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2020年4月15日

11769:パリノー症候群とコリアーズ兆候:QAから再録

Q:こんにちは。 7歳の息子の事について相談させてください。 昨年の9月に息子は松果体部へ脳腫瘍とそれに伴った脳梗塞を患ってしまい 原因となっていた脳腫瘍の摘出手術を行いました。 術後、脳腫瘍の方は寛解状態となりましたが、眼について後遺症が残ってしまいました。 ·左目が斜視 ·下方に目が動かせない(上方は可能) ·自分の意志とは関係なく白目(後進眼振?)になる ·対光反射が緩慢 ·目が病気の前に比べてギョロっとしている 以上が後遺症の症状です。症状からみてパリノー症候群の症状と当てはまるものが多いと感じましたが パリノー症候群なのでしょうか?またパリノー症候群であれば治療は可能なのでしょうか? お忙しい中申し訳ありませんが回答お願い致します。

A:お問い合わせありがとうございます。パリノ―症候群は中脳と呼ばれる大脳と脊髄を結ぶ部分の殊に後ろ側(背側)に病変が起きた場合に見られる症状を合わせたもので、中脳背側症候群とも呼ばれ、小児の松果体腫瘍にて最も多くみられます。ですから、今回質問いただいたパリノー症候群であろうかという質問の答えはイエスです。

松果体は脳幹の後ろに突出した小さな構造ですので、そこに良性の腫瘍ができた場合、脳幹を傷つけることなくこれをきれいに取り切れることは少なくないと思います。その圧迫症状が残ったり、血管障害が残って眼球運動などに関連した症状がまだ残存しているのでしょう。

典型的には、上方注視麻痺(ものを視線で追う形では目が上に動かぬが、顎を上下するときには垂直運動が可能)、輻輳(目を内寄せする)ことができにくい、輻輳後退眼振(両目が近くを見るときのように周期的に中央に寄り、その時に眼球が後ろに引き込まれるような動きをする)が誘発できるなどを示します。対光反応の減弱も伴います。目を見開いた表情はコリア―兆候と言って大脳テント下の脳幹や小脳病変に広く見られる兆候です。

これらパリノ―症候群に対する特異的な治療法はありませんが、圧迫による症状の残渣であれば、ゆっくり回復してゆくことは期待できます。気長に眼症状の経過を見てもらうのが良いでしょう。脳圧亢進も伴いやすいので、うっ血乳頭に伴う視神経萎縮も見てゆく必要があるかもしれません。

私のパリノ―症候群のページ https://www.kiyosawa.or.jp/nerve-cat/39566.html/ もご覧ください。

Categorised in: 神経眼科