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2019年12月2日

11345:要素性幻視の一例:学会演題紹介④

清澤のコメント:先日の神経眼科勉強会に提出し、レビー小体病では?などの意見をいただいた症例です。要素性幻視は人とか犬とかといった具体的な意味を持たず、点や線などの要素のみの幻視で病巣を第一次視覚野に求めます。今後、脳疾患や精神科的な診断名が付くことも有ると思っております。

ーーー抄録ーーー

P‐62 要素性幻視の一例

I〕野村仁登美1、西山 友貴1、深町 雅子1、倉田あゆみ1、石井 楓子1、江本 有子2、江本 博文1,2,3、清澤 源弘1,3、大野 京子1

1医科歯科大、2江本眼科、3清澤眼科

【緒言】原因不詳の要素性幻視の一例を経験したので報告する。

【症例】86歳、男性。(主訴)要素性幻視。(既往歴2014年に両眼白内障手術、2017年に右眼線維柱帯切除術、及び左網膜前膜に対する硝子体手術。(現病歴)主として緑内障に対して当科通院中、2018年4月頃より、疲れると開瞼時に赤~黄、場合によっては紫の斑点がみえるようになった。史書編纂作業中で症状が煩わしいため、神経眼科外来受診となつた。(初診時所見)矯正視力:右10.9p)、左10.6p)、眼圧:右9、左lttmmHg)、前眼部:右眼線維柱帯切除術後、中間透光体:両眼IOL、眼底:両眼視神経乳頭陥凹拡大、RAPDなし。(幻視)赤の点が両眼視野に並んで見える。わずかに点減・移動する。視覚保続、反復視はない。持続時間は日によって異なるが、数時間~1日程度であった。見えるものは抽象的な図形で、赤~黄、場合によっては紫の斑点の要素性幻視で、具体的なものが見える複雑性幻視はなかった。

【考察】86歳と高齢であるが意識清明で認知症はなく(長谷川式スケールは29/301、日常生活は自立し、外来も一人で通院されている。頭痛や、てんかんの自動症など、幻視に伴う症状はなかった。頻度は3か月ほどで徐々に減少した。意識変容や認知障害、精神症状、パーキンソニズム等、精神神経学的には他に異常は認めなかった。

【結論】頭部MR1/′ MRAに有意な所見はなく脳波は正常で、血液検査でも代謝異常を認めず、原因不詳と考えられた。

Categorised in: 神経眼科