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2020年12月20日

12515:パニック発作およびパニック症と視覚とは

パニック発作およびパニック症

富山県医師会

清澤のコメント:ネットフリックスでスーツのシーズン5-2を見ていたら、職場での事件をきっかけに複数回の嘔吐発作を起こすというパニック症の場面が出てきました。眼科受診患者の中にも、視野欠損や視力低下などその視覚症状がパニック発作に関連しているらしき人が居ます。そのような患者では、眼科的診察をしても一過性視覚障害の原因は見つからず、病歴などからもパニック障害の可能性が聴取できる場合が多いです。視力・視野検査や眼底検査を行ったうえで、画像診断などの必要に応じたさらなる検査をして対応を決めます。MSDマニュアルプロフェッショナル版を参考にして短縮したパニック発作およびパニック症の記述を採録してみます。

原典執筆者は: John H. Greist,です

パニック発作は,身体症状および/または認知的症状を伴う強い不快感,不安,または恐怖が,突然に,個別に,短時間発現する現象である。パニック症は,パニック発作が繰り返し発生し,典型的にはそれに付随して,将来の発作に対する恐怖,または発作を起こしやすいと考えられる状況を回避しようとする行動の変化が生じる。診断は臨床的に行う。個々のパニック発作は治療を要さないこともある。パニック症は薬物療法,精神療法,またはその両方により治療する。

パニック発作はよくみられ,1年間で人口の11%もの人々に発生する。大半の患者は無治療で回復し,少数がパニック症を発症する。パニック症はまれであり,12カ月間で人口の2~3%に発生する。通常,パニック症は青年期後期または成人期早期に始まり,女性の方が男性より約2倍多く罹患する。

症状と徴候

パニック発作では, パニック発作の症状に挙げられた13症状のうち4つ以上の症状を伴って,強い恐怖または不快感が突然出現する。通常,症状は10分以内にピークに達し,その後数分以内に消失し,医師にもほとんど観察できないほどになる。パニック発作は(ときに極めて)不快であるが,医学的に危険ではない。

認知的症状
死の恐怖正気や自制心を失うことへの恐怖非現実感,違和感(現実感消失),または自分自身から離脱した感覚(離人感)
身体症状
胸痛または胸部不快感。めまい。不安定感またはふらつき。窒息感。紅潮または悪寒。悪心または腹部不快感。しびれまたはチクチク感。動悸または心拍数増加。息切れ感または息苦しさ。発汗振戦または震え

パニック発作はあらゆる不安症で生じうるが,通常はその疾患の中核となる特徴に結びついた状況において起こる。このようなパニック発作は,予期されるパニック発作と呼ばれる。

大半のパニック症患者は,次の発作を予期して心配し(予期不安),以前パニックを起こした場所や状況を回避する。パニック症患者はしばしば,危険な心疾患,肺疾患,脳疾患などに罹患していると心配し,助けを求めてかかりつけ医や病院の救急外来を繰り返し受診する。パニック症を有する患者の多くは,うつ病の症状も示す。

診断

  • 臨床基準:パニック症は,不安に類似しうる身体疾患を除外した上で,症状がDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition(DSM-5)の診断基準を満たした場合に診断される。患者は,パニック発作を反復しており,そのうち1回以上の発作後に,以下の片方または両方が1カ月以上続いていなければならない:
  • さらなるパニック発作を起こすことに関する持続的な心配,またはその結果に関する心配
  • パニック発作に対する不適応な行動的反応

治療

  • しばしば抗うつ薬,ベンゾジアゼピン系薬剤,またはその両方
  • しばしば薬物以外の対策(例,曝露療法,認知行動療法)

患者によっては無治療で回復する場合もある。それ以外の人では,特に無治療の場合,パニック症は慢性的に増悪と軽快を繰り返す。通常は治療が症状のコントロールに有用であることを患者に伝える。回避行動が生じていない場合は,励まし,不安に関する教育,およびパニック発作が起きた場所へ戻り,そこにとどまり続けるよう勇気づけるだけで十分なこともある。頻回の発作および回避行動を含む長期の障害がある場合,薬物療法とより集中的な精神療法の併用が必要となる可能性が高い。

薬物

多くの薬剤により,予期不安と恐怖症による回避行動の予防または大幅な低減,ならびにパニック発作の回数および強度の大幅な低減が可能である:

抗うつ薬ベンゾジアゼピン系薬剤抗うつ薬とベンゾジアゼピン系薬剤の併用:薬剤を中止するとパニック発作はしばしば再発する。

精神療法

様々な形態の精神療法が効果的である。

曝露療法は,患者を恐怖の対象に対峙させる方法であり,恐怖自体や恐怖心による回避に起因する合併症を軽減するのに有用である。認知行動療法では,極端な捉え方および誤った信念を認識してコントロールするとともに,行動を修正してより適応できるように患者を指導する。

Categorised in: 神経眼科