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2020年8月12日

12169:自験例を踏まえた最近の眼科領域の(ボトックス治療)トピックス(後関利明先生)の抄録を拝読しました。

本日受け取った抄録からその講演内容を抄出し、眼瞼・片側顔面痙攣患者友の会の顧問でもあり特に興味を惹かれる演題なので、清澤の感ずるところを加筆してみました。第7回日本ボツリヌス治療学会学術大会が開かれます(2020年9月18日シェーンバッハ・サボー)9月18日(金曜日)14:30-では教育講演2で「自験例を踏まえた最近の眼科領域の(ボトックス治療)トピックス」を後関利明先生(国際医療福祉大学熱海病院眼科)が話されます。

――抄録と清澤の勝手なコメント―――

国内外を問わず多くの臨床報告から眼瞼痙攣治療の第一選択は、ボツリヌス毒素療法(BTX)である。BTXの効果は個人差が大きいので、演者は初回投与の際は反応を確認するため少ない量から投与するようにしている。投与後約1か月(★1)で診察をして効果判定、副作用の有無を確認し、次回の投与量・投与部位・投与日を患者と相談の上、決定するカスタムメイド治療(★2)を行っている。症状に応じて趨眉筋、鼻根筋、鼻筋への追加投与も検討する(★3)。しかしBTXのみで症状が完全に収まることは少なく60-70%の改善が目標であり、さらに効果無効例が10%程度、副作用を来す例が10%程度存在する。BTXでは限界があることは事実であり、このことを治療前に患者にも知ってもらい、過度の期待をさせないことも重要である(★4)。さらに医師患者関係の構築にはBTX時の疼痛緩和への配慮も必要である。疼痛緩和には投与前冷却、ペンレステープ、エムラクリーム、32G針などが存在する(★5)。また、効果が不十分な症例にはクラッチ眼鏡など補助的治療が有効である。――

★1)清澤は初回投与の患者さんには1週間での来院を求めています。効果の確認と皮下出血など軽微だが不快な症状とその対策としての温罨法などを説明するのを目的としています。初回を少なめに打つのに反対ではないですが、初回に効かなかったからBTX以外で治療を考えてくれと言って来る患者さんも少なくはありません。

★2:治療をカスタマイズする必要性は重要だと思います。カスタムメイド治療という言葉にも好感が持てます。規約で8週間の間隔(以前は2か月だった)を開けねばならないので、投与日に、次はいつ以降に施注可能なのかを明確に指導しなくてはならないでしょう。私は、時期が来て施注希望なら、予約電話を来院の直前に入れることをお勧めしています。

★3:鼻根筋⑬は両目の間から上に伸びる筋、皺鼻筋⑫はそこから外上に走り眉を顰める表情を作ります。鼻筋⑭は鼻横の斜面にある筋です。今回私清澤は眼輪筋③以外の各筋の位置を確認しました。

★4:眼瞼痙攣や片側顔面痙攣に対して効果が出ても一時的なものであることは事実だが、私は「また戻ってしまうなら受けない」といわせてしまうよりは、今までの点眼や内服の薬剤療法で症状が全く変わらないのに対するケースに対して、BTX治療を試して治療のブレークスルーを作ってみませんか?という話し方をします。

★5:アイスノンでの冷却は比較的容易で短時間ですし、お金をかかりません。ペンレステープとエムラクリームの難点は時間がかかることです。テープとクリーム代は診療施設の持ち出しとなります。最近になって硝子体注射に用いる32G針を通常の30G針と使い比べています。痛みが少なくて良いという声はあまり聞かれず、注射時のシリンジを押すときの抵抗力は32G針の方が強い印象です。

Categorised in: 神経眼科