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2019年10月23日

11212:統合失調症の治療反応とグルタミン酸およびGABAレベルとの関連:論文紹介

清澤のコメント:正直この論文の話題に私は門外漢ですが、眼瞼痙攣を含むジストニアの話に少し似ています(下記参照)。グルタミン酸は脳内の興奮性伝達に関する代表的な伝達物質。そしてGABAはベンゾジアゼピンと共役して働く代表的な抑制系伝達物質です。3Tの強磁場の磁気共鳴分光法(MR spectroscopy)で脳内神経伝達物質の量を測っていますが、共通の基準にクレアチニンを使う様です。神経伝達を見る場合に、神経伝達物質の濃度も問題ですが、神経受容体密度を見なくてよいのでしょうか?原典:

提供元:ケアネット 公開日:2019/10/23

 ドパミン作動性抗精神病薬に対する治療反応不良は、精神疾患の治療における大きな課題であり、初発時に治療反応不良患者を特定するマーカーが求められている。これまでの研究で、初発時の治療反応不良患者では治療反応患者と比較し、グルタミン酸(Glu)およびγ-アミノ酪酸(GABA)レベルが増加していることがわかっている。しかし、健康対照群の参照レベルを用いて、治療反応不良患者を特定できるかはよくわかっておらず、デンマーク・コペンハーゲン大学のKirsten B. Bojesen氏らが検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2019年9月16日号の報告。
 抗精神病薬未使用の初回エピソード精神疾患患者群39例、マッチさせた健康対照群36例を対象に、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)および3T磁気共鳴分光法を用いて、繰り返し評価を行った。Glu/総クレアチニン(Cr)レベルは、前帯状皮質(ACC)および左視床で測定し、GABA/CrレベルはACCで測定した。6週間後、アリピプラゾール(「エビリファイ」:ドパミンD2受容体に対するパーシャルアゴニストで統合失調症の治療薬)単独療法患者群32例および健康対照群35例を再検査し、26週間後に、自然主義的な抗精神病薬治療患者群30例および健康対照群32例を再検査した。治療反応不良の定義には、Andreasenの基準を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・治療前では、患者群全体において視床におけるGlu/Crレベルが高かったが、治療後には正常化した。
ACCにおけるGlu/CrおよびGABA/Crレベルは、すべての評価時で低く、治療による影響は認められなかった。
・健康対照群と比較すると、6週目(19例)および26週目(16例)の治療反応不良患者は、ベースライン時の視床におけるGlu/Crレベルが高かった
・さらに、26週目の治療反応不良患者は、ベースライン時のACCにおけるGABA/Crレベルが低かった
・治療反応患者と健康対照群では、ベースライン時のレベルに違いは認められなかった。
 著者らは「抗精神病薬未使用の精神疾患患者におけるGlu作動性およびGABA作動性の異常は、抗精神病薬に対する治療反応不良を引き起こすと考えられる。このことは、初回エピソード精神疾患患者の臨床的予後を予測するために役立つ可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)

原著論文はこちらBojesen KB, et al. Psychol Med. 2019 Sep 16. [Epub ahead of print]

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