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2019年4月26日

10670:fNIRSによる眼瞼痙攣患者羞明に対する極薄粘着テープ施術効果評価:日眼演題抄録集から

清澤のコメント:眼瞼痙攣の治療を一緒に研究している「かづきれいこ」さんから、今回の日眼に、日本医科大学と野共同研究の報告を発表したことを伺いました。日本医科大学では「fNIRS(機能的近赤外線分光法)による前頭葉賦活計測により眼不快を客観的に評価できる可能性を報告し(IOVS、2018)ている」そうです。私たちのPETに依る脳代謝研究では前頭葉皮質は陽性には出てはいませんが、それはそれとして伺っておきましょう。

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fNIRSによる眼瞼痙攣患者羞明に対する極薄粘着テープ施術効果評価

〇小野 員史、鈴木雅也、熊谷直也、かづきれいこ、

渡辺聡子、檜山あや、小川令、高橋浩

  1. 日本医大 2東海光学 3日本医大・形成外科4有限会社かづきれいこ

(日本眼科学会オーラル講演演題抄録02-089)

【目的】眼瞼痙攣の差明は患者QOLを低下させ、近年極薄粘着テープ貼付の自覚症状軽減が提案されている(かづき他、神経眼科学会、2017)。我々はfNIRS(機能的近赤外線分光法)による前頭葉賦活計測により眼不快を客観的に評価できる可能性を報告し(IOVS、2018)、眼瞼痙攣の羞明を評価できる可能性を発表した(臨眼、2015)。今回極薄粘着テープ貼付による眼瞼痙攣羞明軽減効果を前頭葉賦活計測で評価した。

【対象と方法】羞明を感じる眼瞼痙攣14名(65.4±9.4歳、M:F=2:12)を計測し、外乱大の被験者を除く11名を解析対象とした。極薄粘着テープ貼付前後につぃて、fNIRS (OEG 16、スペクトラテック社)を用い、風負荷(18m/s)及び、無散瞳光負荷(蛍光灯+室内光10001x)下方視の瞬目制限1分のタスク(臨眼、2015)で、遮光なし、黄(CCP LY)及び紫(CCP MV)の遮光眼鏡装用の条件で前頭葉賦活を計測し、負荷時の瞬目率及び自覚症状を比較した。前頭葉賦活は開発した4チャンネル(CH)ブローフ(日眼、2017)を用い、最大賦活CHのoxy-Hbから隣接する浅層データを減算後評価した。

【結果】粘着テープ貼付により、光負荷条件下で遮光眼鏡(黄、紫)を装用した場合にoxy-Hbの賦活が1/6に減少した(p<0.05)。テープ施術により全条件で自覚症状が有意に改善した(p<0.05)。

【結論】前頭葉賦活計測から眼瞼痙攣に対する極薄粘着テープ貼付による羞明改善の可能性が示唆された。

追記:江本博文が以前にまとめた私達の以前のこのブログ内での要旨は⇒「180 原発性眼瞼痙攣における羞明時の脳代謝」にあります。

原著:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/mds.22916

結果:正常群との比較;羞明群は視床に増加を認めた(p=0.034、クラスターレベル補正)。正常群との比較で、非羞明群は、脳糖代謝の低下を上丘を含む中脳背側部に認め、(p=0.007、クラスターレベル補正)。非羞明群との比較で羞明群は視床と中脳背側での糖代謝亢進を認めた(p=0.001、クラスターレベル補正)


考案; 良性原発性眼瞼痙攣における羞明は視床の代謝亢進に伴っているかも知れない。神経生理学的な データによると、三叉神経の反射は視床への刺激が増強し、上丘への刺激は三叉神経性の瞬目反射を抑制する。視床の活性亢進と(または)、上丘を含む中脳背側部の代謝低下は反射の亢進を起こし、羞明は眼瞼痙攣を理解するキーともいうべき症状であるかもしれない。

Mov Disord。 2010年3月15日; 25(4):433〜9。 doi:10.1002 / mds.22916。

本態性眼瞼けいれんにおける光恐怖症 – 陽電子放出断層撮影法による研究

江本H1 、 鈴木Y 、 若倉M 、 堀江C 、 清沢M 、 望月M 、 川崎K 、 織田K 、 石渡K 、 石井K

作者情報

1東京都板橋区東京都老人総合研究所ポジトロンメディカルセンター。

アブストラクト

羞明を伴う本態性眼瞼痙攣(EB)患者における脳内グルコース代謝の局所的変化を局在化すること。 陽電子放出断層撮影と[(18)F] – フルオロデオキシグルコース分析を行うことによって22人のEB患者を研究した。 患者は2つのサブグループ、すなわち、光恐怖症(photophobia)を伴うEB(P群)と、光恐怖症を伴わないEB(NP群)に分類され、健常対照群(n = 44)と比較された。 運動症状の重症度または状態が持続する期間に関して、2つの患者群の間に有意差はなかった。 FDG-PET画像は、統計的パラメトリックマッピングソフトウェアを使用して分析した。 対照群と比較して、P群は視床において有意な代謝亢進を示し(P = 0.002)、一方NP群は背側中脳、特に上丘において有意な代謝低下を示した(P = 0.005)。 P群はNP群と比較して視床および背側中脳で有意な代謝亢進を示した(P <0.001)。 これらの所見は、EB患者の羞明が視床の異常な活動亢進と関連している可能性があることを示唆している。 視床の活動亢進または上丘の活動亢進のいずれか、あるいはその両方が、これらの患者の過剰な瞬きに関連している可能性があります。

Categorised in: 神経眼科