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2020年2月18日

11525:片頭痛の原因は「通常の人よりも興奮しやすい視覚野」だということが判明:記事紹介

清澤のコメント;閃輝暗点を持つ患者の視覚誘発電位に特徴があるという結果には驚くべきものはありません。この研究方法は、安定したものではありますが30年ほど前に用いられていた手法であって、この程度のデータが今までになかったとも思われません。発表の重要性に関しての確認が必要と思われます。

ーー記事の要点ーーー

2020年02月17日 16時00分サイエンス

ズキズキと脈打つような頭痛が繰り返す片頭痛は、イギリスだけでも人口の11%に相当する600万人の患者が存在すると推定されており、多くの人にとって文字どおり頭痛の種になっています。過去の研究により、パンやコーヒーなどの飲食物や、さまざまな生活習慣が片頭痛の発生と関係が深いことが分かっていますが、片頭痛に苦しむ患者の脳波を調べた最新の研究により、「片頭痛の原因は脳の視覚野」にある可能性が高いことが判明しました。

Differences in early and late pattern-onset visual-evoked potentials between self- reported migraineurs and controls – ScienceDirect

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213158219304693

片頭痛を患う人の中には、視野の中に太陽を直接目にした後の残像のようなキラキラした点が現れる閃輝暗点などの視覚異常を経験する人がいます。そこで、「片頭痛は脳の視覚を処理する部分と関係があるのではないか」と考えたバーミンガム大学の心理学者Ali Mazaheri氏らの研究グループは、片頭痛患者の脳の働きを調べる実験を行いました。

実験には女性の片頭痛患者29人と、対照として片頭痛を患っていない女性31人の合計60人が参加。実験では被験者に対し、視覚野への刺激を引き起こす縞模様の格子パターンを見せてから、「見ていて不快か」「見ることで何らかの視覚的な現象が起きるか」を尋ねるアンケートを実施しました。

研究グループはさらに、参加者にPCのモニターに表示された縞模様の格子パターンを見せて、不快感や視覚的なゆがみが最大になったタイミングでマウスをクリックしてもらい、その間の脳波を測定して、片頭痛患者とそうでない人の視覚野の脳波の違いを調べました。

研究グループが、視覚的な刺激についてのアンケートと脳波測定の結果の両方を分析したところ、「片頭痛患者の視覚皮質は、視覚的な刺激に対して大きな反応を示す」ということが判明しました。以下は実験時の被験者の脳波グラフで、横軸が時間、縦軸が脳波の振幅を表しています。赤枠で囲った部分を見ると、片頭痛患者の脳波を表す青線と、対照グループの赤線とが、有意な差異を示していることが分かります。これは、片頭痛患者の方が、視覚的な刺激に対して激しく反応していることを意味しているのだとのこと。

また、片頭痛を患っていないグループの人であっても、最初のアンケートで視覚的な現象を報告した人の場合は、視覚野が過敏な反応を見せることも判明しています。論文の共著者であるChun Yuen Fong氏は今回の実験結果について「ほとんどの片頭痛患者は、日常生活で幻覚や視覚的な不快感、強い光で目の痛みなどを感じる羞明(しゅうめい)を経験しています。これは、片頭痛と視覚野との間に関係があることを示唆しています」と話しました。

また、Mazaheri氏も「我々の研究により、片頭痛患者の視覚野では、外部からの情報を処理するにあたり何らかの異常が発生している可能性が高いことが分かりました。しかし、視覚的な刺激に敏感でも片頭痛を経験したことがない人がいるため、今回の実験結果は全体像の一部でしかない可能性もあります」と述べました。

研究グループは今後、「片頭痛の前兆が視覚的な刺激への反応にどのような変化をもたらすか」を調べることで、片頭痛の発生を予測したり予防したりする技術の開発を目指していく予定だとのことです。

Categorised in: 神経眼科