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2018年12月11日

10338:横静脈洞狭窄症の1例(石井楓子ほか)神経眼科学会抄録紹介

清澤のコメント:第56回日本神経眼科学会抄録集から採録:「右横静脈洞狭窄に対しステント留置術を施行し、うっ血乳頭が消退した」症例(東京医科歯科大)です。頭蓋内の静脈洞に還流障害が起きれば、脳圧亢進からうっ血乳頭に進行し、放置すれば視神経萎縮で失明する恐れがありますから、脳外科での適切な時期での対応が必要ということになります。脳外科医はうっ血乳頭が視機能に不可逆的な障害を起こすことを見過ごすこともありますので、頭痛などにとらわれない様に眼科医が脳外科医の背中を押す必要があるというお話です。まずは、慎重に脳圧測定をして見てもらうということでしょう。

P-6‐2 横静脈洞狭窄症の1例
石井楓子¹、宮後宏美¹、内田亜梨紗¹、西山友貴¹、倉田あゆみ¹、横田つくし¹、野村仁登美¹、江本有子²、江本博文¹²³、三木一徳⁴、清澤源弘¹³、大野京子¹
1)東京医科歯科大学眼科、2)江本眼科、3)清澤眼科、4)東京医科歯科大学血管治療科
【症例】37歳、女性。【主訴】頭痛、両眼複視。
【現病歴】IX年4月から霧視の自覚あり、同5月初旬から頭痛が出現した。同8日に近医眼科、同11日に近医脳外科を受診したが、特に異常を指摘されなかった。同22日、当科受診。
【初診時所見】(視力・眼圧・前眼部・中間透光体):特に異常なし。(眼底):両眼うっ血乳頭。(視野検査):両眼マリオット盲点の拡大。(眼球運動):両眼軽度の外転制限。発熱はなく、頭痛は臥位で増悪し、起坐位で改善した。臥位ではwhoosing soundの自覚があった。身長151cm、体重50kg、BM1 219。内服薬は、痛み止めのロキソニンのみであった。腰椎穿刺では初圧35cmH20で、髄液に異常は認めなかった。
【経過】MR1/MRVで脳静脈洞血栓症は否定的とされ、特発性頭蓋内圧充進症としてダイアモックスを投与開始した。
その後、頭痛、複視の症状はやや軽減したが持続し、うっ血乳頭はやや増悪した。ダイアモックスを増量したが、依然として旺盛なうっ血乳頭を認めたため、外科的治療を検討した。同6月15日、脳血管撮影で左横静脈洞閉塞、右横静脈洞狭窄を認め、右横静脈洞狭窄に対しステント留置術を施行した。現在、うっ血乳頭は消失し改善し、再狭窄も認めていない。
【考察】脳静脈洞狭窄症は初回のMRVで診断できない症例もある薬物治療が無効な場合は、他疾患を除外した上で脳血管撮影や狭窄部の圧格差測定などを行い、interventionを検討する必要がある。
1倫理審査委員会等:承認【無】2インフォームド・コンセント:取得【無】3.利益相反公表基準:該当【無】

Categorised in: 神経眼科