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2021年6月29日

12962:複視と羞明を訴えた外傷性視神経交叉症候群の一例:小町祐子、石川弘、清澤源弘:神経眼科誌 自著論文紹介

清澤のコメント:数年前の外傷を契機に両耳側半盲を示していた症例で、神経眼科誌最新号に掲載された我々の論文です。両耳側半盲が発生した理由を考察し、複視の原因としてhemfield slide現象を唱えたものです。下垂体疾患での両耳側半盲を見るたびに留学先のサビーノ教授がヘミフィールドスライドが無いか?と言っておられたのを思い出します。ご笑覧ください。

A case of Traumatic Chiasmal Syndrome with Diplopia and Photophobia

要約: 我々は、複視と羞明を訴えた外傷性視神経交叉症候群(traumatic chiasmal syndrome: TCS)の一例を経験したので報告する。症例は40代男性、前頭部外傷による頭蓋底骨折にて両耳側半盲を発症した。4年後、運転時の複視と羞明を主訴に当院初診となった。視力は右(0.6)、左(1.2)。動的、静的視野ともに両耳側半盲を認めた。東備画像にて下垂体部の異常を認めず、両耳側半盲は全交通動脈細枝の痙縮による視交叉部の虚血が原因と推察された。眼球運動には著名な制限を認めず近見は謝意を保っていたことから、複視は両耳側半盲による融像不全に起因するhemifield slide現象と推定した。また、羞明は視交叉上核近傍の障害による羞明と考えられた。複視と羞明については融像訓練と遮光眼鏡の併用により、多少の改善がみられた。TCS(外傷性視交叉症候群)に複視を訴え、さらに羞明をきたした極めて稀な症例であった。(神眼38:179-183、2021) 受付2020年7月31日、採用2020年9月16日。

Categorised in: 神経眼科