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2020年11月18日

12440:滑車神経麻痺⇒上斜筋ミオキミア?

清澤のコメント:全国紙に載せていただいたのは実に喜ばしいのですが、「私の出した結論」すべてが、ネット記事の有料部分に隠れてしまったのは残念でした。それと知っていれば、「今は、滑車神経麻痺より上斜筋ミオキミアに変化したものでしょうか?」と結論から述べるところでした。(この記事の末尾を参照ください)

きょうのセカンドオピニオン

物が二重に見える=答える人・清澤源弘院長(清澤眼科医院・眼科)

会員限定有料記事 毎日新聞2020年11月18日 東京朝刊

清澤源弘院長 清澤眼科医院=林奈緒美撮影

 Q 物が二重に見える

 左右にある物を目で追うと二重に見えるようになり、7年前に滑車神経まひと診断されました。今は正面の物も時々ゆらゆらします。(兵庫県、女性、77歳)

 目を下と内側に動かす左右の筋肉「上斜筋」の神経が、まひして動かなくなることを滑車神経まひと呼びます。頭部打撲などでなりやすく、3カ月程で自然に治る場合が多いですが、症状が残ることもあります。

 生まれつき片側か両側の滑車神経が弱い先天性滑車神経まひのケースもあります。若い時は上斜筋を使わない方向に首を傾けたり、目に力を入れたりしてたえることができていても、50歳を過ぎるころずれた左右眼の視線を合わせる力が弱くなり、物が二重に見えると診察に来る患者さんもいます。(ネットでは以下は有料記事参照とのことです。)

ーーーさて清澤のお答えが下書きではこうなっていました:ーーーー

片眼の眼球を内下側に引くのが上斜筋で、左右の眼にあります。この筋の麻痺が上斜筋麻痺であり、それを起こす麻痺した神経の名前が滑車神経です。7年前に診断されたのが滑車神経麻痺という事ですね。この神経の麻痺は軽い頭部打撲などで起きやすく、多くは3か月くらいで自然軽快しますが、症状が残ることもあります。また、先天的に片側または両側の滑車神経が弱い先天性滑車神経麻痺というものもしばしばあります。

若いうちは上斜筋を使わない方向に首を傾けたり、目に力を入れて頑張ったりして両眼視を保っていた患者さんが50歳過ぎになって融像力の減退で左右眼の視線を合わせられなくなって複視を訴え始めて来院することもあります。上斜筋麻痺では先に紹介した左右眼の像の上下と左右のずれのほかに回旋と呼ばれる傾きのずれも生じます。

これは上下ずれを補正するプリズム眼鏡では補正できにくい物ですから、どうしてもという場合には斜筋の縫い縮めの手術を検討する場合もあります。

さて、質問の患者さんでは正面を見ていてもゆらゆらと揺れて見えるという事ですので、むしろ現在は滑車神経麻痺(上斜筋の麻痺)から、上斜筋ミオキミアと呼ばれる上斜筋の軽いけいれん(滑車神経の不随意的な異常興奮)に変ったことが考えられます。もし其れであれば、(β遮断薬と呼ばれる)点眼薬を使ったり、内服薬を使う治療法も考慮されます。上斜筋ミオキミアでは片眼で見える画像がゆっくりと10度程度まで傾いてゆき、そのあとゆらゆらと揺れてゆっくり元に戻るという症状が日に数回出ることが多いです。滑車神経麻痺の多くが上斜筋ミオキミアに変化するわけではありませんが、上斜筋ミオキミアの可能性も考えて、治療を神経眼科の得意な眼科医にご相談いただくのがよいでしょう。

(グーグル検索で「清澤眼科医院x上斜筋ミオキミア」を見ていただくと清澤眼科医院通信に他の医師がアップした上斜筋ミオキミアの動画が張ってあります)

 

Categorised in: 神経眼科