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2007年8月17日

397 夏休みの子供の眼の救急疾患

薔薇1夏になりますと夏らしい?眼の事故があります。今日はその話をして見ましょう。 (管理頁

ケミカルライト
本日のリストメールに”ケミカルライトご用心 中の液体目に入る事故も”という記事が(07/08/16:共同通信社)流されています。”光るブレスレットとして祭りの夜店で売られたり、コンサート会場でステージに向けてかざす「ケミカルライト」を誤って破損させ、内部の液体が目に入るなどする事故が起きている。救急車で搬送されるケースもあり、東京消防庁も注意を呼び掛けている。”という事とです。

”強く折り曲げて破損させ事故につながっており、祭りやキャンプの多い夏場に多発。””東京消防庁のまとめによると、2005年4月以降、ケミカルライトにからむ救急搬送は14人で、ほとんどが子ども。うち11人の搬送は7、8月だった。”とか。

成分を見れば、まあ水で洗って痛がらなければ、翌朝の受診でも良いというところでしょうか?

ばら2但し、眼に入ったものが陸上競技の線を引く石灰粉や生コンクリートなどのアルカリや強い酸などであれば、それは大変です。ことにアルカリは角膜を溶かして浸潤しますので救急患者として眼科医を探してください。

アルカリや酸による薬物による火傷に病院で何をするかといえば、あくまで洗眼です。ですから、病院に行く前に十二分にさらに十二分に洗ってからおいでください。救急車よりも水道水での洗眼です。それが予後の悪化を減少させるでしょう。

ばら3そのほかには夏ならではの眼の救急疾患にはどんなものがあるでしょうか?

花火やその他の火傷:
花火
(写真の出典)もっとも代表的なのが花火の眼への飛入。火薬は強い酸ですから、打ち上げ花火がなかなか出ないなどといって覗いたりすると大変なことになります。火花による瞼や眼球表面だけの軽い火傷ならば直に洗っておけばよいですが、眼球壁を破って入ったとなると失明の確率はずっと高くなります。(花火による角膜の火傷なら救急受診も当然許されるでしょう。)

花火虹彩脱出海外のページではロケット花火による打撲(ないしそれに伴う裂傷)が重視されています。眼球内の出血(茶目の上に血がみえる)、瞳孔が丸くないなどというのは明らかな異常です。

ばら4結膜炎:夏のプールで移るのが流行性結膜炎、石鹸やタオルを分けて家族にも移らないようにしましょう。点眼液を家族で共有するなんてもってのほかです。(これも普通は救急疾患ではありません。翌日眼科医に相談なさってください。)

ばら5眼にごみが入った:子供が外で遊ぶことの多い季節です。角膜異物や結膜異物も多くなります。下瞼は指で引きおろすと赤い眼瞼結膜がすぐ見え、ごみが入っていてもすぐにティッシューペーパーなどでとれます。困るのは上瞼の下に入った小さな植物性の塵などです。瞼をひっくり返す技術は普通の方には無いので、救急受診も止むを得ないかも。

洗面器の水の中で瞬きすると取れることもあります。ごみが取れなくて痛くてということなら救急受診も可です。この場合実は異物はもう取れているということも時々見かけます。

ばら6角膜表面の擦過傷:紙や枝が当たると表面に傷ができ、大変痛いです。穿孔していることは稀で、大抵は表面の上皮が剥けただけですから局所麻酔剤をつけて眼帯をすれば翌日にはよくなりますが、診療時間を過ぎての受傷では医師を探すのに苦労することもあるでしょう。

結膜下出血結膜下出血:痛くも無く、視力も正常だが唯々白目が出血で赤い。この病名の通り、結膜の血管が切れて、結膜の下に出血したものです。穿孔性の外傷でなければ、明日の診療時間まで待っても良いでしょう。手で眼をこすったりすると起きますが、後日一度は精密検査を受けておくべきです。

ばら8眼窩および眼球の打撲:転んだとか叩かれたとか。軽いものから重いものまでさまざまです。眼球は大丈夫でしょうか?眼の周りの骨に隠れた骨折は無いでしょうか?眼窩の骨折では一見外見は正常でも、物が二重に見えるという症状を訴えることもあります。

花火眼瞼裂傷瞼に青く皮下出血することもあります。基本的には眼球が穿孔したり、瞼が裂傷を負って傷が開いていれば即時治療を要する救急の対象になります。(図は傷の開いた花火による外傷、米国のページから:出典は上に引用)そうでなければ翌朝の診察をお受けください。

ばら9視神経管の骨折で外傷性視神経症というものもあります。転倒してコメカミをぶつけたようなときに、直後からないしはしばらくして視力が下がります。この外傷には多目の経口または点滴のステロイドが用いられます。

眼科を当日の晩に受診されても、翌朝でもその晩に手術ができるわけではないので、結果はあまり変わりません。

ばら10昔、仙台の大学病院に勤務していた35歳のころは、大学が県内一円の救急外傷を引き受けていたので、軽いものから重いものまで、あらゆる外傷を見ていました。病棟係チーフのときは毎晩緊急患者を大学の近くの自宅で待っていたものです。

東京医科歯科大学に赴任してからは、周囲に大学病院も多く、眼科の外傷の急患を見ることは比較的少なくなりました。そして、私は2年前に医科歯科大学常勤の席を離れて開業しました。

救急車
最近になって東京医科歯科大学は救命救急医療に力を入れ始めました。そこで、”昨晩救急車で入った患者さん”というタイプの患者さんを水曜日の外来で拝見することが多くなりました。

頭部に外傷を負った患者さんには、眼にも打撲をうけている事があり、各科の科担当医は救急で収容された後でもなかなか大変のようです。医科歯科大学の眼科の後輩も眼外傷の対応には大分なれてきたのではないでしょうか。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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Categorised in: 小児の眼科疾患