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2019年7月11日

10895:死生学;視覚を失って行く恐怖と対峙した少女とどのように接すればよかったか?

第17回死生学勉強会(@順天堂江東高齢者医療センター)

 世話人:呼吸器・緩衝ケアチーム 菅野康二先生

症例の主訴が視覚を失うという点で、気になったので初めてですが参加させていただきました。

先ず菅野先生から嗅覚異常で発症し、進行する両眼の視力低下に直面して苦しんだ若い女性患者とその家族の状況が15分ほどで提示されました。

この提示に対して、各テーブルに5-6人程度でわかれた5つのテーブルで、司会者と書記を決めて、自己紹介ののち、心理学的な問題点や医療者が取りえたであろう対応などについて、医師(当テーブルは小児科・眼科)・看護師・臨床心理士)が15分ほど意見を述べ合いました(グループデスカッション形式)。

この結果を、各テーブルで書記を担当した人から発表してもらい、その結果を共有しました。

・この患者と家族にはそれなりの性格的に特異な点もあったようです。

・本人と家族に否定的な情報を、どの段階でどこまで知らせるべきか?が一番の問題。

・この患者と家族には共依存と呼ばれる関係があって、医療者が入り込みにくい面もあった模様。

・疾病の受容(ないし諦念)に至るまでに、相当の怒りや落胆の時期があり、それを医療関係者は理解して接する必要がある。

参考事項::

死生学:はこのような死生観を哲学・医学・心理・民俗・文化人類・宗教・芸術などの研究を通して、人間知性に関するあらゆる側面から解き明かし、「死への準備教育」を目的とする極めて学際的な学問である。 死生学は尊厳死問題や医療告知、緩和医療などを背景に、1970年代に確立された新しい学問分野である。 (死生学とは:という動画を末尾に採録)

②疾病受容までの心理プロセスは以下の通り

第1段階: 病名告知による衝撃・ショック

第2段階: 防衛的退行(否認・逃避)

第3段階: 承認(怒り、抑うつ)

第4段階: 受容(新しい自己への親しみ)

③共依存とは:共依存(きょういそんCo-dependency)、共嗜癖(Co-addiction)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す。すなわち「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」である。共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平穏を保とうとする。共依存という概念は、医療に由来するものではなく、看護現場サイドから生まれた。

④      グループデスカッション:最近は就職試験でも多用されているらしい。気持ちよく参加するには「段取り力」、「積極性」、「協調性」、「本質理解力」、発想力」を要すとの事。自分ばかりで話さない自制も必要。

Categorised in: 神経眼科