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2019年12月2日

11344:パノラマ眼底写真から眼球運動障害が示唆された一例:演題紹介③

清澤のコメント: diagonal diplopiaについて:複視とは、単一のオブジェクトの2つの画像を同時に知覚することです。2つの画像は、水平方向、垂直方向、斜め方向 diagonal (つまり、垂直方向と水平方向)、または互いに対して回転方向に変位します。 これは通常、両眼がまだ機能している外眼筋の機能障害の結果です。演者は患者の訴える「見難さ」がわずかな眼筋麻痺に因る複視であることを眼底写真撮影で気づいたといっています。

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P-61 パノラマ眼底写真から眼球運動障害が示唆された一例

〇部田 彩夏1、亀田 千尋1、中島 夏美1、矢部 美帆1、堀口 乃恵1、窪野 玲央1、江本 有子2、江本 博文1,2,3、清澤 源弘2

1、秀和総合病院、2、東京医科歯科大学 眼科、3、江本眼科

【緒言】バノラマ眼底写真から眼球運動障害が示唆された一例を経験したので報告する。

【症例176歳、女性。(主訴)両眼見えづらい。(現病歴)X年10月16日、トイレから出た後から頭痛の訴えあり。その後、卒倒し、救急要請。当院に救急搬送された。搬入時意識レベルはGCS 13(E3V4Mo、瞳孔不同なく麻痺も認めなかったが、頭部CT上、クモ膜下出血を認めた。血管造影検査では右後下小脳動脈に25mm大の動脈瘤を認め、コイル塞栓術が施行された。リハビリ中、見えづらさがありテルソン症候群などの除外のため、同年11月6日、当科受診となった。(初診時所見)矯正視力:左右とも(1_21、眼圧:正常、前眼部、中間透光体:両眼Grade Ⅱの白内障のみ。(経過)テルソン症候群の除外のため、パノラマ眼底写真の撮影を行ったところ、右眼内下方、及び両眼上方の撮影が困難であった。ヘスチャートでは右上斜視を認めた。

【考察】単眼運動は右眼内下方への動きが悪く、また両眼とも上方への動きが悪かった。視力・視野・眼底は正常であったため、主訴を再確認すると、両眼複視が見えづらさの原因と考えられた。複視はdiagonaldiplopiaであり、Parks 3 step testで右滑車神経麻痺と考えられた。両眼上転障害は各種疾患を除外し、加齢性と考えられた。

【結論】パノラマ眼底写真の撮影は9方向眼位と関連があり、撮影困難な部位がある場合は、眼球運動障害を考える必要がある。

Categorised in: 神経眼科