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2016年11月19日

8337:小児眼疾患の診かた・考え方 東範行先生 を聴きました。

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小児眼疾患の診かた・考え方 東範行先生 を聴きました。
(本日行われた平成28年度卒後研修会第8回の演者は東範行先生と仁科幸子先生でした。学術部部員としての出務で控え座長として参加し、ご講義を拝聴しました。)
(上図はLeber Congenital Amaurosis Retina, NIH/National Eye Instituteからの借用で、ご講演とは無関係です。)

ご講演の最後に示された「小児の眼底観察のポイント」というスライドに、私が聞き取れた点をハンドアウトから拾って追加してみました。配布されたハンドアウトも非常に的確で聞き取りやすい講義でした。

・網膜血管の走行異常があれば、血管新生や網膜剥離(牽引性、裂孔原性)が起こりうる。:未熟網膜症、家族性滲出性硝子体網膜症、第一次硝子体過形成遺残(最近はpersistent fetal vasculatureと呼ばれるようになった)など。黄斑の先天網膜分離症はOCTで診断できる。
  
・出血があれば、血液・血管疾患と虐待(揺さぶられっ子症候群syaken baby syndrome:
SBS、虐待性頭部外傷Abusive head trauma: AHT)を疑う。

・滲出があれば周辺部か(FEVR,Coats病)、後極中心か(血液、代謝疾患など)。

・視神経は大きさ」(黄斑との距離)と陥凹で判断。

・先天異常でも黄斑があれば、視力が良いかもしれない。

・感染症(ヒストプラズマ、トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス他)と腫瘍(過誤腫、黒色細胞腫、悪性黒色腫、網膜芽細胞腫)の可能性も忘れないこと。

◎そのほかのキーワード他:当日のの雑談も含めての清澤の聞き書きメモ

〇未熟児網膜症:
 日本では国民皆保険があるので、海外では経済的な理由から小児科医が育成を断念する程度の極低体重児も手厚い治療が施されて、生存できている。その結果、全国の小児眼科医は未熟児網膜症でも、海外では扱うことがないような困難例にも対応することが求められる。
 未熟児網膜症に対するスタンダードな治療法は網膜光凝固(または網膜冷凍凝固)である。しかし、極低体重児にそれらの治療を施すのはとても難しい事である。そこで抗VEGF抗体硝子体注射を使うと、いったんは落ち着いたようになることがあるらしい。しかし、そののち数か月してから驚くほど激烈な網膜血管増殖が起きることもあるらしい。未熟児への光凝固の施行が困難だからとして、スタンダードな治療法である網膜光凝固の代わりに抗VEGF抗体硝子体注射を使うのには、別の危険があるという可能性があるかもしれない。(以前の関連記事:https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54162690.html)

◎家族性滲出性硝子体網膜症:この病名は網膜の状態で診断する。遺伝子診断は実際には用いられてはいない(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51644604.html)。この疾患は、眼科医仲間で思われているよりも実際には多く、網膜ひだを呈するほどのものもある。

◎レーベル先天黒内障;
【Leber先天(性)黒内障】(Leber’s congenital amaurosis(LCA)):レーベル(レーバー)先天(性)黒内障は遺伝子異常による視覚障害である。眼球には異常がなく、眼底検査でも異常が見つからない場合があり、最終的には網膜電図検査によって確定する。原因は網膜色素上皮細胞(RPE)内のRPE65の変性によるもので、変異をひきおこす遺伝子が13個見つかっている。(ウィキペディア)
直截的には。ほとんど進行しない網膜色素変性のような疾患。(視神経炎のレーベル病とは別のものです。)

Categorised in: 小児の眼科疾患