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2020年8月8日

12159:視覚障害の身体障害者認定について

今回は眼科における身体障害者認定に関して説明してみましょう。

1)視覚障害にかかわる身体障害者指定の概要や利点は。(参考ページ:身体障害者手帳とは?症状による等級や受けられるサービス、申請方法)https://snabi.jp/article/211

身体障害とは、四肢に不自由があったり、視覚や聴覚に制限があったりするなど、身体機能に何らかの障害がある状態のことです。身体障害者福祉法は、身体障害者を「身体上の障害がある18歳以上の人で、身体障害者手帳の交付を受けた人」と定義しています。身体障害は、身体障害者福祉法などの法令に基づき、主な症状によって以下の5種類に分類されています。①視覚障害は、視力や視野など、ものを見る働きである「視機能」が十分でないために、全く見えなかったり、見えにくかったりする状態のことです。このほかに②聴覚または平衡機能の障害、③音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害、④肢体不自由、そして⑤内部障害(内臓機能障害など)があります。

身体障害のある人が受けられる支援の代表的なものが、身体障害者手帳によるサービスです。身体障害者手帳を取得すると、以下のような福祉サービスを受けることができます。 ①障害者雇用枠への応募、②補装具の交付や修理にかかる費用の助成、③盲人用体温計や点字器などの日常生活用具の給付や貸与、④所得税・住民税の割引(障害者控除)、⑤医療費の割引・助成、⑥公共料金や公共交通機関運賃の割引などが挙げられます。

その申請には、居住地の自治体の障害福祉窓口で「交付申請書」と「身体障害者診断書・意見書」を受け取ります。次が、身体障害者診断書・意見書の作成です。身体障害者診断書・意見書に医師の診断内容を記入してもらいます。身体障害者診断書・意見書は、身体障害者福祉法の指定を受けている「指定医」が作成します。主治医が指定医でない場合は、主治医から指定医の紹介を受けましょう。

それができたら、自治体の障害福祉窓口に申請書類を提出することになります。交付申請書、指定医により記入済みの身体障害者診断書・意見書、証明写真が必要です。審査ののち等級が決まります。申請から交付に必要な期間は自治体により異なりますが、1~2か月である場合が多いようです。

次に内容をやや詳しく説明します。視力視野の低下は「永続する」物が身体障害者認定の対象です。ということは、原則としてその障害が将来とも回復する可能性が極めて少ない必要があります。ですから手術すれば視力が相当程度に回復する可能性の高い通常の老人性白内障などは視力が低くても該当とはしません。また、認定基準は主として18歳以上を想定しているので、乳幼児では概ね3歳以降に認定を行います。診断書には改善する場合と悪化する場合を考えて、再認定の要否を書き込む欄もあります。

総括的に近視や乱視などの屈折異常がある場合には、その目に対して最も適切なレンズで矯正した視力で判断します。視野はゴールドマン視野または自動視野計で測ります。身体障害者認定の区分である視覚障害については、視力障害と視野障害の2つの分野があります。その両方が重複して存在する場合には、重複障害認定の原則というものがあり、それに基づいた認定がなされます。

なお平成30年7月に身体障害認定の一部が改正されました。視力障害がそれまでは両眼視力の和を基準にしていたものが、良い方の眼の視力で認定されるようになりました。視野障害の認定基準も、従来はゴールドマン視野計によるとされていたものが、日本では広く普及している自動視野計でも認定できるようになり、認定基準が明確化されました。殊に2級から4級の視野判定基準は、視野の角度、視認点数を用いてより明確な基準で認定できるようになりました。

 配布されている疑義の中には視力、視野ともに認定基準には該当しないが、両眼瞼下垂のため開瞼が困難で、実効的視力が確保できない場合の取り扱いなども答えられています。この場合には残念ですが視覚障害としての認定は行わないとされています。ですから、眼瞼痙攣で目を明いていることができないというケースも身体障害には該当しないと考えられます。

Categorised in: 神経眼科