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2020年5月6日

11856:眼底写真からうっ血乳頭を検出するためのAI

清澤のコメント:日本でもいくつかの眼底写真読影の試みが報じられていますが、最新のデータが発表されました。うっ血乳頭のように見える眼底が本当にうっ血乳頭かどうかを判断するのは神経眼科医にとっても容易ではなく、優れたAIさえあればというわけではありません。脳画像や脳脊髄圧その他の頭痛などの症状などの情報も合わせて診断をします。主な参加者はシンガポールからの人々で、知っている著者にはボルチモアのニール・ミラー先生、ディユーク大のナンシー・ニューマン先生なども入っています。

眼底写真からうっ血乳頭を検出するための人工知能
Artificial Intelligence to Detect Papilledema from Ocular Fundus Photographs  April 30, 2020
N Engl J Med 2020; 382:1687-1695
DOI: 10.1056/NEJMoa1917130

D. Milea and Others

眼科以外の医師は,直像検眼鏡による眼底検査を自信をもって行うことができない.眼底写真からうっ血乳頭やその他の視神経乳頭異常を検出するための人工知能(AI)の利用については,十分な研究が行われていない.

複数の民族集団の出身者で散瞳下に種々のデジタルカメラで撮影された眼底写真を後ろ向きに収集し,15,846 枚を用いて視神経乳頭が正常であるか,うっ血乳頭またはその他の異常があるかに分類する目的で深層学習システムを訓練・検証し,外部テストを行った.11 ヵ国 19 施設で得た 14,341 枚を訓練と検証に用い,別の 5 施設で得た 1,505 枚を外部テストに用いた.受信者動作特性曲線下面積(AUC),感度,特異度を算出して乳頭形態の分類能力を評価し,神経眼科医による臨床診断を参照基準として比較した.

訓練・検証データセットには患者 6,779 例の写真 14,341 枚が含まれた.内訳は正常乳頭の写真 9,156 枚,うっ血乳頭の写真 2,148 枚,その他の異常乳頭の写真 3,037 枚であった.正常乳頭に分類される割合は施設によって 9.8~100%,うっ血乳頭に分類される割合は施設によって 0~59.5%の幅があった.検証データセットでは,うっ血乳頭と正常乳頭・うっ血乳頭以外の異常乳頭との識別について AUC 0.99(95%信頼区間 [CI] 0.98~0.99)であり,正常乳頭と異常乳頭との識別について AUC 0.99(95% CI 0.99~0.99)であった.1,505 枚の写真から成る外部テストデータセットでは,うっ血乳頭の検出について AUC 0.96(95% CI 0.95~0.97),感度 96.4%(95% CI 93.9~98.3),特異度 84.7%(95% CI 82.3~87.1)であった.

散瞳下で撮影された眼底写真を使用する深層学習システムは,うっ血乳頭,正常乳頭,うっ血乳頭以外の異常乳頭を識別した.(シンガポール国立医療研究協議会,シングヘルス社およびデューク大学・シンガポール国立大学 [Duke–NUS] 医学部による眼科・視覚科学学術臨床プログラムから研究助成を受けた.)

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