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2019年1月16日

10397:慢性硬膜下血腫について

眼科医清澤のコメント:慢性硬膜下血腫発生頻度は、既定概念の15-30倍であって、人口10万対30人というデータを日医総研が出したそうです。この慢性硬膜下血腫とはどんなものなのでしょうか?脳神経外科疾患情報に慢性硬膜下血腫が説明されていますので抄出します。

1.慢性硬膜下血腫とは

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後慢性期(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。慢性硬膜血腫は通常、高齢の男性に多く見られます。一般的は軽微な頭部外傷後の慢性期(3週間以降)に頭痛、片麻痺(歩行障害)、精神症状(認知症)などで発症します。年間発生額度は人口10万人に対して1~2人とされています。原因は一般に頭部外傷で脳と硬膜を繋ぐ橋静脈の破綻などにより硬膜下に脳表の髄液などと混ざった血性貯留液が徐々に被膜を形成しつつ血腫として成長するとされています。

2. 慢性硬膜下血腫の症状は

軽微な頭部外傷が原因とされていますが、頭部外傷があったかどうかわからない場合も10~30%に存在します。一般に外傷後3週間~数カ月以内に発症します。50歳以上の高齢者の男性に多くみられます。症状としては,典型例では頭部外傷後.数週間の無症状期を経て頭痛、嘔吐などの頭蓋内庄亢進症状,片側の麻痺(片麻痺)やしびれ、痙攣、言葉がうまく話せない(失語症)、呆けや意欲の低下などの精神障害とさまざまな神経症状が見られます。高齢者では潜在する脳萎縮により頭蓋内圧亢進症状は少なく,痴呆などの精神症状,失禁,片麻痺(歩行障害)などが主な症状です。

3. 慢性硬膜下血腫の診断について
症状より壮年~老年期の男性で頭痛,片麻痺などを見たら、まず本疾患を疑うことが診断の第一歩です。高齢者などでは老人性痴呆,脳梗塞として扱われている場合が少なくありません。診断を確実にするにはCTスキャンあるいはMRIが有効かつ必須です。

4.治療の実際について
血腫の大きさが小さい場合で自然に治癒する場合もありますが、極めてまれな例の限られます。基本的な治療法としては外科的治療が推奨されています。
1).外科的治療 省略
2).保存的療法(非手術療法)

5.穿頭血腫洗浄術の問題点
1).慢性硬膜下血腫再発:術後の再発は約10%
2).術後痙攣
3). 緊張性気脳症(tension pneumocephalus)
4). 術後感染症

6. 終わりに:本疾患のほとんどは、正しく診断がなされタイミングを逸することなく治療が行われれば完治する予後のよい疾患です。

Categorised in: 神経眼科