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2021年1月7日

12555:副鼻腔炎と神経眼科:(武田鉄平、鴻信義先生)を読みました

清澤のコメント:神経眼科37巻4号「眼窩疾患と神経眼科」特集号に「副鼻腔炎と神経眼科」という総説が出ました。耳鼻科医のまとめたもので、眼科医にも参考になる一口知識がちりばめられています。 

別論文からOnodi cell を示した図を引用:清澤

  ---総説の要点----

要約:副鼻腔と眼窩は眼窩骨壁を隔てて隣接している。そのため副鼻腔の炎症や嚢胞性病変、腫瘍などが眼窩に波及し、眼球運動障害や視力障害など時に重篤な症状を呈する場合がある。画像診断上、眼窩へ明らかな浸潤傾向を示していない副鼻腔疾患でも視機能障害を呈する場合があるため、副鼻腔に陰影がある場合や、臨床上副鼻腔と関連が疑われる場合は、早急に耳鼻咽喉科医にコンサルトすることが望まれる。(神経眼科37:387-393,2020)

本文から要点の抜き書き:

Ⅰ、はじめに:

Ⅱ、副鼻腔の解剖:骨壁平均1.5mm。薄いところは30-100μm。最後部篩骨洞(Onodi cell)内には視神経管が隆起し、眼窩最先端部の視神経が隣接。眼動脈の枝である前篩骨動脈は眼窩内から紙様板を介して鼻骨内に入り、頭蓋底に沿って篩骨版より前頭蓋底へ入り、前硬膜動脈へと分枝する。その術中の損傷に注意せよ。

Ⅲ、眼窩に波及する副鼻腔疾患:感染に伴う副鼻腔炎症(アスペルギルス、ムコール:浸潤型真菌症)、嚢胞(鼻腔手術既往の患者では粘液嚢腫)、腫瘍(嗅神経芽細胞腫、鼻腔扁平上皮癌、悪性リンパ腫)、外傷(眼窩壁骨折、外傷性視神経症)。診断は副鼻腔CT、MRIを使う。耳鼻科へのコンサルテーションも行う。

1、眼窩骨膜下膿瘍:眼科蜂巣炎は眼瞼腫脹、眼球突出、視力障害を伴う急性化膿性炎症である。眼窩への侵入路には眼窩骨壁の欠損を介した副鼻腔炎からの経路と、副鼻腔から眼角静脈、上眼静脈、海綿静脈洞などを介する経路とがある。Chandlerの分類でステージ1から5を分ける。

2、蝶形骨洞内粘液瘤に伴う視神経症:外傷による視神経管損傷の他に、蝶形骨洞オノディーセル内の副鼻腔炎症の波及や粘液瘤による圧迫が視神経や眼球運動神経障害を起こす。動眼神経、滑車神経、外転神経は有髄有鞘神経線維で、軸索や髄鞘が変性しても再生する可能性がある。視神経は有髄無鞘神経線維で予後は不良。

Ⅳ、おわりに:早期に耳鼻科にコンサルトをせよ。

Categorised in: 神経眼科