生徒等のために学校での色覚検査が適切に実施されること、さらに、「色のバリアフリー」が社会的に推進されることを願っております。
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Categorised in: 小児の眼科疾患