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2020年9月17日

12269:「目の疾患、これまでの常識と新常識」:友の会会報28号自著記事紹介

この記事は:清澤源弘「目の疾患、これまでの常識と新常識」眼瞼・顔面けいれん友の会会報 第28号7-11、2020の採録です。今回はコロナ流行で総会が中止になりましたので、その予定原稿を記事にしました。眼瞼痙攣から離れた話です。少し長くて読みにくいかと思いますが、よかったらお目通しください。後半部分は割愛しました。

入会ご希望の方は:下記にご連絡ください。入会(年間2000円です)いただくと、会報などの資料が友の会から送られます。団体名:眼瞼・顔面けいれん友の会 入会申し込み用メールアドレス:nyukai@gankenganmen.jp

会本部のアドレスは;メールアドレス:tomonokai@gankenganmen.jp

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最近、これまで常識とされてきていた眼疾患の概念や治療方法が変化してきています。今回は、これまでの常識に触れながら、新しく常識として塗り替わってきているものについて、書いていきたいと思います。

そもそも、眼の疾患というのは加齢にともなって増えていきます。ですから、社会の高齢化にともない眼疾患を患う人も増えてきています。どのような眼疾患が起こるのか、ご存知でしょうか。

まず、日本眼科医会が主導で行った40~74歳を対象とする特定健診受診者1360人の精密検査結果をお示しします。罹患率の高い順に

  • ‐①緑内障、 -②前視野緑内障
  • 白内障(視機能に影響するもの)
  • 加齢黄斑変性
  • 糖尿病網膜症

となっています。

これらについて、順に解説していきたいと思います。

1) 緑内障、前視野緑内障

緑内障、および前視野緑内障の罹患率は、それぞれ緑内障12.9%、前視野緑内障2.4%でした。

緑内障は従来、眼圧と呼ばれる眼内の水圧が正常範囲の21ミリメートル水銀柱を超えて高くなることにより視神経の循環が悪化してしまい、視神経線維の脱落を起こして視野欠損に至る疾患とされて来ました。 さらに古い時代では「青そこひ」といわれ、「緑内障=失明」という概念もありました。特にご高齢の方々には、未だそういったイメージをお持ちの方もおいでかもしれません。しかし、現在、緑内障に関する常識は変化してきているのです。それでもなお、緑内障は我が国の失明原因の第1位です。40歳以上の日本人では10%(10人に1人)が緑内障に罹患しており、その有病率は年齢とともに増加します。しかし、今回の健診以前から緑内障と診断されていた人は、この健診で緑内障として検出されたうちの21%に過ぎませんでした。つまり、緑内障を発症していたにも関わらず、それと気づかずにいた人が8割もいたということになります。

次に、前視野緑内障の話です。前視野緑内障とは、眼底検査や光干渉断層計(OCT)といった視神経の形状や網膜の厚みを調べる検査で緑内障を示唆する所見がみられるにもかかわらず、通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態のことです。OCTとは近赤外光を利用して、網膜の断層像を撮影する装置です。前視野緑内障の視神経乳頭部OCTと視野の結果を対比すると、視神経乳頭から網膜にむかって出る視神経線維層の厚さの変化は、視野検査による視野欠損の検出に先立って起きていることが分かっています。つまり、緑内障診断の新常識は、「OCTでの神経線維層や黄斑部の菲薄化が視野欠損に先行する」、ということであり、視野欠損が顕在化する前の状態、「前視野緑内障」の重要性が分かってきたのです。ある研究者によれば、全緑内障患者のうち、片眼にある視神経の神経線維100万本中、約半数の50万本程度までの軽い減少がみられる前視野緑内障が半数、ほとんど自覚症状のない初期緑内障が6分の1、視野欠損に気が付く中期緑内障も6分の1、そして、かなり生活の不自由を伴う広範囲の視野欠損や視力障害を来す末期緑内障が、これまた6分の1程度を占めているとされています。

では、なぜ、緑内障患者は自分の視野欠損に気づかないのでしょうか。そこには3つの原因があります。①病態の進行が緩やかであること、②両眼の視野が重なって欠損部位を補いあっていること、そして、③脳の賢過ぎる働き、つまり充填と呼ばれる視覚的補完作用がある事が挙げられます。それぞれ詳しく解説します。

 もし、突然見えなくなったりすると、急激な変化で我々はすぐに異変に気付くことができます。しかし、緑内障は比較的ゆっくりと、そして主に周辺部の視野から異常が出始めます。ひところよくテレビなどで、徐々に変わっていく画面の変化に気付けるか?という脳のトレーニングのような画像を見たことのある方もおられるかと思います。変化した前後を切り替えて見せられると、すぐにその変化に気付けるのに、じっと見つめていても、どこが変わったのかさっぱりわからない、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。特に見つめているところから遠くで変化したことにはなかなか気づけないものです。私たちの脳は、ゆっくりと変化していくものに対する検出力は、あまり高くないのです。特に年齢が上がると難しくなっていきます。ですから、緑内障を起こす40代以降の年齢で、徐々に変化する視野異常に気付くのは、なかなか難しいことなのです。

さらに、緑内障の視野欠損は、主に鼻側の外側からかけてくるという特徴があります。鼻側の視野は右目と左目の視野が重なり合うところなので、仮にどちらか片方の視野が欠け始めたとしても他方の視野が見えていると、その部分の視野自体は見えていることになり、欠損に気付くことができません。

これに加え、脳の賢すぎる働きである「視覚的補完作用」が働くことによって、見えていないはずの視野があたかも存在しているようにすら感じとってしまっているのです。これは緑内障に限ったことではありませんが、欠損している視野の周辺に残存している視野が広く残っている場合、その残存視野内に映っている情報で欠損している部分の情報を埋めてしまい、まるで欠損していないと感じさせてしまうという働きがあるのです。もし、よく視野欠損の図、としてみかけるように欠損している部分が暗く、黒く見えてくるなら異常に気付くことができると思いますが、実際には全くそうではないところが、視野欠損の早期の自覚をとても難しくしています。

このように、我々は自分の視野に異常が出ていることを気づきにくい状況にあります。ですので、自分で視野異常を自覚するようになった頃には、ここまで述べてきたような作用ではカバーしきれないほどに異常が進行している状態になってしまっている、ということなのです。視野の異常を自覚できないことは疾患の異常に気付きづらく、知らないうちに病気が進行してしまう、ということなのです。加えて、例えば運転している時に、子どもが側方から飛び出してくるのが見えずに交通事故をおこしてしまう、あるいは信号を見落としてしまい、信号無視をして事故につながる、などといった不幸なことも起こしうる、ということなのです。これらを踏まえ、自動車運転へのコンセンサスも変化しました。従来は視力0.7以上で150度の視野があれば更新可能でした。しかし、現在の新しい常識として、①側方視野が欠けていれば横からの飛び出しが見えない、②上方の視野が欠けていれば、信号の見落としが起きる、ということを十分に認識しなければならない、ということです。緑内障と診断された方が運転を継続しようとするときは、視力の観点からだけでなく、気づかずに視野が欠損していく病気を抱えていることを十分に認識しておく必要がある、ということです。

次に、緑内障の治療、その目的と方法を説明しましょう。

緑内障治療の目的は、現在でも眼圧を下げることによって緑内障の悪化を防ぐことにあります。その治療の方法には、①点眼薬を使った物療法、②前房隅角部に対するレーザー療法、そして③手術療法があります。この中の点眼薬治療について少し書き進めてみようと思います。

点眼薬は従来、ひとつの薬効成分のみによって作られる単剤を多種処方(多剤併用療法)して眼圧下降を目指していました。先日、「海外在住なのですが、人からもらった緑内障点眼薬を使ってはダメですか?」という質問をいただきました。緑内障薬、とひとくちに言っても、実にさまざまな薬効成分の薬が存在します。眼圧下降作用には複数の機序があって、それぞれに合わせた単剤が作られてきたわけです。もちろん、できるだけ少ない点眼薬で眼圧下降作用が得られ、進行が抑制されればそれに越したことはないのですが、うまくいかない場合もあります。そこで、さまざまな作用機序の単剤を複数組み合わせて処方することによって、眼圧下降を目指してきたわけです。つまり、患者さんによって点眼薬の効果の出方はさまざまであり、それぞれの患者さん合わせて複雑な組み合わせが決められているということです。ですから、最初の質問に対する答えはもちろん「No」です。

しかし、患者の立場からすると、多数の点眼薬をし続けることは大変な労力です。なんとか点眼薬を整理することはできないのでしょうか?

そこで現れるのが「点眼アドヒアランス」という言葉です。アドヒアランスとは、患者さんが治療方針の決定に参加し、その決定にしたがって治療を受けることです。点眼アドヒアランスは点眼の必要性を理解し、点眼を毎日規則正しく行うこと、日本語に直すと点眼習慣=処方された薬を正しくつけているか、ということです。薬の種類が増すほど正しい点眼を継続することが難くなります。多剤併用療法における点眼アドヒアランスでは、例えば2種類の点眼薬を、間を置かずに続けて点眼すると、2剤目の点眼薬が最初の点眼液を洗い流してしまい効果が得られなくなるため、2剤目の点眼は最初の点眼から5分以上空けて点眼しなくてはならない、と指導されるのです。また、点眼液によっては順序を指定されることもあります。こうした煩雑な点眼手続きの結果、緑内障の多剤併用療法では点眼アドヒアランスが不良となる傾向がみられるのです。

そこで提案されるのが複数の点眼薬を混合した配合点眼液です。点眼回数が減り利便性が向上する。そして、点眼アドヒアランスが向上し、眼圧コントロールが確実性を増す、というわけです。長寿社会となった今、緑内障罹患率は増えています。生涯にわたって視機能を維持していくためには良好な点眼アドヒアランスを得る必要があり、近年、各製薬会社とも配合点眼薬の開発にしのぎを削っています。すでに各製薬会社が販売している各種のものが出ていますが、現在も複数の治験が実施され、より良好な点眼アドヒアランスが保たれるよう、新薬の開発が進められているのです。

  • 視機能に影響する白内障

次に、白内障についてのお話です。白内障は、おもに加齢にともなって目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁ってくる病気です。早ければ40歳くらいから始まって、80歳になれば、ほとんどの人が白内障になっているといわれています。基本的には徐々に濁りが進行していきますが、濁りが軽度であるうちは、さほど問題にはなりません。濁りが進行してくると、ぼやけて見える、夜にライトの光が散乱して見にくい、視野に薄い霧がかかったような感じ、などといった、日常生活上の見えづらさを感じるようになります。このような視機能に影響している白内障は、調査対象の4.1%に見られました。

白内障はこれまで、視力が下がったら手術すれば良い、という様なものでした。しかし、現在では、以下のような見解が新しい常識として考えられています。まず、白内障が軽度の段階でも定期診察が必要です。多少の見えづらさを年齢によるものと解釈して放置してしまい、視力が下がってから受診したら白内障ではなく加齢黄斑変性症や緑内障など他の病気が原因で、手遅れだった、というケースもあるからです。また、白内障は最終的に手術療法になりますが、かかりつけ医が手術をおこなっていない場合、私は患者さんが掛りつけ医から手術する医師個人を紹介してもらうのが良いと思っています。術者の手腕は誰でも同じレベルという訳ではなく、また、施設によって患者さんへの対応に特徴があるからです。家の近くがよいのか、日帰りがよいのか、技術の高い医師の手術を受けたいのか、など、患者さんそれぞれの希望に沿って紹介してもらうのがよいと思います。なお、手術後の診療は紹介元の開業医で対応するもの、と開業医と病院の医師の間では互いに認識されています。

白内障手術の新しい潮流として、多焦点レンズや乱視の入った眼内レンズについても知っておくとよいでしょう。一般に白内障手術時に移植する眼内レンズは単焦点のレンズです。術前に患者さんと医師が相談し、どのくらいの距離に合わせた度数にするのかを決めておきます。術後は遠くか近くのどちらかに焦点を合わせていることが多く、見えにくい距離に対しては眼鏡装用を要します。手術をしても眼鏡は必要ですが、焦点の合っているところはクリアに見えるようになります。一方、「多焦点眼内レンズ」とは、近方と遠方の2つの距離にピントが合うようにできている特殊なレンズで、術後のメガネがほとんど不要とされます。しかし、遠方も近方ともに見えるようにしていることで、いずれの距離もわずかにぼやけて見える状態になってしまい、クリアさには欠けることが留意点です。また、選択療養の扱いとなるのでレンズ代は保険適用外で、レンズ代金が自己負担になります。

さて、白内障手術の目的は視力改善ばかりではありません。原発閉塞隅角緑内障の解除もその目的になります。白内障が進行すると、水晶体が混濁することによって膨隆することがあります。水晶体が膨隆すると、目の中を栄養するために流れている房水の排出口である隅角を押し上げて、狭くしてしまいます。隅角がもともと狭い「狭隅角」のひとの場合、これによって隅角がブロック(瞳孔ブロック)されてしまい、眼圧が急激に上昇して急性緑内障発作をおこしてしまうことがあります。これは治療が遅れると短時間で失明に至る恐れがある状態です。そのため、これまでは、白内障の始まる年齢で狭隅角の患者さんを診たら、レーザー虹彩切開を施していました。もちろん、現在でもそのような対応をすることがあるのですが、より良い結果を得られる方法として、例え視力低下を来していない程度の白内障の場合でも積極的に手術を勧め、水晶体の膨化による瞳孔ブロックを未然に防ごうという方向へ移行してきているのです。白内障になりかけて厚くなった水晶体を取り除くと、前房が深くなって閉塞隅角緑内障が解除されるのです。

  • 加齢黄斑変性

片目でみたときに、「見ようと思うところが歪む、みえない!」というのが加齢黄斑変性の症状です。まず、加齢黄斑変性の解説とその治療についてのお話です。

この疾患は、食生活の欧米化や喫煙、目が太陽やパソコンの光線にさらされる機会の増加など、ここ30年ほど前から日本でも増加してきた疾患です。酸化ストレスが目に蓄積され、眼底網膜の黄斑部に新生血管が出来、そこからの出血と瘢痕化で失明するという疾患で、以前は治療法がありませんでした。さまざまな治療法が開発されてきましたが、現在の最新治療として「抗VEGF薬」の眼内(硝子体内)注射が一般的になりました。しかし、1回20万円と薬が高価である上、視力が安定するまでは毎月連続しての注射を要するため、途中で治療を断念する患者さんも多いのが現状です。総額の決まっている眼科医療費が海外の製薬会社に奪われているという側面もあるようです。

4)糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は人口の1.0%が持っています。糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの作用が不足して慢性的に血糖値が高くなる疾患で、自覚症状のないまま進行します。糖尿病で亡くなる方は全世界において10秒に1人とされ、非常に重大な病気です。

一口に糖尿病といっても、以下のとおり、いろいろな種類があります。特に多いのが2型糖尿病です。インスリンの出方が低下する場合と、インスリンの効きが悪くなる場合とがあります。糖尿病には重要な合併症として「糖尿病腎症」、「糖尿病神経障害」、そして「糖尿病眼症(網膜症)」があります。

糖尿病による目の合併症には複数のものが挙げられます。①ピントが合いづらくなる屈折・調節系の異常、②見たいところが見えない糖尿病網膜症と黄斑症、③眼圧上昇から視野障害へと進む新生血管緑内障、④目を動かす筋肉と神経の異常でものが二つに見える複視という症状をきたす外眼筋麻痺、⑤水晶体の白濁で視力が下がる糖尿病性白内障、⑥目の表面の角膜が曇る角膜障害、そして⑦眼球内のぶどう膜に炎症が起きる虹彩網様体炎などの存在が知られています。三大合併症として最も知られているのは「糖尿病網膜症」ですが、血糖値の上昇によって網膜症以外にもさまざまな眼症状を来す、ということです。一時的な変化と慢性的な変化があり、その両方に気を付ける必要があります。①の屈折値変化は急激な血糖値の上昇によって起こることが多く、血糖値が落ち着けば、その症状は治まります。しかし、慢性的な高血糖による変化は5年から10年かけて、自覚症状なしにひそかに進行し、糖尿病性網膜症や、その他の症状を起こしてきます。そして自覚症状が出る頃には、回復不能な段階に至っている可能性がありますので特に注意する必要があります。

糖尿病網膜症についてもう少し詳しく書いていきましょう。糖尿病網膜症では眼の網膜全体の血管が糖尿病による高血糖に長期間さらされることで壊れ、最終的に失明する可能性のある病気です。早い段階では見え方に異常がないことが多いのですが、糖尿病黄斑浮腫と呼ばれる網膜のむくみを合併すると視力障害が起こります。糖尿病網膜症の治療は糖尿病網膜症の進行度合いにより病期が分けられており、その段階により治療法が決定されます。まず、「単純網膜症」は網膜上に血管増殖がなく、血糖コントロールだけで完治させることができます。次の「増殖前網膜症」では軟性白斑や網膜出血が増えてきて、治療にはレーザー光凝固法が用いられます。その目的は網膜症の進行を止めることです。そして、さらに進行して「増殖網膜症」になると、壊れた血管の周りに脆い新生血管が増殖し、やがて硝子体出血を起こします。この時期に達した糖尿病網膜症には硝子体切除術が行われますが、かなり重篤な状態に至っているため回復は困難であり、残存している視機能を維持することが目的となります。しかしながら増殖の勢いが強くなるため、治療の甲斐なく失明に至る患者さんもいます。ですから、糖尿病網膜症の治療では、増殖性網膜症になる前にこの疾患を見つけることが大切になるのです。

最近利用が始まった、測定器をかざすと血糖値を測れる装置を紹介いたします。フリースタイルリブレ®(アボット社)というのがその機器です。読み取り機を腕に貼り付けたボタンにかざすだけで、「ピッ」という音とともに非接触にて血糖が測定できます。指に針を刺して実際の血液で測定する必要なく、非侵襲で経時的に血糖値を測定することができる上、現在と過去の数値で示される血糖値(数値)の変化を視覚的に知ることができます。これにより、患者さんの間食が減り、高血糖や低血糖も減ることが期待できます。このセンサーの寿命は2週間で、測定した値を15分毎に自動的に記録していきます。現在、インスリン使用患者では、保険適応されています。ただ、診療所基準なども厳しいため、現状として、軽症者にとっては少し使いにくいかもしれません。

今回は、特定健診の結果をもとに、加齢とともに発症しやすい眼疾患について書き進めてきました。以下にまとめてみたいと思います。

1) 緑内障は視野と眼圧に注目して検査や治療がおこなわれてきましたが、現在はOCTを使った診断が重要で、配合点眼治療薬が発達してきています。視野欠損には気づきにくいので、運転にも注意が必要です。

2) 白内障手術は急ぐものではありませんが、定期検診が必要です。進行するとレンズが膨化し瞳孔ブロックを起こすリスクが高まりますので、隅角が狭い時には手術が勧められます。また、眼内レンズには、多焦点のものもあります。

3) 加齢黄斑変性や黄斑浮腫には抗VEGF抗体が使われるようになっています。

4) 糖尿病網膜症は病期別に治療が実施されます。採血しない血糖測定装置出ており、自己管理がしやすくなってきています。

以上、ここにまとめたことは、現在の眼科治療ではすでに常識として塗り替えられているものです。長寿社会はすばらしいことですが、少しでも良好な視機能を維持し、生涯にわたってより充実した生活を送れるよう、定期受診をし、疾患が見つかった場合には適切な時期に適切な治療が受けられるよう心掛けたいものです。

本原稿の作成にあたり、協力していただいた視能訓練士 小町祐子さんに感謝いたします。

Categorised in: 神経眼科