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2019年11月14日

11294:脳をフル活用するとカロリーが大量に消費されるというのは本当か?;記事紹介

清澤のコメント;その昔ソコロフはデオキシグルコースに放射線をつけて、ラットのオートラジオグラムをとることで脳の糖代謝(脳がどれだけのカロリーを使っているか)を測る技術を開発しました。そのデオキシグルコースにつける放射線の元をフッ素18という陽電子(ポジトロン)放出性で半減期がとても短い放射線同位元素を使う事で、人間に使えるようにしたのがペンシルバニア大学のライビッチ先生でした。現在、フッ素18標識デオキシグルコースを使ったポジトロンCTは主に全身の癌の検出に用いられています。これは今でも脳機能の測定や診断にも用いられています。上の図はアルツハイマー病への利用例です。本日紹介する記事で、 「脳をフル活用するとカロリーが大量に消費される」という命題はこの技術で論じることができているのです。

ーーー元の記事はこちらですーーーー

脳をフル活用するとカロリーが大量に消費されるというのは本当か? – GIGAZINE

https://gigazine.net/news/20191112-brain-calories-thinking/

2019年11月12日 08時00分サイエンス

脳をフル活用するとカロリーが大量に消費されるというのは本当か?

by Pete Linforth

過去の研究により、「脳がストレスを受けると通常よりも12%も多くのグルコースを必要とする」ことが判明していますが、「ブドウ糖(グルコース)を唯一のエネルギー源とする脳を酷使したら一体どれほどのカロリーが費やされるのか?」という疑問について、科学系ニュースサイトLive Scienceが追究しています。

How Many Calories Can the Brain Burn by Thinking? | Live Science
https://www.livescience.com/burn-calories-brain.html

1984年に開催されたチェスの世界選手権のタイトルマッチは、ソビエト連邦出身の棋士であるアナトリー・カルポフ氏の「衰弱」を理由に突如として中止されました。カルポフ氏の体重は大会期間中に10kg以上も落ちており、そのやつれ方は大会の主催者が「これ以上の対局は生命に危険をもたらす」と判断せざるを得ない程だったといわれています。

by Michal Jarmoluk

スタンフォード大学で霊長類の神経内分泌学について研究しているロバート・サポルスキー氏によると、対局中のプロのチェスプレーヤーが1日に消費するカロリーは平均6000kcalにもなるとのこと。これは普通に生活している一般人の約3倍で、運動しているプロのアスリート選手に匹敵する量です。

◆脳は存在するだけで大量にカロリーを消費する
成人の脳の重さは男性で1350~1500g、女性は1200~1250gほどで、平均的な体重の約2%程度に過ぎません。その一方で、脳はグルコースという形で1日当たり350~450kcalを消費しており、これは人体の基礎的な消費カロリーの20~25%を占めています。この割合は、体の発達が進んでいない子どもになるとさらに大きくなり、5~6歳の子どもでは消費カロリーの実に60%が脳によるものだとされています。

by NomadSoul1

こうした傾向は人間に特有のものではなく、体長が11~15cmのピグミーマーモセットや、リスほどの大きさのツパイといった小型の哺乳類も、人間と同様に体全体の消費カロリーに占める脳の消費カロリーの割合が高いことが分かっています。このことを突き止めたデューク大学の進化人類学者であるダグ・ボイヤー氏は、「体の大きさに占める脳のサイズが大きいと、脳が消費するカロリーの割合も高くなる」と推測しています。

また、ボイヤー氏の共同研究者であるアリアンナ・ハリントン氏はLive Scienceの取材に対し、「脳に送られたエネルギーの多くは神経細胞にあるシナプスの発火に費やされています。このプロセスは、たとえ人間が眠っている間であっても、各臓器の機能を制御するために絶えず行われています」と話し、何もしていない間でも脳が大量のカロリーを消費していることを指摘しました。

◆思考してもしなくても脳の消費カロリーはほぼ一定
「存在するだけで大量にカロリーを消費する脳がフル稼働したら、一体どうなるのか?」というLive Scienceの質問に対して、オタワ大学の神経科学教授であるクロード・メシエ氏は「実は消費カロリーはそれほど変わらない」と回答しています。メシエ氏によると、人が何か新しいことに取り組むと脳内にある新しいタスクを学習するための領域が、大量のカロリーを消費するようになります。しかし、これはあくまで脳がその部分に送る血流量を増やしてエネルギーの配分を変えたに過ぎず、「脳全体が使うエネルギーの総量は一定で、ほとんど変わらない」とのこと。

メシエ氏は「私たち神経科学者は、脳の活動を『ボンネットの中』と呼んでいます。これは、脳の働きの大部分は私たちには自覚できない無意識下で行われているという意味です」と述べて、何か新しく学んだり物事について考えたりといった意識的な活動と、脳の消費カロリーは無関係だとの見方を示しました。

なお、サポルスキー氏の研究では、「チェスプレーヤーのカルポフ氏が大量にカロリーを消費して体重が激減してしまった理由は、実は思考とはあまり関係がない」ということも突き止められています。サポルスキー氏によると、チェスを指している最中のカルポフ氏は呼吸が普段の3倍も速くなり、筋肉も収縮して血圧が上昇していたとのこと。こうした肉体的な緊張が消費カロリーを増やし、精神的な重圧による食事の量の減少や大会期間中の不規則な食習慣も相まって、カルポフ氏の体重が減少してしまったのだと、サポルスキー氏は推測しています。

こうした知見を生かし、近年のプロのチェスプレーヤーはフィットネストレーニングやジョギングを生活習慣に取り入れて、体力作りにも力を入れるようにしているとのこと。また、ノルウェー出身のチェスのグランドマスターであるマグヌス・カールセン氏に至っては、世界王者の座を獲得するにあたり「チェスをするために最適な座り方」を開発したといわれています。
ーー引用終了ーーー

Categorised in: 神経眼科