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2019年8月4日

10978:レーベル病患者の就学状況についての実態報告;発表の採録+レーベル病とはの解説

レーベル病患者の就学状況についての実態報告

清澤のコメント:第28回視覚障害リハビリテーション研究大会の報告を当医院職員でもある荒川和子さんから戴きました。

『レーベル病患者会は年2回 飯田橋のボランティア市民センターで情報交換を行っていますが、昨年から、この視覚障害リハビリテーション研究大会で患者会の活動報告(ポスター発表)を行っているのだそうです。

今年のテーマは「 レーベル病患者の就学状況についての実態報告」とし、就学に関するアンケート調査(対象者32名)を行いその結果を発表しました。患者会を代表して、会員の渡辺至俊さんが発表し、奥様や患者のお母様方と共に参加して参りました。』とのことです。

「レーベル病患者会」に興味をお持ちの方は、当医院の荒川和子看護師までお問合せください。

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第28回視覚障害者リハビリテーション研究発表大会

渡辺至俊、古庄庄一郎、茂木伸明、栗田真由美(;レーベル病患者会)、荒川和子(NPO法人目と心の健康相談室)、若倉雅登(医療法人社団井上眼科病院)

レーベル病患者の就学状況についての実態報告

・目的:

レーベル病の発症年齢は患者会のアンケート調査結果(2018年実施)より10代での病気発症が全体の約4割程度と年代別では最も多く、学校教育が必要で様々な事を学習し成長する年代での発症患者が多くみられる実態が判明した。また非常に多感な時期での病気発症で対応する家族の悩みが患者会へも寄せられている。この為、10代で発症した病気患者家族への調査により就学についての実態調査を行った。

・方法:

患者会へ所属する10代で病気を発症した患者を持つ家族8名へのアンケート調査により、発症年齢・視力・障害者手帳等級・就学や進学の状況・学校の対応状況・その他学校や社会制度に対しての要望などについて自由記述でメール・書面で回答してもらったものを纏めた

・結果:

回答者全員から学校の対応、学校や社会制度に対しての意見が寄せられた。学校の対応については決まった制度やルールはほぼ存在せず、補装具の持ち込み・試験の時間延長など各学校の個別対応となっている事、学校と個別に折衝・交渉が必要となっている現状が示された。社会制度に対しては視覚障害者の相談窓口はあるが、学習面での相談窓口がなく回答者の家族全員が対応に苦慮している事が判明した。

・考察

本疾患の特徴でもある発症から間もなく急激な視力低下を招く病態は普通に生活し学業に励んでいた若者が従来までの学生生活を送れなくなっている。また、学校・社会からのサポートは少ない。教育現場の視覚障害者に対するサポートの明確な制度・ルールの創設が早期に必要と考えられる。将来に明るい希望を持って学業に励んでいる若者が視覚障害者となっても変わらず明るい未来を描ける社会制度の整備が求められる。

ICRのページから:レーベル病とはの翻訳( 出典:https://icrcat.com/en/eye-conditions/leber-hereditary-optic-neuropathy/

Leber遺伝性視神経症とは何ですか?
Leber遺伝性視神経症(LHON)は、Leber Optic Atrophy(レーベル視神経萎縮)とも呼ばれ、1871年に家族の失明の既往歴がある人に起きる突然の失明の特徴的なパターンを説明したTheodore Leber博士にちなんで名付けられました。これは最も一般的な遺伝性視神経症であり、ミトコンドリアの突然変異によって引き起こされ、有病率が低いですが、ほとんどの地域ではまだその有病率は知られていません。イングランド北東部およびフィンランドでは、それぞれ31,000人または50,000人に1人の割合で発生します。

それはまた、より年齢の低い子供や35歳以上の成人にも起こり得ますが、最も一般的には18〜35歳の若い男性に影響を及ぼします。女性では、それははるかに低い発生率を持っています。

それは一般に両眼の重度の視力喪失を引き起こします。ほとんどの場合、片眼が最初に罹患し、数週間または数ヶ月後に2番目の眼が発症します。

LHONの原因は何ですか?
私たちの遺伝物質(DNA)の大部分は細胞核に局在していますが、そのごく一部はミトコンドリア(ミトコンドリアDNA)にあります。

核内の遺伝子は両方の生物学的親から受け継がれています。それにもかかわらず、ミトコンドリア遺伝子は母親からしか受け継がれていません。これは、ミトコンドリアDNA変異を持つ男性が自分の生物学的な息子に遺伝的に伝達することはできないのに対し、ミトコンドリアDNA変異を持つ女性はそれをすべての彼女の生物学的子孫に移すことを意味します。

LHON症例の90〜95%は、3つの具体的なミトコンドリアDNA変異のうちの1つによって引き起こされます。しかし、これらの突然変異を持っている人々のかなりの割合が病気の症状を発症することはありません。より具体的には、これらの突然変異のいずれかの保因者である女性の10%および男性の50%だけが視神経症を発症するであろうとされます。これは、他の遺伝的(ミトコンドリアまたは核)および/または環境的要因が失明を引き起こすために作用しなければならないことを意味します。例えば、これらの突然変異の保有者におけるタバコまたは大量のアルコールへの曝露は、疾患を発症するリスクを増大させます。

症状
典型的には、LHONキャリアは、片目が突然失明し、もう一方の目が数週間または数ヶ月後に失明を経験するまで無症状のままでいます。視力は底を打つまで数週間悪化し続け、ほとんどの場合、(顔の判別、運転、認識などの作業に不可欠な) 中心視力 は、両眼で深刻かつ恒久的な影響を受けますが、しばらくすると視覚回復傾向を経験する人もいます。この永久的な視力喪失は、視神経細胞の死に起因し、それが目から脳への画像の送信を担います。

視力喪失はほとんどのLHON患者での唯一の症状ですが、不整脈、および神経学的問題(姿勢の振戦または他の運動障害)がそれらの中に記述されています。

診断
いくつかの理由で、それは診断が難しい病気です。まず第一に、それは遺伝性疾患ですが、それは突然変異を患っているすべての人々にそれ自体を明示してはいません。このため、それは病気の家族歴の証拠なしで起こるかもしれません。

それを診断するために、包括的な神経眼科検査とミトコンドリアDNAを調べる血液検査を実行することが通常必要です。

眼底検査では、最初に微小血管症が見られ、次に乳頭周囲神経線維層の腫脹が見られ、これが視神経萎縮に進行します。

処理・治療
現在、予後は通常は恒久的かつ重度の視力喪失です。病気の治療法を見つけるためにいくつかの研究が行われています。 ICRはそれについて進行中の研究をしています、そしてそれは現在選択段階にあります。(下の動画はこの解説文を作ったバルセロナのICR病院の紹介動画です。)

Categorised in: 神経眼科