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2007年8月19日

398 新生児の眼が開かない?

眼瞼狭小Blepharophimosis(→図の出典)という言葉があります。
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今回、生まれた赤ちゃんの目が開かないという質問をお母さんから受けましたので関連のありそうな病気を一通り説明して見ます。

質問:目が開かない!
うちの3人目の男の子は生まれた時から右目が開いたのを見たことがありません。最初はいつか開くだろうと思っていたのですが、さすがに生後10日・・『おかしい』とネットで色々調べ、眼科も受診しました。一応鼻涙管が狭い様だという診断で、月齢が小さい事もあり生理食塩水を通す処置だけしました。後は点眼で様子という感じなのですが・・・。とにかく目やにがあって、これでまぶたがひっついて開かないと考えたいのですが、目やにをとってもうっすら開くという状態なので、もしかしたら先天性眼何とか下垂というのだったらと不安でいっぱいです。点眼を続けてどれくらいで効果がでるものでしょうか?先天性 ~見極めの基準などありますか?

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お答え:
瞼の幅が左右で違うというわけですね。これも親御さんにはさぞ心配なことでしょう。

眼瞼癒着まず、上の瞼と下の瞼が癒着したまま外れていないという先天性の眼瞼癒着(がんけんゆちゃく)というのが有ります。symblepharon (眼瞼癒着)(=ankyloblepharon→図の出典)はご質問の例とは違い、ご相談のお子さんはとりあえずは癒着無く開いているようですね。もしこの疾患の場合にははさみでそっと癒着部分に切開を入れると開くといわれています。

瞼裂狭小次に先天性の眼瞼狭小という病気があります。これは、生まれつき上と下の瞼の間の幅が違うというものですが、多くの場合には両眼の幅が同様に狭いことが多いようです。形成外科では鼻側の眼に被った皮膚の切除と瞼を挙げる処置を時期を見て上手に行ってくれます。

鼻涙管閉塞
次に、目やにが出て瞼がくっついているならば、先天性鼻涙管閉塞を考えます。相談者の担当医もこれを考えてくれたようですね。図(→出典)は涙嚢炎で涙嚢の上の皮膚が赤く腫れています。涙管洗浄にて涙嚢からの膿の逆流が見られ、さらに入れた生理食塩水の通過で咽る症状も見られませんので、次には涙管ブジーを行うことになります。(→私のブログの先天性鼻涙管閉塞へ。)

炎症がない通常の先天性鼻涙管閉塞なら、2月程度は涙嚢の上の皮膚を朝夕30回くらい、軽く親のひとさし指の腹で押すマッサージを繰り返して自然な開放を促してもよいでしょう。そのマッサージで開けば、無理に針金のブジーを通す必要はないです。

先天下垂術前
瞼を上げる筋肉が弱かったりして、先天的に片方または両眼の瞼が下がっているものを先天的な眼瞼下垂(先天性眼瞼下垂congenital ptosis)と呼びます。左右の眼の開き具合に不対称があるだけではなく、少なくも一方の瞼が下がっていて、瞳孔がしっかりと上の瞼の下に開口できていない場合には、将来その眼に弱視を発症することになりますので、その瞼を眉毛の下の骨膜に向かって引き上げて縫い付けるなどの手術が行われます(十分な眼瞼挙筋機能がない場合)

先天下垂術後図の出典。また、眼瞼挙筋の機能は十分にあるが、瞼が普段は下がってしまっているような場合に選ばれるのは挙筋短縮手術です。
これらの手術は、通常はもう少し子供が大きくなって、眼の形が見極められ、更に眼瞼挙筋の機能の評価もできてからに行うのが普通だと思います。
この疾患が疑われるなら、子供の目の形成手術になれたその地方の先生に相談されてみてはいかがでしょうか?

小眼球
また、眼球の大きさ自体が片方(または両方)が小さい小眼球というものもあります (→図の出典)この図は症状の強い症例ですが、これも瞼裂が小さくなるでしょう。小眼球ではその眼が遠視になりますので、弱視を作らないためにはある程度早い時期に、たとえば2歳などをめどに正しいメガネを作る必要があります。この辺(遠視の有無)も見ていただいておいてください。

この中では、重いものも軽いものも含めれば先天性鼻涙管閉塞がもっとも多く、先天性眼瞼下垂が次に多いような気がします。それ以外はかなり少ないです。いずれにしてもこちらまで来てくだされば、一度拝見して適切な助言を差し上げられると思います。

患者を実際には見ないで言っていることは、結構的外れなことがあります。今回引用した写真はかなり重症のものです。(たとえば先天性眼瞼癒着は30年で2例ほどしか見たことはありません。また先天性小眼球は成人の患者さんを何例か見ていますが、世界中のホームページにこの写真一枚しか見つかりませんでした。)考えすぎないで、現在の担当医にざっくばらんに不安な点をお聞きになるのが良いでしょう。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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Categorised in: 小児の眼科疾患