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2021年7月11日

12981:視神経脊髄炎スペクトラム障害:アップデート:富沢雄二先生聴講印象記

清澤のコメント:視神経脊髄炎スペクトラム障害:アップデート:という順天堂大学医学部脳神経内科准教授富沢雄二先生の講演を拝聴しました。聴講印象を採録させていただきます。清澤の脚注で脳の4種のグリアとはを説明します。(この稿には富沢先生のチェックをいただきました。7月15日)

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デビック病は2005年にAQP4抗体が見つかってから再認識された。NMOSDの概念はアストロサイトパシーである。女性で30-40歳代に多く、3椎体以上にわたる脊髄病変を示す。10万人に3.42人程度の頻度で、南日本に多い。B細胞からのプラズマブラストが抗AQP4抗体を作り、アストロサイトからオリゴデンドロサイトへと障害が広がり、神経細胞も破壊される。血清中のGFAP(グリアル フィブリラリー アシディック プロテイン)はアタックの前から上昇する。Talai 他Brain 2021はアストロサイトの形で病気を1-4期に分けた。

急性期症状にはしゃっくりなどの最後野症候群がある。AQP4抗体検査にはELISA法とCBAがあるが、保険適応は前者のみ。NMOSDではSSA,SSBを半数に認める。その髄液は正常圧で、IgGインデクスは正常、オリゴクロナルバンドなし、IL-6やGFAPが上昇する。MRIでMSとNMOSDは違う。MSOSDには特定の大脳病変がある。NMOSDでは上水平半盲はやや多い。OCTでは、、

障害程度の評価にはMS 用を流用する。歩行4.5以上で重症とする。国際診断基準がある。

鑑別はMOGAD(モガド)、抗MOG抗体を見る。小児ADEMの一部で抗MOG抗体が陽性である。

MS、NMOSD(AQP4抗体)、MOGAD(抗MOG抗体)の画像を比べることが出来る

注:GFAP:

治療にはステロイドパルス、血漿交換(早めに血漿浄化両方に行くのが良い。)そしてステロイド漸減へ。血漿交換にはコストの高い「単純血漿交換」、二十膜濾過法、免疫吸着法がある。タイミングは、パルスが効かねば浄化両方に行くのが良い。このほかに、免疫グロブリン大量静注療法があり、日本では保険適応もある。再発防止にはパルス後のプレドニン後療法が行われ、半年かけて15-20まで減量する。このほかに、アザチオプリン、タクロリムスも使える。(2017年にガイドラインあり。)

特異抗体を用いる方法

①サトリズマブ:IL-6に対する抗体で皮下注で用いられる。投与されたサトリズマブはリサイクリングという機序で体内で再利用される機序がある。

②エクリズマブ:補体C5を抑えるのでアクアポリン4抗体に使う。感染が起きやすくなるので注意要。

③イネビリズマブ:抗CD-19抗体。プラズマブラストに効く。

清澤脚注:(https://www.abcam.co.jp/neuroscience/the-functions-of-glia-in-the-cns-1 から抜粋)

中枢神経系におけるグリア細胞の機能

中枢神経系に対するアストロサイト、オリゴデンドロサイト、およびミクログリアの機能と関係について

はじめに

中枢神経系(CNS)は、活動電位の伝達を仲介する約 1012 個のニューロン(Neuron)から成る。ニューロンの機能は非常に重要だが、神経組織を構成する細胞の約 90 % はグリア細胞(Glia)である。発見当初、グリア細胞は不活性な細胞で、物理的にニューロンを支える役割を務めているだけだと考えられていた。

しかしながら現在では、グリア細胞は、恒常性の維持や発生の過程において、能動的かつ重要な役割を担っていることが知られてきました。グリア細胞はアストロサイト(Astrocyte)、オリゴデンドロサイト(Oligodendrocyte)、上衣細胞(Ependymal cell)、ミクログリア(Microglia)と呼ばれる 4 種類の細胞に分類されます。

アストロサイト

アストロサイトは血管系とニューロンとを結びつけ、血流からニューロンへグルコースなどの栄養物質を供給する働きを担う。アストロサイトにおいて、グルコースはニューロンの主要なエネルギー源である乳酸へと代謝される。またアストロサイトは、グルタミン酸や GABA などの神経伝達物質の取り込みや、細胞外カリウムイオン濃度の調節といった、活動電位の伝達においても非常に重要な役割を担っている。アストロサイトは血管系とニューロンを結びつけ、グルコースなどの物質を血流からニューロンへ供給するさらにアストロサイトは、神経が損傷を受けた後の瘢痕形成、神経栄養因子(Neurotrophin)の合成と放出、さらには免疫系などにも関与していることが示されている。

オリゴデンドロサイト

オリゴデンドロサイトはいくつかの短い突起を有する細胞で、これらの突起は中枢神経系に存在するニューロンの軸索に巻きついており、それにより軸索に髄鞘(ミエリン; Myelin)が形成されます。髄鞘の主な役割は、髄鞘のとぎれ目であるランヴィエの絞輪から次の絞輪への活動電位の伝導(跳躍伝導)を仲介することで、これによりニューロンの信号伝達速度が高まります。

上衣細胞

上衣細胞は脳室系(脳室と脊髄中心管)を覆っている細胞ですが、その機能はこれまでのところほとんど明らかになっていません。しかしながらこの細胞は協調的に運動する微絨毛を有していることから、脳脊髄液(CSF)の液流の方向性に関与すると考えられている。

ミクログリア

ミクログリアは中枢神経系において免疫を担当する細胞です。脳実質に多量に存在しており、成体における細胞数は、グリア細胞の総細胞数のおよそ 10–20 % とされています。

Categorised in: 神経眼科