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2019年7月14日

10905:第13回 心療眼科研究会:聴講印象録

第13回 心療眼科研究会:聴講印象録

「心療眼科のスキルアップのために」参加者は85人だったそうです。

会 期:2019年7月13日(土) 会 場:杏林大学

主 催:心療眼科研究会 責任者:平形 明人 世話人:気賀沢 一輝  

1、一般演題視覚関連基礎スキルアセスメント:WAVESを体験する 今岡 弥1), 松浦 一貴1), 寺坂 祐樹 1) 1)野島病院 眼科

清澤のコメント:視認性視覚障害やディスレキシアにおける視覚認知機能低下を評価するWide-range Assessment of Vision-related Essential Skills(WAVES)の眼科スタッフによる使用経験。検査時間は40分とのこと。今後の普及が予想される。

2、心因性視覚障害における視覚関連基礎スキルアセスメント(WAVES)の応用 松浦 一貴1), 今岡 伸弥1), 寺坂 祐樹 1), 唐下 千寿1), 2) 1)野島病院 眼科, 2)鳥取大学)

清澤のコメント:心因性視覚障害(PVD)では図形を認知する視知覚が低下していたと報告。「PVDは、視力低下、視野狭窄などの典型所見、ストレスが認められる状況下において、器質的疾患のじょがいにて診断され、視認知機能は評価されない。」という事だったとすると、今後は積極的な診断の手段となるであろうか?最近、他所で両眼開放視野の、この診断への有用性が報告されていたのを聞いた。

3、全身の脱毛を伴った中心性網膜炎疑いの1症例 山田 晴(彦山田眼科医院, 関西医科大学付属病院)

清澤のコメント:このケースではOCTや眼底での漿液性網膜剥離は記録されていない。その脱毛は全身型である。ステロイドが共通の原因なのか、ストレスが共通の原因なのかは断定されていなかった。今後同様の症例のより詳細な報告を待ちたい。

4、眼科からみた遅発性ジストニア 気賀沢 一輝1), 眞島 行彦1), 2), 渡辺 敏樹1), 3) 1)杏林アイセンター, 2)慶應義塾大学, 3)ワタナベ眼科

清澤のコメント:私にも薬剤性眼瞼痙攣は興味あるテーマです。私は、薬剤性眼瞼痙攣はデパスほかのベンゾ系薬剤が原因であることが多いので、GABA-Aベンゾジアゼピン系が遅発性ジスキネジアには主に関連するものと思っていた。演者のお話ではドパミンD2が強く関連するとしていた。(現在、鈴木幸久が依頼されたQA総説を提出中。過去のHorie論文も参照。 https://www.kiyosawa.or.jp/nerve-cat/53697.html )稲田先生の、多くの精神科医が遅発性ジスト二アを知らないという追加発言が大切な点。

5.LASIK手術後の羞明・眼痛が星状神経節ブロックによって緩和した一例 山西 竜太郎, 内野 美樹, 川島 素子 , 坪田 一男 ) 慶應義塾大学医学部 眼科学教室・アイペイン外来

・清澤のコメント:まず慶応大医学にペイン外来が出来たことをお慶び申し上げます。中枢性の痛覚抑制系がアドレナリン作動性であるという事と、この星状神経節ブロックが有効であったことは無関係の様で、血管拡張に関連した循環改善レベルの話のようです。今後もこの会にご参加ください。

指定演題「羞明」

1、中枢性羞明患者に認知行動療法を試みた1例 岡田 正喜(市立豊中病院 眼科)

・清澤のコメント:認知行動療法はさまざまな精神疾患の治療に活用されている心理療法の一つで、思考や行動の癖を把握し、自分の認知・行動パターンを整えていくことで生活や仕事上のストレスを減らしていく方法のこと。薬剤療法と共に考えるべきもので、当医院でも臨床心理士が疼痛緩和などへの治療を試みてくれています。演者はサインバルタの処方が出来ないケースにこれを行ったとしていた。サインバルタはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤。脳内のノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の働きを改善し、意欲を高め、憂鬱な気分などを改善する薬。代表的な商品名は、サインバルタ、トレドミン。これも院内の神経内科医と相談してレパートリーに入れてゆきたい。

2.「眩しい」を心の問題とするのは間違い 若倉 雅登(井上眼科病院)

清澤のコメント:千葉大眼科の山本教授が班長で眼球使用困難症の調査が進んであるそうです。今までに集まった40例の過半数は眼瞼痙攣で、いずれも羞明が強いが、子宮癌予防の為のパピローマウイルス予防接種後症候群も含まれるという。Digreの羞明の図がキー二なる図か。images

教育講演:眼底所見に乏しい視覚障害―心因性視覚障害との鑑別に必要な知識とは?- 篠田 啓(埼玉医科大学 眼科 教授)

 清澤のコメント:網膜疾患には一見網膜の色調に変化が見られないものが複数ある。演者はその症例をお得意の電気生理学的検査結果で説明された。第6の症例は眼科的及び電気生理学的にはあくまで正常であって未知の網膜視神経疾患なのか、やはり心因性視神経障害なのかという症例であった。この会では今後もこの様に心因性の様だが実は器質性病変があるという事を言って見せられる方の世話役としての参加を求めたい。

特別講演:眼科医に知っていただきたい向精神薬の副作用のチェックポイント、そしてその対策 渡邊 衡一郎(杏林大学医学部 精神神経科学教室 教授)

 様々な薬剤の副作用の話があったが、まず、 五蘊⇒https://www.kiyosawa.or.jp/neighbors/53702.html 。次は、特に「物の境界やへりがぎらぎら見えるといった視覚領域に出現する知覚変容発作も向精神薬の副作用として知られている。夕方に数分から数時間出現し、自我違和的で苦痛となる。」という現象が耳に残った。この単語をなんといっていたか思い出せなくて残念(なので調査中です:気賀沢先生に教えていただきました、 セイリアンス(Salience)でした。⇒追加記事準備中)。

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