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2014年12月21日

6131(旧557再録) 先天性眼振の解説(e-medicine)からの抜粋(治療編)

お待たせいたしました。先天眼振の治療に関する記載の抄訳です。
このページの元記事はhttp://www.emedicine.com/oph/topic688.htmです。
比較的信頼できる記述と思われますが、翻訳時に文意がゆがんでいる恐れが無くはありません。(何を言っているか分らない自動翻訳よりはましという事でご勘弁ください。)また薬剤の量なども翻訳に当たって十分な確認を為してないですから、実際に使用される際は再度別の資料で確認のうえとなさってください。

(この記事は先天性眼振の診断の続きです、併せてご覧下さい。⇒リンク)

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1、非手術的な治療

眼振患者の治療に役に立つ薬剤は、興奮性神経伝達物質系の抑制薬、主にGABA作用薬です。特発性先天眼振の病歴を持つ成人患者で有効な唯一の薬剤は、バクロフェンです。この薬は、子供に処方することが承認されていません。バクロフェンは、周期性交代性眼振(PAN)に効果的です。

最近の症例報告では、ギャバペンティンgabapentinが先天性眼振に有益であることが示されています。対象を黄斑で捕らえる時間の改善によって視力改善と振幅および眼振頻度の減少がおきて有効である事が報告されています。

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コンタクトレンズ装用が、三叉神経遠心性路の影響で乳児眼振を減らすことが注目されます。高い屈折異常の有る患者において、眼球運動で誘発される光景のゆがみを避けることによって、黄斑固視時間も増えるのかもしれません。

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代替治療(例えばバイオフィードバック、鍼または頭部皮膚と首刺激)は、幼児の眼振の病歴の有る成人の眼親患者で眼振を減少させることが報告されています。

それが視力を向上させることが示されていますので、屈折異常は弱い遠視であっても、メガネを使わせるべきです。強い凸レンズ眼鏡と強い凹のコンタクトレンズによる光学的システムは、一部の患者で視力を向上させることが示されています。

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2、手術的な処置

ボツリヌス毒素(BOTOX)の眼球後方や眼筋内への注入は一時的に眼振を停止させられる事が示されています。しかし、眼瞼下垂や複視などの強い副作用や更には追加投与の必要性のために患者の十分な満足は得られていません。

斜視手術は、特定の形の眼振に使われますが、その成功率は様々です。
アンダーソンまたはケステンバウム手術は、特発性乳児眼振の眼位を安静位が正面に来るようにする目的で用いられます。

4水平筋のすべてに対する後転、または単純な腱切断術が提唱されましたが、その結果は様々でした。若干の改善を示したという予備的研究は完了しましたが、本調査は行われてはいません。

上斜筋波動症の処置においても手術がときに使われます。

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他科紹介
小児神経科との協議は、中枢神経病を隠し持っていると疑われる患者では、眼振の評価での中枢神経障害の局所を明らかにするのに有効です。

小児内分泌学との協議は、視神経発育不全患者の下垂体機能評価を援助するために役立つかもしれません。

小児科の代謝病専門医は、先天性白内障患者や視覚萎縮患者の根底にある代謝異常の情報を提供することができます。

小児遺伝学者は、先天眼振があったり、変形があったりする眼振患者の不確かな診断との管理での役割が増加しています。

小児科神経放射線学者は、神経画像診断をすることで見つけられる幼児の脳の異常を評価することが出来ます。

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薬剤
眼振の管理において使われる唯一の薬は、幼児には役立たず、運動障害そのものが視覚障害または他の好ましくない徴候を引き起こすことになっているような眼振がある大人だけに役立ちます。

◎薬の分類:

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1)抗けいれん薬
ギャバペンチン結合部位の電位型カルシウムチャネルに作用する薬剤は、眼振を治療することに役立つかもしれません。

薬名 Gabapentin (Neurontin)

説明
成人の眼親を抑制することが知られる。
先天性眼振で一部の大人に徴候を改善するのに立つことが示されました。現在まで子供たちでの有効性の実験はされてはいません。作用の正確なメカニズムは知られていないですが、そのグルタミン酸に拮抗する働きによると考えられます。多発性硬化症による成人の後天性眼振を治療するのに有効に用いられます。

大人の服用量 経口で一回に300-1200 mg
分服量なら 経口で日に300-1200mg

小児科服用は確立されません

相互作用
制酸剤服用後少なくとも2時間以内でのgabapentin使用は、生物学的利用能をかなり弱めるかもしれません;またかなりの程度にノルエチンドロン濃度を上昇させるかもしれません

妊娠時使用の危険度ランクC
胎児の危険は、動物実験で検出できないか、人間では調査されていませんでした;使用の利点は、胎児の危険を上回るかもしれません

予防措置 重症の腎臓病には注意

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2)筋弛緩薬
回復可能であるが扱いにくい痙性を治療するのに用いられるこの薬剤は有用です。

薬名 Baclofen:バクロフェン(Lioresal)
説明
特発性乳児眼振の病歴のある成人患者で、眼振を減らすことに効果があります。正確な治療的なメカニズム未知で、当初信じられていたようなGABA作動性の経路の問題というよりも、むしろグルタミン酸塩放出の抑制に関するものかも知れません。それは、ある種の眼振、最も一般には周期性変換性眼振(PAN)を治療するのに用いられました。

眼振強さの改善は、数分で現れて、数時間後には弱まります。薬物は就寝時刻など目の使用が予定されない時間に服用しても無駄です。

大人の服用量 経口5-20 mg で日に3回
小児での服用量 未確立

禁忌 報告されている過敏症
相互の副作用が、アルコールと他のCNS抑制剤との間にみられます。バクロフェンを飲んでいる間に痙攣発作が癲癇患者に起こることがあります。
妊娠時使用の危険度ランクC:胎児の危険は、動物や人間での研究では報告がありません。利点は、胎児も危険を上回るかもしれません

予防措置
腎機能障害や脳卒中患者での、突然の薬剤の中止は避けてください。卵巣の嚢胞の発生率が服用量と関連して増加するかもしれません; 一過性のうとうと状態がしばしば起きますので、運転などでは注意を必要とします;報告されるている他の副作用には、めまい、体の脱力、頭痛、吐き気、便秘と頻尿があります。

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3)神経筋遮断剤、毒素
筋肉に除神経を起こす薬剤は、眼振治療に有用です。

薬名 ボツリヌス毒素Aタイプ(ボトックス)
説明
特定の外眼筋や眼球後方の筋円錐の中への注射によって、眼振の治療に使われます。
大人への使用量 1.25-10単位の注射;大部分の外眼筋は、2.5または5.0単位に反応します
小児での使用量 12最未満では確立されていません
先天性内斜視でのその使用に関する発表された報告があります。小児患者では全身麻酔が必要で、利用は制限されます
12歳以上なら大人の場合のように管理してください

禁忌 文書化された過敏症が禁忌です
相互関連:
運動支配伝達に影響するアミノグリコシド系抗生物質や他の薬はボトックスに影響します。
妊娠時使用の危険度ランクC – 胎児の危険は、動物実験では確立されてなく、人間でも研究されていません。使用の利点が胎児の危険を上回るなら使用できるかもしれません

予防措置
斜視では眼球穿孔と球後出血は、めったに報告されませんでした。
視覚障害も報告されませんでした、しかし、眼球後出血の後のアディ瞳孔発症の報告が有ります。
上眼瞼の下垂と垂直方向の斜視は、15-20%で生じますが、ケースの98%以上で6か月までにおさまります;
患者は外眼筋注射の後の数週間に、空間方向感覚の乱れや複視を経験するかもしれません
眼瞼痙攣では、瞬目の減少、角膜露出、角膜潰瘍などが輪筋注射の後で起こることがあります。角膜穿孔の1例が報告されています

抄録引用終了ーーーーー

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清澤注:
まだ決め手になる治療法はありませんが、乱視の矯正やプリズムの作成等はすぐにでも出来そうです。実際にそのレベルの治療で視力の向上が得られる場合も有ります。夢のような一発で決まる医療法があるわけでは有りません。医師と患者およびその家族が、各治療法の可能性を一つづつ落ち着いて抑えてゆくのがよいでしょう。

アンダーソンやケステンバウム手術はそれなりの手術数をこなした眼科医でなくては手を出さぬほうが無難でしょう。ファーデン手術という眼球後方で直筋を強膜に結びつける手術が有りますが、それはこの記事には出てきませんでした。

薬剤も、有効な眼振の型が限定されてますから使用できる患者さんは限られると思います。ボトックスは私も眼瞼痙攣には使用して満足できる結果を得ていますが、それほど有効な結果が眼振に得られるとは予測し難く、ボトックスを眼振や斜視に対して使用した経験は有りません。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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(この記事は先天性眼振の診断の続きです、併せてご覧下さい。⇒リンク)

清澤:2018,10,7:この記事を見直し、小児眼科疾患に分類いたしました。

Categorised in: 小児の眼科疾患